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深夜ラジオで聴いた異国の言葉

  中学生になる少し前、基礎英語を聴く目的で父親にラジカセを買ってもらった。自分専用のラジカセが嬉しくて、家の中を移動するときも持ち歩いた。

 当時は、夜、布団に入ってからラジオを聴く時間が好きだった。チューニングすると昼間よりも多くの番組が聴けた。ゆっくりとダイヤルを回し受信する行為が楽しかった。ひどい雑音が入っても当時は気にならなかった。むしろラジオの雑音は嫌いではなかった。深夜にラジオから静かに流れるビリビリ音やプツプツ音には表現しがたい心地よさがあった。

 その頃、私がラジオを聴いて一番興味をそそられたのは、特定の番組ではなく、チューニングするとたまに出会う異国の言葉だった。何を言っているのかさっぱり分からないが、聞き続けていた。知らない国から声が届くことが、説明のできない素敵なことのように思えたのだ。

 それから数十年が経ち、深夜にラジオをチューニングしても、昔のように異国の言葉と出会うことは無くなった。

 去年(2025年)の年末、思い立ってBCLラジオを買った。子どもの頃、深夜ラジオを聴いていたときと同様に、ゆっくりとチューニングしながら雑音とともに流れる異国の言葉に耳を傾けている。


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