小説【ハムレット〜要塞の王城〜】#06
「この作品には自殺や精神的苦痛を描く場面があります。つらい気持ちになった場合は、無理をせず読むのを中断してください。もし現実でも苦しさが続く場合は、信頼できる人や相談窓口に相談することも大切です。」
✅️ハムレットの異変
友人のホレイショが訪れた。
見た目は西洋的とは違い、黒髪で東洋的な顔立ちをしてる。
物憂げと知性を兼ね備えた彼は何処となく、神秘的でハムレットは彼の知性に惹かれ、親友として選んだ。
ドイツの大学で専攻は一緒だった。
何よりもハムレットの愚痴に対して常に共感してくれる。
ホレイショはガーゼとテープを使い、腕に包帯布を巻いてくれた。医師ではないが大学で病理を学ぶ事がある。
「ハムレット・・・憔悴してるね。」
虚ろ気なハムレットにホレイショは心配になった。儚げな瞳はより一層、悲しげだった。
若者らしい情熱や成長は欠け、すぐにも冷たく放したら心が壊れそうな彷徨いを感じた。
元から心の弱さをハムレットから感じていたホレイショは自殺するのではないかと心配になった。
「ホレイショ・・・。」
縋るような絡み付く目つき、一層と深い孤独と悲しみと打ちひしがれていたのは分かってた。
「言葉に出来ない。王が暗殺されて亡くなるなんて。国中が騒ぎ出す案件だ。」
ホレイショは冷静な口調で衝撃の現実を抑制的に抑えつけようとした。
「ホレイショ、僕は殺されるかも知れない。叔父は王位を簒奪した。喪中なのに母は結婚、僕の周りにきっと間者が居る。」
ハムレットは様々な出来事を抱え過ぎて全てに怯えていた。
「落ち着いて。叔父はまだハムレットが王を殺害した犯人を知ってるか分からないよ。でも僕も気を付けた方がいいね。叔父を犯人だって言ったら親も危険な目に会うかも知れないし、言わないでおく。」
ハムレットを落ち着かせようとした。口が震えている。怯え方が異常だ。このままだと押し潰されて死ぬかも知れない。
「うん、そうだね。」
ホレイショの冷静な分析で、少しハムレットは落ち着いた。
「ハムレット、食事はした?」
ホレイショは近付き、ハムレットの髪の毛を触り、ゆっくりと頬を触る。その優しい手は温かい。
猫みたいに擦り寄って居たらホレイショはハムレットを抱き締める。そしてホレイショはハムレットの唇に軽くキスをした。
ハムレットは少し瞳を驚かせたが、誰も孤独を癒せない中では心の拠り所になった。
「僕は誓うよ。神に代わって復讐の秘密を守ると。」
ホレイショはまるで臣下の様な立ち振る舞いをする。王位継承の儀式とは違うけど。
ホレイショの小さな悪戯に気持ちが楽になったのかハムレットは少し笑った。優しいホレイショに僕は心を託した。
そもそもハムレットはホレイショが自分の事を好きだって薄々気付いてた。
ホレイショはオフィーリアに嫉妬してた。
だからこそ信頼できたのかも知れない。
裏切らないと。
数日間、オフィーリアは来なかった。
お互いに密接な関係になった。
ホレイショの温もりだけが、凍りついた心を少しだけ溶かした。
あの日以来、ハムレットは初めて穏やかな眠りについた。
この癒しは決して忘れない。
📚️続く📚️
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