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ウィーンミュージックセミナー2026

 ウィーンミュージックセミナーにバイオリンで参加してきた。一週間で4回のレッスンを受ける。受講者は私が参加した2026年夏第III期はピアノ、声楽、フルートなど全体で30人位の受講生で大半が日本人。バイオリンは4人だったがチェロは見なかった。飛行機で楽器を運ぶのが大変なのだろう。

大学の写真。正面のガラスの建物の1階(日本でいうと2階)がメインのホール(見出しの写真)。風が入る構造で、子どもの声も風に乗って入ってくる。


 
 バイオリンは私以外に2人の日本人と、ウィーンの音大の奨学生の若者一人。オープニングコンサートからイザイなど弾く上級者だった(でも気さく)。3曲違う作曲家の曲を準備していく事が条件だったが、私はブラームスのソナタ1番をメインに、その他はバッハの無伴奏やラフマニノフの短い曲で条件を満たした。他の日本人2人はシューマンやクライスラーなど。クライスラーはシンプルだがポジション移動が目立つ曲だったが、さすがの現役音大生、トレーニングを積んだ感じで完璧に弾いてのける。シューマンの緩徐楽章は美しく成熟した叙情。20才そこそこでの深い洞察力に、何があったんだ、とも思ったが、勘かもしれない。
 
 一方の私は、そもそもレッスンを受けるのが久しぶりで、毎日レッスンを受けている彼女達とはとても同じようには弾けない。今回ご指導頂いたチェフケノフ教授は、「音大に行ってないってすごいね」と言いながら、色々な話をして下さった。先生のご家族は4代続く音楽家だそうだが、初代の曾祖父はウィーンで活動されていたそうで、そうなるともうブラームスと同世代となる。

 ブラームスは壮大なシンフォニーからは想像がつかないが、小柄で160cmなかったらしく「君より小さい位」とのこと。それで好きな女性に好かれない事が多く、2楽章の後半の曖昧なパッセージはその繊細な感情が現れているとのこと。技術的には、各楽章、難所になると安全のために私の弓量が少なくなるのを見て取り、右側を動かすと左手もついてくるよ、とか、リスクを取らないと、などのアドバイス。バイオリンはフィジカルだが、考えている事が音に反映されるメタフィジカルな部分もあるとのこと。2楽章の重音は「重音難しいよね。私も弾けないよ」と正直。

 バッハは宗教曲と世俗曲があるが、私が弾いたパルティータ2番のアルモンドとサラバンドは世俗の舞曲。「そのテンポではちょっと踊れないかな」とステップを踏んで下さる。「アルモンドを発表会で弾いてみる?」と言われ教授推薦者のみの発表会で弾いた。

 ラフマニノフは別の曲を練習していたのだが難し過ぎてヴォカリーズに変えた。すると先生は、「悪いけどこの曲好きじゃないんだよね」、とやはり率直。確かに元は声楽曲でバイオリン曲ではないし、お母さんが声楽家で生まれる前からステージに立っていた先生からすると今一つだろう。そして「音程が悪いよ」とチューニングをして下さった。そうすると確かに全然音と音程が違う。ずっとウィーンでピアノのAの音が高いような気がしていたのだが、私が低かったのかも。

 と冷や汗をかきながら色々な指摘と指導を受け、なんとかセミナーを終える事ができた。先生の温かい指導、ベテランのピアニストと頼もしい事務局の先生に心から感謝します。
 発表会が終わり大学の通路で荷物を整理していると、おそらく声楽の先生(黄色の素敵なドレス)が、ブラボーと声をかけて下さった。駅までの道ではピアノの女性がドイツ語で声をかけてくれ、何と言われたのか分からなかったが、あなたの演奏も素敵だったという意味でvery niceと返す。たぶん伝わったと思う。
 音楽のために集い、聴き合い、励ましてくれる、ウィーンミュージックセミナーは温かい会だった。

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