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みんなが笑っていた世間話に、私だけ引っかかった

「今日、あの人めちゃくちゃ優しかったんですけど」

同僚が言った。
いつも厳しくて、少し怖い顔をしている人の話だった。

「そりゃそうだよ。お盆休み明けだもの。リフレッシュしてきたんでしょ」

「逆に優しすぎて気持ち悪かったです(笑)」


なんてことはない、よくある職場の世間話だ。
私もその場では笑っていた。

でも、なぜか少し引っかかった。

休み明けだから優しい。
それって裏返すと、普段は仕事をしているから怖い顔になっている、ということなのだろうか。

もちろん、当人にそんな意識はないだろう。
本人に聞いたら「もともとこういう顔です!」と怒られそうでもある。

ただ、仕事を何日も続けていると、少しずつ余裕がなくなる。
顔が険しくなる。
そして休暇でリフレッシュすると、少し余裕が戻ってくる。

そういうことは、きっとあるのだと思う。

責任がある。納期がある。
思いどおりに進まないこともある。

だから休んで、リフレッシュして、また働く。
むしろ健全な循環なのかもしれない。

考えてみれば、以前の私なら、こんな話はたぶん翌日には忘れていた。
そのくらい「よくある話」だ。

みんなが笑って流している世間話に、一人だけ立ち止まってしまう。

たぶん、変わったのは私のほうなのだ。
それが正しいのかどうかは、わからない。

ただ、せっかく休んで少し優しい顔になれたのなら。
できれば、その顔のまま働けるくらいの距離で、仕事と付き合っていければいいのに。


お盆休み明け。

そんなことを考えながら、またいつもの仕事が始まった。




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