てんかん発作5回目
7時
母の叫び声で
横で寝ていた私は
「またあいつが来た!」と
飛び起きる。
目は右上を向いていた。
発作後、いつもの泡を吹き
滝の様な
涙、鼻水、ヨダレは出なかったが
発作が収まっても
かなり長い時間
ウーン、ウーンと唸っていた。
ショックだ。
発作が、起きる間隔が狭まってきている。
2カ月振りだ。
明け方からの雨。気圧は関係あるのか?
看護師の摘便、
デイサービスでの座薬で、
排便コントロールもしてきた。
睡眠時間も確保している。
ストレス与えない様に過ごしてきたつもりだ。
何が原因か?
昨夜、ふくらはぎが、固かった。
昨日は、母の発語は少なく
コミュニケーションが、あまり取れなかった。
食欲はあった。
こもり熱程度の体温変化が少しあった。
前兆は何かと考える。
悔しいあいつ
…てんかん野郎
半年以上前のことだが…
医師が
目がどちらを向いていたかを聞くのはなぜだ?
右脳に異常があれば、左を向く
左脳に異常があれば、右を向くなのか?
なぜ。それを知りたいのか?
なぜ。それだけ聞いておいて
あと無言なのか?
何か言え!
「発作が5分以上続かないなら、大丈夫」
と言う医師と
「脳にダメージがくるから、良くない」
と言う医師と
「認知症だから今後も繰り返す」
という医師と…意見が皆違うのは、なぜだ!
共通して、言うのは
"(発作が)起こっても仕方ない"
息が止まって苦しんでいるのに
助けてあげられない
もどかしさは無いのか?他人事なのか?
日本の医療がんばれ!
製薬開発者や薬学研究者!!
皆さん助けてくれ!
いや、私が色々受け入れる
心の準備が
整っていないだけだ。
1年程前の、
初めての発作で救急搬送で
処方された抗てんかん薬は
比較的新しい薬と言われる
"ビムパット"を服用している。
救急搬送された病院では
量の増減を禁止していた。
個人病院では、簡単に増やされた。
医師によっては、
「知らない、使ったこと無い。
よその病院行ってくれ」と言う。
勉強不足でプロフェッショナルと言えるのか?
そもそも、ビムパットが
母にあっているのか…?とさえ思う。
もっともっと、世の中には、
重い病気で苦しんでいる方も
沢山いらっしゃる。
母と今という時間を、
一緒に過ごせる事に感謝して…
【大切な今】を過ごそうと自分に言い聞かせる。
落ち着けわたし…
訪問看護師救急に電話する。
うちの担当看護師に連絡をとって
折り返すと言われ電話を切る。
居ても立っても居れず、
近所の看護師さんに
「今回は唸っているんだけど…」と電話する。
「酸素濃度は?」の問いにハッとする。
測定すると、酸素は99.脈拍81であった。
血圧は身体の緊張が解けておらず
強張って両肘を曲げている為
計測不可能。
誤差が出るため測っても無駄である。
8時、
担当の訪問看護師さんが来訪。
唸りは収まっていたが、これは何か尋ねると
「唸りは、呻吟(しんぎん)かな…?」
と教えてくださった。
医療用語で、苦しみ呻くこと、又はその音のこと。息を吐くときに声門が閉じて生じる
うめき声のこと。らしい…
到着時の看護師さんに
「排便コントロールは順調だったのに…」
と伝えると
「気圧が急に変わったのもあるのかな?」と、
いつもの様に優しく母に声を掛けながら
手際良くバイタル測定を始めた。
薬についても、率直に質問すると
「ビムパット増やすと眠ったままになる。ビムパット使ってらっしゃる方が多い。ビムパットの微調整で、【大きな発作を抑えている】」
優しくゆったり
寄り添う声で話してくれ、
父も私も落ち着いていく。
実際、
初回の発作より発作時間は短い。
「血圧134/82、酸素96、脈拍72
肺の音も、呼吸も良し。
身体の緊張も取れてきていますね。」
との事で更に安堵する。
今回は発作後、
「泡を吹いていない、
涙や鼻水、ヨダレが出ていない」
と報告すると
「目から鼻からの、
自己処理機能が作用していたのかな?」
「おしっこ見ようかな…」と
おしめ交換を開始してくれる。
「娘さんいつもの、スムージー作ってあげて」
言われ台所へ向かうと…
看護師さんから
「うんちでてる!」との声が。
昨日、300g程度出ていたのに、
連日出るのは、珍しいことだ。
直ぐに摘便開始。
400.500g程出た。
2日に1回コントロールしてきだが、
「腹圧が足りない、
自分で、いきまない、等
薬の力で出すので
宿便が溜まっていたのかも…
発作は、排便が原因と見受けられる」
とのこと。
摘便回数について話し合う。
自立支援制度を使っている為
色々な制約があり、
看護師さんを自宅に呼ぶ回数など縛りがある。
「デイサービスで摘便をできる
看護師がいないですか?」
とのことで、デイサービスでも
お願いすることにした。
今後の対策が、見通せると
少しだけ
気持ちが楽になった。
今日のデイサービスを
欠席させるか否かについては、
母が落ち着いているので
訪問看護師さんが
デイの参加は可能だと判断。
父と私も、前回より
呼吸も乱れず
しんどくなさそうだったので、
寝たきり予防の為にも行かせることにした。
デイサービスの迎えのピンポンが鳴った途端
それまで静かに目を閉じて横になっていた母が
急に覚醒し「危ない、危ない」と
10回以上いい続けた。
こんなことは、今までない。
「行きたくない」と言いたかったのだろう。
母からのサインだと父と確信したが、
わたしは、抱きしめながら車椅子に移乗した。
憎っくき相手は…てんかんクソ野郎。
こんな時は、心を鎮めてくれる
トゥーツ・シールマンスを聴こう…
だんだんと、冷静になり、
発作時を、頭で振り返り始めた。
前回と、違っていたのは
首が絞められたように
息が止まっている感じとは少し違っていた。
実際、発作後も、唸りはするものの、
全力疾走した後のような
息の乱れは無く前回までとは違う。
泡を吹くことも、涙や鼻水ヨダレも出なかった。
ビムパットで発作の度合いは
少し抑制できているのかも知れない。
もっと、気付けるようになりたい。
何となく、ここ最近
あいつがやって来る気がしていたのは
何故だろう…
夜、仕事から帰ったら
日々の記録を書いたノートを見返そう。
仕事に向かおうと1階に降りると
スマホで何か調べまくっている父から
「和室の天井の模様が原因かなぁ…」
光過敏には気を付けてきたが
【縞模様てんかん】という言葉を初めて見た。
縦縞、横縞、網目模様、渦巻き模様
などをじっと見詰めることによって
発作が起こるとのこと…
医師には、認知症からくるてんかん、
脳波の異常としか云われないが
母の発作のきっかけとなる
誘発要因を探りたいと
私達家族は足掻いている。
取り敢えず、関係無くても
要因と考えられるものは
明日から片っ端から潰していこう。
ホームセンターへGOだ。
おっと、明日も仕事だった…
トゥーツ・シールマンス
心を包みこんでくれて
ありがとう。
