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お題で書きはじめるnote企画|「熱帯夜」

熱帯夜。くそ。誰だこんな安易な名前つけたやつは。
襟元は汗でぐっちょりと湿っている。
冷蔵庫の排気音だけが自己主張しやがる。
開けなくても分かっていたが、案の定空っぽだ。
自分が悪い癖に舌打ちをし、
シンクで蛇口をひねる。
音だけは清涼感を伝えるが、生ぬるい水をグラスで受ける。
それでも上下にのどぼとけは動き、
あぁっとため息が零れる。
続けざまに2杯目を飲み干し、叩きつけたグラスの音は、
高音質でどこか涼しげだった。
コンビニでも行くか。
一瞬脳裏をよぎるが、すぐに茶色の硬貨しかない財布を思い出す。
行ったところでこの部屋の温度は変わらない。
往復する分だるいだけだ。
バタンッとベッドに倒れこまず、
フローリングへ密着する。
固い感触が温度を奪っていく。
はぁ、どうにか眠れるが、起きたらガチガチだろうな。
時折ゆらめくカーテンの隙間から
街の光と廃熱が部屋の天井を照らした。


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