パニックの子どもに気持ちを聴いてはいけない話
3才の女の子Iちゃん。
とっても可愛いおかっぱぱっつん前髪の子。
この子は、とっても甘えん坊😊
私がクラスに入ると、いつも歓迎してくれて、太ももに抱きついてくる。
「ねぇ、はなまるして!」
と言われるので、
「今日は何を頑張ったの?」
と聴くと、
「全部!!」
と言うので、
「そっか〜、Iちゃんはがんばりやさんだね。はなまる💮」
と、おデコにはなまる💮を描いてあげる。
Iちゃんは、満面の笑みでウフフ♥と笑う。
そんな微笑ましいやりとりもあるが、
この子が苦手なのは気持ちの切り替え。
今日もクラスの前を通ると、
「うわ〜ん!やーだー!」
という廊下を響き渡るIちゃんの声。
担任は、またか、という顔。
「何がやだったの」
「泣いてたらわからないよ」
何を聞いても、Iちゃんはヤダとかしか言わない。
いわゆる、パニック状態。
手が付けられない。
部屋で水着に着替え、プールに移動するという、切り替えの場面。
他の保育士にどうしてこうなっちゃったの?と聞いたら、
どうやらIちゃんは一番に並びたかったらしい。
でも、着替えが遅く、一番にはなれなかった。
大人からしたら、しょうが無いじゃん、
一番でも何番でも、プールには入れるし、
変わんないよね、と思えるけれど、
子どもにはそれは通用しない。
向き合ってた保育士にも筋があって、いくら一番になりたくても、順番抜かしはさせられない。
お互いの意思がぶつかり合っちゃって、わ〜!
となっている。
まぁまぁ、いっぱい泣いたね〜。ちょっとこっちおいで
とIちゃんを廊下に連れ出し、保育士に目配せして「割って入ってごめんね」を伝える。
廊下でIちゃんは「いや〜!」と泣いているが、私が
「そっか、そっか、やだったねぇ」
「一番じゃなくて、悔しかったねぇ」
「頑張ったのにねぇ」
とずっと背中をさすっていると、だんだん泣き声が小さくなる。
「抱っこする?」
と私が聴くと、
「うん」
と頷いて抱きついてくるIちゃん。
「落ち着いて偉かったね。
プール行こっか。」
と誘うと、手をつないでプールまで行ってくれた。
その後は、何もなかったかのように、弾ける笑顔でプールに入っていた。
あ〜、良かった。
Iちゃんは、感情のコントロールが苦手。
それは彼女が発達的に他の子どもよりも幼いこともあるが、
周りの大人が(私を含め)彼女の気持ちを言語化出来ていないことも原因の一つ。
もやもやと湧き上がる感情に名前がつかない。
だから、どうして良いか自分でもわからなくてパニックになる。
そこに大人が
「なぜ」
「どうして」
を彼女に言わせようとすると、
その答えを持ち合わせてないから、
どうして良いかわからず、
そもそもの思いも遂げられず、
Iちゃんだってパニックにはなりたくないけど、そういう状況になってしまう。
だから、これはパニックだなと思ったら、子どもから言葉を引き出す努力は一旦やめる。
子どもの気持ちを言語化し、落ち着く環境をつくる。
子どもは変えない。
私たちがやり方を変える。
これを続けることで、子どもは安心と安全を覚え、気持ちを切り替えられる。
子どもの問題行動は、子どもが安心すると落ち着く。
これを一人でやるのはとっても大変。
保育園なら分かってくれる保育士が必要だし、家庭なら夫婦が理解し合って役割分担が必要。
子どもの心を大切にするって、手間暇がかかる。
でもさ、可愛い子どもたちのためだもの。
そうでしょ。
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