メンタル回復のチャンス!不登校児の夏休み
近づく9月1日
気がつけば、少し夜が長くなっている。
朝晩虫の声が聞こえるようになり、晴れた日中に空を見上げてみれば、羽毛のような筋雲が伸びやかな弧を描き、すっかり秋の気配を帯びている。
長かった2026年の夏休みも残り一日。
9月1日が近づくにつれ、中2・中1・小3の我が子三人にも、まだまだ切り替えられないだらっとした未練と、そろそろやらねばというピリッとした決意が交錯したような、不思議な雰囲気が家に漂っている。
ひたすら息子のメンタル回復に努めた
原因のわからない不登校の子というのは結局、メンタルが不調なのだろうと思う。
うつのような状態と受け止めている。
この世界は楽しい、と信じることができなくなっているのではないか。
だとすれば、好きなことや楽しいことを毎日思い切りやれば、「世界は楽しい、楽しいから明日も生きていたい」という活力が湧いてくるのではないか。
湧いてきた活力は、やりたくないことも頑張ってやってみよう、という決心にもつながるかもしれない。
こんな思いから、今年の夏休みは進行形の不登校児である小3息子のケアをメインに据えることにした。
楽しい予定によりメディア時間減
家族以外の誰にも合わず、YouTubeとゲーム画面ばかり見て動かず、話さず、笑わないような日を極力、作らないよう意識した。
とは言え息子はYouTubeやゲームも大好きなので、厳しい制限はしなかったのだが、楽しい予定をなるべく入れることで必然的にメディアの時間が減るようにした。
まず、夏休みの冒頭からキャンプの予定を入れた。
キャンプとは言っても市の教育委員会が企画した一泊二日のイベントで、泊まるのは教育用宿泊施設だ。
夫が息子と参加したが、自作したランタンを持って森を歩く肝試し、カレー作り、お芝居を観る時間などもあり、アウトドア派でない家庭育ちの息子としては、火起こししたり夜の森を歩いたりなど新鮮に楽しめたようだった。
英語教室のサマースクール
次に、英語教室のサマースクールに参加した。息子はこの英語教室に2歳から通ってきた。
本人たっての希望で6年間続けてきたのだが、メンタルが不調になり学校に安定して行けなくなると、好きだったはずの英語教室にも足が向かない日が増え、7月いっぱいで辞めることにしていた。
サマースクールは7月の終わりに開催されたため、最後に参加することができたのだった。
この英語教室でいうサマースクールとは、工作や水遊びなど、楽しいアクティビティをこなしながら英語に触れようという夏休みの日帰り企画を指す。
今年も謎解き、水鉄砲バトルなどたくさんの魅力的なアクティビティが用意されていて、五日間開催のうち三日間を申し込み、各日朝9時から午後2時までしっかり楽しんできたのだった。
学校イベント・親戚とのレジャープール
キャンプとサマースクールの間に習い事をはさんだりしているうちに、7月はあっという間に過ぎた。
8月に入ってすぐ、学校ボランティアの大人たちが毎年企画してくれる恒例の宝探しイベントが夜の校庭にて行われ、息子は景品のお菓子をもらい、久しぶりに再会したクラスメイトとはしゃいで帰ってきた。
その翌日には義姉一家と日帰りで、近場のレジャープールに出かけた。
義姉一家には息子と同い年の男の子がおり、帰省など機会あるごとに遊んできた。その大好きないとこと一日中遊べたことで、大いに気持ちを解放できたらしい。
一日の最後に見た打ち上げ花火も、息子の上昇基調な気持ちをさらに彩ってくれたようだった。
心身の不調を言わなくなる
このあたりで息子のメンタルボルテージは最高潮に達し、春からずっと訴えていた「頭痛い」「息が苦しい」「気持ち悪い」等の不調を、気づけば言わなくなっていた。
弾けるような良い笑顔を見せることが増え、息子が人生への信頼を取り戻しているかのような手ごたえを感じ始めていた。
この時点でまだ8月が始まったばかりで、夏休みとしては序盤であった。
いよいよ勉強を促す
掴みはOKだな、そろそろタイミングだなと感じ、いよいよ息子に勉強を促すことにした。
一学期、息子は学校にまともに行けなかったために、通知表は全教科「評価不能」の意である斜線にしてもらった。
勉強の遅れをどうしよう、というのが不登校児の親の大きな悩みのひとつである。
タブレット型の通信教育は、不登校になる以前にやりたがって試したことがあるものの、息子には合わないことがはっきりしていた。
息子に合う塾を発見
次女が不登校になった時には次女に合う個別指導塾を見つけ、そこで中学受験まで乗り切った。しかし静かにじっくり学びたい次女と違い、息子は他の子と一緒にワイワイやりたいタイプだ。
ひとつ、息子に合いそうな塾の心当たりがあった。
その塾は子どもたちを盛り上げながらスクリーンやタブレット、すごろく等を使い、ゲーム感覚で学ばせてくれるという触れ込みだった。
6月下旬に体験に連れて行くと、案の定一発で気に入った息子は絶対にここに通う、と即決入会。
7月から週一回そこに通い始めていて、夏休み中も塾仲間と賑やかに楽しく学べる、大変ありがたい場所となってくれていた。
計算と漢字ドリルで家庭学習
入塾したことで息子に合う学習方法がひとつ見つかりホッとしたものの、それだけで授業を受けなかった勉強不足を補うことはできない。
