見出し画像

いきなりの銀世界!?

    こんなことがあるとは!!

    自称、歴女であり、古墳女子いや女子ではないな、古墳オバサンである私が初めて経験した、自然の神から頂いた贈り物を、目に見える形で受け取った出来事をお届けしよう。

    商社を26歳で退職してから、いよいよ「膠原病」と自分の中で確信したのをきっかけに、
    (足が自由に使えなくなる前に、大好きな神社仏閣、古墳、宮や離宮跡、城(しろ)、古道を、とりわけ奈良県を中心に制覇するぞ!!

    更に京都府の嵐山、三重県の松阪・伊勢、和歌山県の根来寺、地元大阪府、旅行した折りは、その土地の歴史に必ず触れるぞ!!)
というスローガンをかかげ、33歳までに、その思いをだいたい叶えることができた。

    殊に、奈良県の制覇はほぼほぼ完了した。

   勿論、先にも書いたが、他にも京都府の嵐山、三重県の松阪・伊勢、和歌山県の根来寺は歩き尽くした。

    大阪府下は大阪城を中心に、地元の知らなかった歴史拠点を含めて、粗方見て歩いた。

    30歳までは、温泉旅行もできたし、33歳までは一人旅にも繰り出し、名所・旧跡を見て回った。

    だが、やはり一番思い出が多いのは、奈良県である。

    この素晴らしい思い出は、いずれ一つのシリーズに仕立てるつもりである。

     しかし、とりわけ素敵な世界観を抱いた(いだいた)深い感動は、やはり先に別個で取り上げたい。

    この感動はある意味、「そんなバナナ」に匹敵すると思い、指を動かしているところだ。

    かなり冷え込んだ冬の朝早くから、予め作成しておいた歴史探訪スケジュールにもとずき、いつものリュックを背負い、赤いダウンジャケットを羽織って、毎度のように電車と徒歩で出掛けた。

   奈良県は盆地と、山、川で、県下いずれもかなり冷える。

   でも、寒さに強い私は、ずんずん歩を進め、赤い色が持つパワーとダウンジャケットのお陰で、身体はホカホカしていた。

    しかしそんな体温とは反対に、スケジュール上お目当てに入れていた場所の一番初めにある、「小泉神社」に到着したら、白い物がチラチラしてきた。

    (あ、雪や)
と思いながら、拝殿に向かい、二礼二拍手一礼をして、旅の始まりだったから、
    (今日もケガなく無事に帰れますように、お見守り下さい)
と、毎回同様、神様にお願いをした。

    そして、くるりと振り返った。

    なんとそこでは、一瞬にして黄土色の砂地と目前の石段が、真っ白に化粧を施されていたのである。

    お祈りをしていた間だから、5分程度だったろう。

   すっかり銀色に輝く世界と化し、誰の足跡もついていない純白の参道に、すっかり見惚れてしまった。

    (こんな一瞬で、真っ白になったわ)
という驚きと同時に、
    (キレイ)
と思う晴れやかな気持ちで、私の心は満たされた。

   (これは神様が私の為にご用意下さった最高の景色のプレゼントや)
と感激に打ち震えた。

   暫くは感動と共に、美しい目前の雪降りしきる神社の境内から目を離せず、拝殿の前で佇んでいた。

    贅沢にも、このいきなりの銀世界を独り占めしたのである。

    正直、この麗しい白銀に自分の足跡をつけて汚したくなかった。

    しかし予定は、「松尾寺」、「慈光院」、「郡山城跡」とある。

    15分ぐらいはぼんやりと眺めていたが、流石にタイムアップだと判断し、踏ん切りをつけて、石段を降り、真っ白なキャンパスに一歩ずつ足跡をつけた。

    立派な鳥居に辿り着き、拝殿に礼をするべく自分が歩んだ跡を見やれば、境内に私の靴型だけが、ポツポツと残っていた。

    だが、先につけた型は既に薄れていた。

    牡丹雪が風に舞いながら降り積もり、既に汚れを半分消してくれていたのだ。

    (これなら、少しの時間で、元の銀世界に境内は戻るだろう)
と安堵し、次の「松尾寺」に向かったのだった。

『追記』

    「松尾寺」に着いた時は大雪になっていたが、参詣客は随分多く、厄除けで有名なお寺にて、鐘をついていた。

    更に「松尾寺」を下り「慈光院」では、ツアー客と一緒に私まで住職さんの有難いお話を聞かせて頂いた。

   「慈光院」の日本庭園が、すっかり雪化粧をした姿を見ながら、温かい抹茶を振舞って頂いた。

   更に更に、「大和郡山城跡」へ「慈光院」から足をのばし、お城の中にある「柳澤文庫」で、昔懐かしい石油ストーブで暖をとりながら、その前で椅子に座りゆっくりと風土記を読み、柳沢吉保公からの系譜をじっくりと拝見した。

    「大和郡山城跡」の敷地内にある「柳澤神社」を参拝してお城を後にした。

    この日の思い出は、雪のお陰で非常に鮮やかなのである。

    だから必ずシリーズで取り上げるつもりだ。

    なのでご拝読下さった方々におかれましては、乞うご期待頂きたい。