売上3,000万を追う日々を捨て、私が「花」と「発酵」に命を懸けた理由
楽天での営業時代、私は毎月3,000万円という目標を10ヶ月連続で達成し続けていました。
画面に並ぶ数字、社内での表彰。確かに達成感はありましたが、心のどこかでずっと、ある「虚無感」を抱えていたのも事実です。
「この仕事は、私じゃなくても会社は回るのではないか」
「数字の向こう側に、誰の笑顔があるのだろう」
そんな私が、安定したキャリアを捨てて飛び込んだのは、甘く、繊細で、そして奥深い「表現」の世界でした。
1. 「数字」ではなく「笑顔」が返ってくる場所
退職後、私が夢中になったのはバタークリームで作る「フラワーケーキ」のお教室でした。 ただのケーキではありません。白砂糖も小麦粉も使わない、体に優しくて、目にも鮮やかなヘルシーなケーキです。

教室に来てくださる生徒さんの多くは、日々子育てや仕事に追われる女性たち。 彼女たちが花びらを絞り出し、完成したケーキを見て「わぁっ」と顔を輝かせる瞬間。 その「リアルな癒し」と「感謝の言葉」に触れたとき、私は楽天時代には味わえなかった、心の底から満たされる感覚を知ったのです。

「私から発信したものが、ダイレクトに私に返ってくる」 その手応えこそが、私が求めていた本当のやりがいでした。
2. 「唎酒師を取ったら、ご馳走してあげる」
そんな時、運命の言葉に出会います。 「日本酒って面白いんだよ。Maayaさんが『唎酒師』を取ったら、最高の一杯をご馳走するね」
その言葉を聞いた瞬間、私のスイッチが入りました。
「いいですよ、すぐ取ってきます!」
私は、白黒はっきりさせたい性格です。「面白そう」と思ったら、迷っている時間はもったいない。光速で勉強し、1ヶ月後には資格を取得していました。
そこで知ったのは、日本酒もまた、フラワーケーキと同じ「発酵」の力を借りた、健康にも良い日本の宝物だということ。そして、その背景にある職人たちの、凄まじいまでの「執念」でした。
3. 「明日死んでも後悔しない」という死生観
酒蔵に足を運び、凍てつく寒さの中で命を削るように酒を醸す蔵人さんの姿を見たとき、私の魂が震えました。
「これだ。私が一生をかけて、世界に届けるべきものは」
私はいつも、**「明日死んでも後悔しないか?」**という問いを自分に突きつけて生きています。
「まずやってみる」という挑戦に対して、私はどこまでも軽やかでありたい。
楽天時代の数字も、フラワーケーキで見た笑顔も、すべてはこの瞬間のためにあったのだと確信しました。
自分の直感を信じて、決めたらやり切る。 そうして私は、慣れ親しんだ「甘い世界」から、日本酒という「深く、熱い世界」へ、迷わず飛び込んでいったのです。
こうして日本酒に取り憑かれた私が、なぜ日本を飛び出し、カオス極まる「インド」を目指したのか。
次回は、狂犬病のワクチンを打ちながらムンバイの街を駆けずり回った、私の「狂気」の始まりについてお話しします。
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私が5年と数千万を投じて掴んだ『インド富裕層の心』と、日本酒輸出の孤独な戦い
