途中の自分はまだ隠したい
手が勝手に止まる。
電車の揺れに合わせて、心臓も少し跳ねる。
隣の人の顔は見ちゃいけないと思うのに、ちらりと視界に入る。
スマホを開いたけど、画面に文字は出てこない。
記事の続きを書こうと思ったのに、手はただ画面を撫でるだけ。
「こんなこと書いたら、変に思われるかも」
頭の中では何度もぐるぐる回るけど、指は動かない。
通知の数字をチラッと見て、すぐにそらす。
見られたい気持ちもあるのに、見られるのが怖い。
矛盾だらけの心のまま、ブラウザを閉じる。
ニュースを眺めるふりをして、逃げるしかない自分がいる。
書きたいのに、書けない。
手も心も、途中で止まったまま。
なんでこんなに、途中の自分を見せるのが怖いんだろう。
でも、怖いものは怖いんだから、しょうがない。
駅に着く。電車を降りても、書きかけの画面はそのまま。
まだ見せられない。見せたくない。
「全部、書き終わったら…」って自分に言い聞かせるけど、
それで本当に落ち着けるのか、わからない。
