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練習中編小説①−2

2部

2−1:進む?関係

「おや、珍しいね。皆藤と一緒ではなんいだね。喧嘩でもしたのかな?」
「いえ、そうではなくて。私の結果が出たため呼ばれているようです」
資料室で待機していると、日向さんが棘を隠さずに爽やかに話しかけてきまして、私はいつも通りに返事をしたのでした。
そう、これから私が協力者としてやっていくために、まず私に何が出来て何が出来ないかを知る必要がありました。普通に生きている内に大凡関わることのない検査から学校で行う体力測定、学力テストまで様々な検査を行いました。
もう本当に思い出したくも無い失態を犯したこともありました。
この一件でミナトに顔を背けられることになり、とても悲しくもありました。
「ああ、どうやら戻ってきたみたいだね。じゃね、使える結果であるといいね」
日向さんが出て行って少しして、ミナトが資料室へ入ってきました。
私が入り口を見ていたので、ミナトが少し驚いています。少し不審そうな顔をしますが、日向さんに思い当たったのか納得した様子になりました。
「来ていてなら、聞いていけば良かったのに」
「まずは私達で話し合うように、という優しさでしょう。」
ミナトは少し拗ねた様に言うと、私はちょっとすまして答えたのです。
慣れない会話にお互いに顔を合わせて笑ってしまいました。
検査の結果は、私は戦闘の才能がない非戦闘要員であり、魔導師としての才能もない、でした。
しかし、魔法や魔導具の毒に対して体制が高いとわかりました。
「いいかい、ヒナ。これで分かったね。君は戦えないし、魔法も使えない。
危険な目に遭ったら即逃げるんだよ。いいね?」
「ですが、ミナト。私は協力者ですので渦中に飛び込まなければなりません。
それを踏まえてどうしましょうか、では?」
ミナトはうわぁという顔をして、そうだねと言って考え込むようになりました。
暫く一緒にいて判ったのは、このうわぁの顔は大きく動揺した時の顔だということです。何とか表に出さないようして失敗しているとわかると、失礼ですが可愛いと思ってしまいます。
「うん、確かにそうだね。それなら、敵中で毒をばら撒くとかいけるかも」
思ったより大胆な作戦を出されましたが、私の耐毒性が利用できるなら使いましょう。
よし、とやる気を見せていると、ミナトが裏切られた顔をしています。
「君はもう少し物事を考えてなよ。はあ!頭にきた」
驚いているとその隙にミナトは資料を置いて部屋を出て行ってしまいました。

2−2:判るけど分からない

資料室に残された私の検査結果を確認しながら、ミナトのことを考えます。
互い理解を深めていった、と思っていたら突然手のひら返しを受けてしまった気分です。
沸々と怒りが湧いてきて、資料を握り締めていました。
いけません、いけません。大事な資料ですから。
思い出すあのミナトの顔、裏切られたと傷ついた顔、何に傷ついたのか。
前後の内容から、私があの作戦に同意したことでしょう。
合理的ではあると思ったからやろうと思ったのが気に入らなかったのでしょうか。
だからといって、それであの態度は。
煩悶と悩んでいますがやはり答えは出ません。
多分ここで直接話しても子供の喧嘩にしかならないので、別の方法を考える必要があります。そのための手助けを待っています。
「やあ、派手にやったみたいだね。皆藤が毛を逆立てて威嚇していた。
はは!助けはいるかな?」
「はい、お願いします!たすけてください!」
嫌味を言いつつ資料室へ入ってくる日向さんへ全力でお願いしたのでした。
勢いが有り過ぎで日向さんが若干腰が引けていたのは見て見ぬふりです。

2−3:向かい合う

日向さん曰く以前から、ミナトはコンビを組んでは意見が食い違い解散する、を繰返てしていたそうです。日向さんとは作戦行動時以外話さなかったからか、そこまで衝突することは無かったと。
どうやら仲良くなればなる程気が荒くなって落ち着いて話が出来ない様子です。
現状、その道筋を通っています。やはり『なぜ』が分からない所為で進めません。
「何故あんなにも気が立っているかがわかりません。何か知っていませんか?」
「悪いけど興味ないかな。それに個人情報なんだ、勝手に開示できないね」
「━━、日向さんは彼をどの様に見ていますか?」
「おっと、そうきたか。それなら開示しよう。
僕から見たら彼は、怪我をした捨て犬だね。人に未練がましく擦り寄って、また傷付くのが怖くなって噛みつく。そして、また傷付いてを繰り返している。
そんな感じかな。だから、僕は近寄らないし近寄らせなかったという訳だ」
この人は本当に人を見ているのだと感じました。
私への棘の原因はまだ分かりませんが、手順を間違えなければ必要分のものを渡して下さる真面目な方なのだと、そう思えたのです。
「日向さん、ありがとうございます!ミナトとの関係をちゃんと考えます」
「ああ、早めにね。次の会合は明日の0600だから」
本当に早いです。今は、携帯端末を確認すると15時を過ぎた位でした。
悠長にしていられませんね。私は、覚悟を決めてミナトを誘うのでした。

