「風通しがいい職場です」と言えるのは、たいてい経営側だけです(その評価は、誰が下したものか)
うちは風通しがいい職場です。
誰でも意見を言えます。
採用の場面や取材で、そう答えたことはないでしょうか?
では、その評価を、現場の社員も同じように言うでしょうか?

風通しが良いという評価は、ほぼ例外なく経営側から下されたものです。
そして経営側が見ているのは、現場が言えた内容だけです。
何でも言ってくれ、と伝える。
その言葉に嘘はありません。
しかし会議が終わった後の廊下では、別の会話が交わされています。
あれは言えないよな。
言っても変わらないし。
届かなかった情報は、そもそも数えられていません。
だから、風通しの良さの評価には、最初から欠けている部分があります。

ここに、経営者が最も陥りやすい誤読があります。
会議で反対意見が出なかったとき、それを合意と解釈することです。
しかし沈黙には、少なくとも3つの意味があります。
賛成している。
理解できていない。
そして、言っても変わらないと諦めている。
この3つは、外から見た形がまったく同じです。
全員が黙っているという、同じ状態にしか見えません。
そのため、最も都合のよい解釈が選ばれやすくなります。
では、どう測るか?
風通しの良さは、雰囲気で測るものではありません。
否定的な情報が実際に上がってきた件数で測るものです。

情報が届かないまま時間が経つと、問題は別の形で表面化します。
取引先からの連絡。
退職届。
そのとき経営者は言います。
なぜ誰も言わなかったのか、と。
これを防ぐ方法は、ひとつです。
反対がないことを、合意とみなさない。
直近半年で、経営判断を覆した情報は何件あったか。
ゼロであれば、それは風通しが良い証拠にはなりません。
そして次の会議から、反対意見が出なかった議題は、その場で決めない。
一度持ち帰り、個別に確認する。
この一点だけで、構造が変わります。

経営者が変えたのは、沈黙の扱い方だけです。
しかし現場の側では、反対意見が求められているという認識が生まれます。
次の経営会議で、反対意見が出なかった議題は、その場で決めないでください。
直近半年で、経営判断を覆す情報が現場から上がってきましたか?

