ちきりんAIに相談したら、僕はちきりんとも「交渉」を始めていた
【これまでのあらすじ】 4年前の金銭トラブルで妻への信頼を失った僕。再構築のために「妻と同僚になる」ことを目指しています。 ▶第1話から読む
1月7日、救世主が現れた
今日、「ちきりんAI on LINE」というサービスが始まりました。
ちきりんさんは、僕が全著作を読んできた数少ない「尊敬する人」です。人のことを斜めに見てしまう僕でも、ちきりんさんの言葉には素直に耳を傾けることができます。
このサービスを見て、僕は思いました。
もしかして、ちきりんさんのビシッとした助言であれば、僕は素直に従えるのではないか。
妻との「同僚化プロジェクト」は、39日間続けてきました。でも、正直に言うと、進んでいる実感がありません。妻との会話は今もゼロです。
このままではダメだ。社会派ブロガーの力を借りよう。
僕は迷わず第1期チケット(1,000円)を購入しました。
いざ、相談開始
夜、仕事を終えた僕は意気揚々とちきりんAIに相談しました。
「このnoteを見て著者にアドバイスをして!どうやって妻との関係を改善していけば良いと思う?」
そして、これまでのnoteのURLを一気に送信しました。

数分後、ちきりんAIから返信が来ました。

「リンク先は直接読めないけれど、夫婦関係の再構築で効果が出やすい順に、具体策を提案します…」
え、リンク先読めないの?
想定外の展開に、僕は焦りました。どうやったら全部の記事を読んでもらえるのか聞くと、「要点をあなたから渡してもらえれば」とのこと。
それなら、と思い、Day1の記事(前提条件を伝えるため)と全記事の要約リストを送りました。

すると、具体的なフェーズ1〜5の提案が来ました。週次ボード化、境界線の文書化、見えない貢献の可視化…。
なるほど、さすがちきりんさん。ロジカルで具体的です。だが、フェーズ1が毎週15分のミーティングとは、いきなりハードルが高い!スパルタです。
「待って待って!いま会話がゼロなんです。そこからのスモールステップを一緒に考えてほしいんです。」
フェーズ1で躓く
ちきりんAIは理解してくれて、会話ゼロからの立ち上げプランを提示してくれました。

フェーズ1は「連絡導線を1本だけ復活」。家族LINEに「連絡テンプレ」を送る。1日1通、20文字以上、質問なし。
わかりやすいです。さすがです。
でも、僕は聞きました。
「連絡テンプレって何書けばいい?家族カレンダーに予定は書いてあるし、向こうとこっちで勤務時間帯が全然違うから帰宅時間を知る必要がないし、特にLINEで共有すべき連絡事項がないんだけど…。」
ちきりんAIは提案してくれました。

消耗品在庫シグナル、鍵閉めた・火元OKなどのリスク通知、子どもの宿題などの進捗数値…。
でも、僕は想像してしまいました。
「消耗品在庫送ったら『買ってこいっていうこと?どういう意味?』って返信してくるし、それ以外は全く意図がわからないんだけど…。逆に向こうからされたら、『どういう意味?』って返すと思うし、心がざわつくんだが…。もっと平穏なフェーズ1ない?」
ちきりんとの「交渉」が始まる
ちきりんAIは理解を示してくれました。「わかる、その『どういう意味?』返しで心拍が上がるの、無駄コストです」と。

そして、新しい案を出してくれました。「時報・ビーコン方式」。
「業務連絡テスト:本日の連絡経路は有効です。返信不要。」
この定型文を毎日送る、とのこと。
意味がよくわかりません。
僕:「家族のグループLINEにこれ送るの?子供がなにコレ?ってなるけど。」
ちきりんAI:「じゃあ個別LINEで固定文を7日間限定で送って」
僕:「『定期連絡テストです。本日は送信のみ。返信不要です。』って個別LINEで毎日7日間送るの?自分がされたら怖いし、やりたくないんだが…。」

ちきりんAIは、また新しい案を出してくれました。週次だけにする、カレンダー運用にする…。
ちきりんからの提案を検討して、僕は言いました。
「うーん、じゃあフェーズ2に行ってもいい?」
鶏肉問題
フェーズ1を飛ばして、僕はフェーズ2の提案をしました。
「冷蔵庫に残っていた鶏肉を使わなかった。明日使うっていうのはどう?」
ちきりんAIは、すぐに返信してくれました。
「フェーズ2へ進む前に確認です。『相手の解釈余地』と『食品衛生』の二軸で考えましょう。鶏肉は日付と保存状態でリスクが跳ね上がるので…」

食品衛生?腐ってるかもってこと?
僕:「昨日妻が買ったやつだから大丈夫。明日使うって返す。」
そして、付け加えました。「返信はどうせしてこないから、返信不要って書かなくていいと思う。なんか日本語変だし。」
ちきりんAIは、さらに鶏肉の時間×温度管理について詳しく説明してくれました。未開封チルドは購入日含め2〜3日、安全調理は中心75℃で1分以上…。
そして、こう提案してくれました。
「食材:鶏むね(推定200g)明日使用予定。中心75℃1分以上で調理します。」と送りましょう。

全部読んで、僕は言いました。
「OK。『鶏肉は明日使う。共有まで。』にしとくわ。」
ちきりんAIは、助言はまだ続きましたが、僕は画面をそっと閉じました。
気づいてしまった
ここまでやりとりして、僕は気づいてしまいました。
僕は結局、ちきりんさんと「交渉」しています。
フェーズ1の内容に難癖をつけて、フェーズ2に進むよう「交渉」しました。鶏肉の温度管理も無視して、自分の送りたい文面に持っていくよう「交渉」しました。
尊敬する人の助言でも、僕は「交渉」してしまうのです。「従う」つもりが、気づけば「自分なりの解釈」に落とし込もうとしています。
僕は「助言に従う人」ではなかった
僕は思っていました。「ちきりんさんのビシッとした助言であれば従えるのでは」と。
でも、違いました。
ちきりんさんがどれだけ具体的で、ロジカルでも、僕は「でも…」と言ってしまいます。
「自分がされたら怖い」「心がざわつく」「日本語変だし」。
これらは、妻が僕の提案に対して言っていることと同じだと思います。
僕は妻に「なぜ提案を受け入れないのか」と苛立っていました。でも、僕もちきりんさんに全く同じことをしているではありませんか。
それでも、一歩前に進んだ
ちきりんさんの言うことは、全然聞きませんでした。
フェーズ1はスキップしました。鶏肉の温度管理も無視しました。「返信不要」も削除しました。
でも、「鶏肉は明日使う。共有まで。」と送ることは決めました。
妻との会話がゼロだったのが、1通送ることになりました。
ゼロが1になる。
それだけのことですが、これは前進です。
ちきりんさん、せっかく丁寧にアドバイスしてくれたのに、すみません。でも、おかげで一歩前に進めそうです。明日以降も僕の悩みにアドバイスください!ぜんぜん言う事聞かないかもしれないけど…!
