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ダチョウ観察記録⑤パンツが語るもの

我が家にはダチョウがいる。

57歳のオスである。

———

あいつのパンツには、結構な頻度で糞がついている。

「うっかり」などという可愛げのあるレベルではない。

もはや定期イベント。

開催頻度、高め。

いや、季節を問わない風物詩に近い。

———

そのまま洗濯機に入れるわけにはいかない。

倫理的に。

衛生的に。

そして何より、私の気持ちが無理。

———

よって毎回、私は下処理をする。

患部に液体漂白剤。

しばし放置。

その後シャワーでジャージャー。

まるでパンツに
穢れを流す滝行を課すかのように。

———

……なぜ私は、これをやっているのだろう。

ふと我に返る瞬間がある。

———

そして今日。

パンツを広げた私は、動きを止めた。

扇状に広がるシミ。

広がり方、見事。
放射状に広がるその様は、まるで羽を広げたクジャク。

いや、羽を広げたダチョウそのもの。

ちょっとした芸術点すらある。

…いや、感心している場合ではない。

さすがにこれは、と思った。

これはもう、所有者の仕事だろう。

———

私は、患部がよく見えるように置いた。

あえて何も言わない。

気づけ。

そして洗え。

———

しばらくして、ダチョウが通過。

パンツを見る。

……見たな。


一瞬、間があった。
世界が、ほんの少しだけ緊張した。

———

が。

そのまま通過。

スルーである。

———

見えているのに、見ていないことにする能力。

我が家のダチョウは、その点において非常に優れている。

———

結局、パンツはそのまま。

———

私は漂白剤を手に取る。

いや、やめた。

———

ダチョウが長年はいたパンツは、

私が長年の感謝を伝え、

ゴミ箱へと送り出した。

———

これ以上の関与は、しないことにした。


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このシリーズは①から読むことをオススメします

ダチョウ観察記録①筋肉痛でしょ!
https://note.com/major_hornet7520/n/n0fd88c062424


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