「へえ、その結果がこのスイーツ食べ放題かな?いいかい?こういうのは彼氏と、ではなくて友達と来るものだよ。わかったかな?」
いつもの人当たりの良い顔だが、態と見下して幼子をあやす様に話し掛けてきます。
「その友人が、彼氏と行きなよ!と割引券を態々くれたのですから、ミナトと来るのが当然です。ですから、ミナトも好きなだけ選んでください。後で感想を言うと、きっとカナもコハルも喜びますから。」
揺れる目を閉じた後、お皿を持って席を立って行った。
意外と直ぐに戻ってきて、お皿には私が選ばなかったスイーツがたくさん乗っています。
飲み物はコーヒーにした様です。
スイーツを一個食べてはコーヒーで流してを繰り返して、すっかり平らげてしまいました。あんなにたくさんのスイーツを胃に納めたのに顔色を変えずに、さあどうするの、してやったりの顔でとこちらを見てくるのです。
その仕草がとても幼くて、また日向さんの「捨て犬」発言も合わさり、家を荒らしてやり遂げたと満足する芝犬を幻視してしまい、つい口元が綻んでしまっていました。
その様子を怪訝そうな目を向けてきたので、声に出した私の気持ちを伝えたのです。
「私は決めたのです。私はミナトと組んでいく上で、何を考えているかもっと伝えていきます。ですから、ミナト。
私にもっと話してください。頼ってください。頼りないかもしれません、でも逃げないでください。
あなたは私の相棒なのですから」
ミナトはまた裏切られたような目をしていますが、私は引きませんよ。

2−4:違うということ

ミナトは迷いに迷ったようで何度も口を開いたり閉じたりを繰り返して、周囲を気にしながら喉から搾り出すように声を出したのです。
「ヒナ、君は怖くないのかな、その、怪我をしたり、苦しんだり。しっ、しんで、っそういうのを避けようとか、しないのは少し、いや、とても変だよ」
「あの父の子ですよ。生まれてこのかた、まともな子だと思われたことは一度もありません。その辺で買ってきた子供とか実験体の余りだったとか色々陰口から何から言われていました。」
思い当たる節があるのか、目を逸らして黙ってしまうミナトは正直です。
私はカットフルーツを一つ口に含みながら、陰口や嘲笑を思い出すのでした。
だからこそ当たり前に接してくれるあの友人達が何より大切なのです。
そう、日常を守りたくって部隊の協力者になったのでした。
「だからといって、怪我が辛く無いわけでも、死にたいわけでもありません。何もできない方が、それで大切なものが壊れる方が自分が壊れるより痛むのです」
「でも、君は弱いんだよ。ぼくが耐えれることも君では無理なんだ。だから、やめた方がいいんだ、本当は」
ミナトには、私が死にたがりの行動を取っているのが、信じられない裏切りに感じられた様です。
そう、ミナトは最初から口調を別として危険のことはしないように、と苦言を呈していました。私は子供じみた反発ばかりで中身を受け止めきれていなかったのです。
最初の失敗と同じことを繰り返していました。
「ごめんなさい。ミナトが助けてくれるから、と甘えていました。頼ってと言いましたが、こちらが頼りきっていましたね。本当にごめんなさい。」
「ぼくはいつも裏方の仕事をしてきた。大変だから入れ替わりが激しい所だった。
それなのに、組む奴らはみんな大丈夫といって、向かって行くんだ。
だから、ぼくは、やめろって」
互いに胸の内を晒して傷付いて、飲み物を飲み切ってお店を後にしました。
そして、私は右手を差し出して、ミナトと手を繋ぐのです。
驚くミナトが何か言う前にこちらから伝えました。
「私は今の生活がとても幸せです。だからこのまま平穏であって欲しいと思っています。
私に教えてください、必要な事を、貴方のことを」
ミナトはこの答えの意味がわかって、傷付いた顔をしますが手を離さずに歩き出したのでした。小さく「わかった」と答えを聞きながら、帰路に着きました。
私はミナトと平穏を天秤に掛けて、平穏を選びました。
それが貴方の望みと違うという事も分かっていながらこの道を選んだのです。

あとがき

プロットとだいぶ逸れてきたぞ。
甘いものを描きたかったが、ドンドン殺伐としてきたぞ。
親愛度60前後を目指したら50以下になってた。
巻き返せるか?
イベントがとをすっ飛ばして書いたらやぱり胸中を知る機会がないから、短期間で物語を進めるならぶつかりあうしか無くなってくる。
今度も、2〜3日かかるかな。

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