僕たちは⸺。惜別の雪
冷たい風が
ガラス越しに入り込んでくる。
雪でも降っているんだろうか。
今日の夜は
やたら寒い。
「んー光希〜」
悠樹の眠そうな声。
ベッドの中で
ぎゅっと抱きしめてくれる。
「ね、悠樹。」
「ん?」
「僕は悠樹に感謝してるんだ。」
「うん」
「毎日楽しく過ごせたのも、悠樹のおかげだし」
「こんな風にあったかいのも…」
「くう〜…」
「…寝ちゃった?」
悠樹はもう寝息を立ててる。
同じベットで、
悠樹の胸にひっつく。
とくん、
とくん
心臓がゆっくり鳴ってる。
あったかい。凄くあったかい。
「ホントにありがと。悠樹」
だるい体を起こして
ゆっくり部屋から出る。
コンコンコン
「千尋ー、客。」
明らかにドアに近い場所にいるのに出てこない。
相変わらず甘えん坊だね。
「誰だろ、こんな時間に。ふああ。はい…」
カチャ
「ああ、光希。こんばんわ。」
「こんばんわ。」
「最近休みがちでしたけど、大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫。千尋くんも元気してる?コキ使われてない?」
「元気ですよ。コキ使われるのはなんだか日課すぎて、慣れました。」
ほんと、素直じゃないね。
「…ふふ。よかった。鷹博くん、まだ起きてるよね?」
「数学教えてほしいんだけど…」
「元気に起きてますよ。」
「鷹博。光希が…」
振り向いて、声をかける。
奥の方に、黒い服を着てる鷹博くんが見える。
「…やれやれ。悠樹じゃ力不足なのかよ。」
得意げに笑う顔が
近づく。
鼓動が…。
「しょーがねーな。さっさと寝ろよ健康自慢。」
きっとそれは嘘だと
分かってるんだろうね。
バタン
「2階の茶室でいいよな?外は寒いし。」
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?

