「刑務所で風邪をひくとどうなるか」──願箋、鼻炎薬、ビオフェルミンの話。
今回は閑話休題的に、思ったことなどを徒然と書いていこうと思います。
取り止めがなくなると思いますが、よろしければお付き合いください。
刑事施設の職員だとしても、法を犯さないでいられる訳ではありません。
まあ、拘置所や刑務所での被収容者への処遇などは、「それ違法やろ?」ということも多いです。
前にも書きましたが、拘置所で体調を崩した被告人が、刑務官に対して「風邪をひいたようなので投薬のための願箋をお願いします」と申し出たところ、「今忙しいんや。分かるやろ?」と言ったまま願箋を書かせずに、その結果、投薬を諦めさせたという事案がありました。
ここで「願箋」とは、被告人や受刑者が官に対する希望を述べる場合に必ず書かされる願い出の用紙のことを指します。
例えば、風邪薬が欲しいような場合は、その願箋に「風邪をひきましたので、風邪薬の投薬をお願いいたします」と書き込む訳です。そうしたらそれを刑務官に手渡す訳ですが、手渡したからといって、すぐに風邪薬が支給される訳ではありません。下手したら数時間かかる場合もあります。歯が痛いときの痛み止めなどだと、我慢ができないことになります。
このように、数時間かかるといっても、被告人や受刑者が自分の健康や命を守ろうとするならば、必ず願箋に願い出を書いて処理してもらわなければなりません。
そのような超重要な願箋を、「面倒臭いから」というとんでもない理由で、諦めさせる刑務官も実際に存在するのです。願箋を書いた上で願い出が却下されるというのではなく(これも酷いですが)、このケースでは、そもそも願箋を渡さないという極めて悪辣なものだったのです。
ただでさえ脆弱な刑事施設の医療体制だというのに、こんなことも無視されるなど言語道断なのですが、実際にこんなケースもあるのです。
某刑務所では、気管支炎からほぼ肺炎の状態になっていた受刑者への医療的処遇として、一日に一回、抗生物質を出すだけで、後は「寝てなおせ」という、これもまたとんでもない医療的処遇を行なったケースも存在します。
このケースは、刑務官ではなく、その刑務所に勤務している医師の判断で行われた処遇なのです。「刑務所で病気をしたら死ぬしかない」とは受刑者の間ではよく言われていることなのですが、まさにそのような処遇が実際に行われていたりするのです。しかも医師の判断によって。
投薬といえば、刑務所では定期に医務が薬を出す日があります。各工場の工場担当の刑務官や医務の職員(准看護師など)などに、口頭で欲しい薬を申告する、という仕組みです。基本的に医師を通さないので、市販の鼻炎薬や軟膏などに限られるのですが、受刑者は薬(合法のもの)に飢えているので、ここぞとばかりに申告しに並びます。
そんな投薬日の人気の薬は何といっても先ほど書きました鼻炎薬です。
刑務所は、21時に就寝時間となります。そんなに早くてはなかなか寝付けない、という受刑者はかなり多いのです。
そんなときに使うのが鼻炎薬なのです。
なぜなら、受刑者は、鼻炎薬には眠くなる成分が必ず入っていると信じてやまないので、その副作用を利用して眠りに就こうとする訳です。
これには成功する人も、失敗する人もいます。
成功する人は、恐らく「気持ちの問題」だと考えられます。しかし刑務所ではこの「気持ちの問題」が何においても大きな意味を持ってくるのです。
といっても、鼻炎薬にしろ風邪薬にしろ10錠も20錠もくれる訳ではないので、言ってしまえば本当に一回限りのチャンスだったりするのです。
鼻炎薬もそうですが、風邪薬が1包もらえたところで、「それでどんな風邪やったら治るん?」という感じがします。
下痢になった際などに、どんな薬がもらえるかというと、その施設によっても異なるかもしれませんが、僕が知っている範囲では、「粉末状のビオフェルミン」であることが多いように思います。
激しく下痢をしている中で、下痢止め用ではない通常のビオフェルミンをもらって腸内フローラの形成に努めてみるとか、どんな気の長い治し方やねん?!と思ってしまいます。
このように、刑事施設の医療環境は実に惨憺たる有様なのです。
刑務所における医療体制については、以前ちょろっと記事にしましたので、よろしければ下記の記事もご参照ください。
ということで、今回はこの辺で。
また徒然と書くこともあると思いますので、その際もどうぞよろしくお願いいたします。
急に他の話になることもあるかもしれませんが、その際はお許しください。
それでは!
