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angenoir165
透明になりきれない影
多様性という言葉は
正しさの形をして
静かに宙に置かれている
触れようとすると
光の粒みたいにほどけて
手のひらから零れ落ちていく
公平という響きは
答えを持っているようで
どこか遠くで
誰かに薄められた影のよう
胸の奥の声だけが
熱を帯びたまま
切なく
波紋のように広がっていくのに
世間の温度は
それを受け止めるには
少し冷たすぎる
表面的な言葉だけが
風に揺れる紙片のように並べられて
理解したふりの光が
淡く漂っている
そんな簡単じゃない
そんなすぐに溶け合えるほど
私たちは透明じゃない
それでも
私は私にしかなれず
あなたはあなたにしかなれない
滲むようにしか在れなくて
無理に形を変えることもなく
ただ
この淡い輪郭のまま
世界という風にそっと触れている
多様性とは
誰かに許されることでも
誰かに証明されることでもなく
私という影と光が
ここに在るという
静かな事実のことだと
ようやく気づき始めている
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