ほとんど手をつけていない学校の計算ドリルと漢字ドリルを夏休み中にやり切り、クラスの授業進度に追いつくことを目標とした。
朝の食事と身支度を済ませた息子がパソコンでYouTubeを観ている間に、机の上に筆記用具とドリルを広げておく。
習慣で30分タイマーが鳴るとパソコンを観るのをやめるので、そのタイミングでドリルをやろうと軽く促す。
最初はチラ見するだけでやろうとしなかったが、何度か軽く促すうちにやらなきゃな、という意識はついていたらしく、いつしか息子は広げたドリルの前に座り、パソコン休憩の間に少しずつ取り組むようになっていた。
今日はやりたくない、と言う日もあり、そういう日はそれで良しにした。
演劇教室
息子は、実は演劇教室にも通っている。
きっかけは、美術畑と演劇畑の知人二人が協力して開いている子ども向け演劇教室で、一年後の講演に向けて出演者を募集しているから稽古場に遊びに来ないか、との誘いをもらったことだった。
試しに連れて行ってみると、小学生から高校生まで異年齢の子が自由な雰囲気の中、賑やかに楽しくやっていた。
当時すでに登校渋りの酷かった息子は、雰囲気に惹かれてまたここに来たいと言い、2025年の11月から週一回、今も通っている。
演劇教室はこの夏休み中もあり、既述したような夏休みのイベントやレジャーの合間に、演劇教室と塾、それから昨夏、本人の強い希望により入会した月2回のロボット教室をはさむことで、ほぼ毎日のように家族以外と会い、コミュニケーションを取り、笑ったり、好きな活動や学習をしたりすることができたのだった。
臨床心理士によるカウンセリング
8月上旬、市の設置する相談機関に息子を連れて行き、臨床心理士による二度目のカウンセリングを受ける。
初回のカウンセリングは5月に受けていた。
穏やかな年配の男性先生で、
「夏休みは生活習慣の乱れだけ気をつけていれば大丈夫ですからね、勉強についてはまた後からでも取り返せますから」
と言われた。
不登校をめぐるアドバイスにおいて、第三者の方から掛けていただく「大丈夫」という言葉はありがたいながらも、いや大丈夫ではなかった!といった展開になっても誰も責任は取ってくれない、ということは理解しておかなければならない。
息子に必要なのは「居場所」と「勉強」
今の息子の成長にとって必要なのは「笑顔でいられる、他の子がいる居場所」と「勉強手段の確保」の二つである、という確信を持っている。
その二つを満たす場所が学校であれば一番良いと思うので、これからも安定した登校を目指し努力を続けていくのだが、
学校がその役割を担うことができない間は、他の方法で補完する必要があると思うのだ。
日々、その目的に沿った情報を探し、息子とのマッチングを繰り返す、という行動をすでにあれこれ起こしている。
何をすべきかが自分の中でクリアになっていて、すでにできることは全てやっているから、迷いがない。
困ったら人に相談できるように
迷いがないなら、何のために臨床心理士によるカウンセリングを受けているのかというと、
客観的な相談記録を残すためと、家族以外の人やサポート機関に息子の状況を共有してもらうためである。
それから、社会生活で困ったことが起きた時にはとにかく人に相談するのが良い、ということを息子に体感してもらうためである。
困ったら相談するというのは、具体的にこうすることなんだよ、と子ども時代に教えておきたい。
言語化が苦手な息子は黙って困ったまま、人知れず追い詰められ、社会不適応に陥ってしまう可能性がこれからもあり得ると思うからだ。
カウンセリング翌日には学校主催の夏休みイベントに朝から参加。読み聞かせと、ボードゲームを楽しむ。
これにて夏休み前半が終了。
全ては息子の子ども時代を守るため
振り返ってみても、我ながら全力を挙げている。
すべては、息子にとって今しかない大切な子ども時代を、不適応からの自身喪失によって台無しにさせないためだ。
不登校は、学校に行けないことそのものより、学校に行けない自分はだめやつ、という自己肯定感の低下の方がずっと怖いと思っている。
「学校以外にも認められ、自信を持てる居場所は必ずあるから一緒に探そう、まず家庭は絶対的に君を守り、安心できる場所だよ。
学校はまぁ、行けるにこしたことはないから、行けると思えた時にまたトライしてみようか。」
こんな感じが、私が迷いながらも確立した、我が子に対する不登校サポートの理想スタンスである。
8月31日、子どもたちの胸中は
今日は8月31日。
9月1日問題とも呼ばれる日を明日に控えて、苦しさを抱えた子どもたちがたくさんいるのだろうか。
さて、不登校息子に向き合う母のチャレンジサマー2026は、まだまだ終わっていない。
息子の瞳を輝かせるため、夏の熱い闘いは続く。
お盆からの夏休み後半、想像だにしなかったハプニングに見舞われながらも、あの手この手で息子に畳み掛けていく母のチャレンジ記録は、たぶん後半に続く。
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学校に行けない子とその保護者の幸せを追究するために、これからも書いていきたいです。応援していただけたら嬉しいです。