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練習中編小説①


0:プロローグ

「父さん!私、協力者になります。ですから、記憶を消さないでください」
父さんへ勢いよく宣言していますが、やはり否定されるかもしれないと思うと怖かったです。
「そうか。ならそうしなさい」
あっさりと父さんは許可してくれました。
こうして私は対魔導師制圧部隊の協力者になったのでした。

1部

1ー1 :序章

瓦礫に周囲を囲まれていました。カナとコハルが倒れていて、私も訳もわからず振るえて座りこんでいます。瓦礫の影から血を流している人が倒れてきたのでした。思わず助けようと近寄ってしまって、そして━━
ふっと目が覚めると見慣れた天井が見えて、今まで夢を見ていたのでした。
そう、私が部隊の人達とであったあのテロ事件の現場を。
「おはようございます。カイドウさん」
「ああ、おはよう。悪いけど勝手に朝食作らせてもらったから」
支度を済ませてリビングへ向かうと護衛のカイドウさんが食事を済ませていました。
しかも私の分まで一緒に!二人分の方が作りやすいからといっていますが、誰かに作ってもらう食事は久しぶりで嬉しかったのです。
片付けを申し出ましたが、却下されてしまいました。
今朝の夢を見た気分の落ち込みも吹き飛び、大学へ行くために玄関で靴へ履き替えます。カイドウさんはいつの間にか準備を終えて立っています。
「いいかい、君。いくら護衛があるからといっても浮かれては行けないよ。間違ってもぼくを護衛です、なんて言わないんだよ。いいね?」
子供をあやす様に釘を刺してくるカイドウさんを睨みつけながら大学へ向かうのでした。それくらい私でも理解しているというのに、失礼です。

1−2 :日々を始める

「ねえ!ねえ!二人はどういう関係なの?」
「うん、突然でびっくりした。入院してたと思ったら同棲してますなんて」
昼食時間、友人達に問い詰められています。二人もあの現場にいましたが、治療後記憶処理され何も覚えてない様子です。良かったと思う反面、自分と友人の世界に境界線ができたみたいで少し悲しいです。
「で、で、どうなの!教えてよ!」
恋に憧れるカナが紅潮した顔で詰め寄っています。
そうでした、質問責めの最中でした。カイドウさんは家でも警護するために同居することになっています。部屋余っていたのですんなり進みましたが、この質問は考えていませんでした。どうしようかと助けを求めてカイドウさんへ目線を向けると、自分だけ食事を済ませて面白そうに成り行きを見ているのです。
これに対して私は子供染みた反発を覚え、つい後先考えずに言葉が出てきたのです。
「ええ!入院中に出会って仲良くなりまして恋人になりまして!父も認めてますわ!」
カナは嬉しそうにきゃーきゃーと囃し立て、コハルは値定めするようにカイドウさんを見ています。周囲も少しざわざわしていて、やってしまったと反省しています。
カイドウさんはげんなりした顔で私を見ています。午後の講義は好奇の視線で針の筵を体験し、講義後は付き合い始めが肝心だよ!と友人達は離れて行ったのでした。
結果、動きやすい身となったのですが寂しいと思うのは間違いでしょうか?
カイドウさんと並んで帰宅していると、携帯端末の画面を見せた上でしっかりするよう小言を言われました。
「しっかりしないと転んでしまうよ。ああ、恋人だし肩を抱いた方がいいかな」
『本日2000にて会合有』
画面を見て思っていたより早く動いたことにドキリとしながら、カイドウさんへの反撃は忘れなかった。
「ふふ、嬉しいです。でも私はこっちがいいかしら!」
と言って左腕に抱きついたのです。玉の輿を狙うコハル直伝当たってるんじゃない当ててるのよ!を実行したのでした。
うわぁ、ていう顔をされてしまいました。

1−3 :仕事とは

会合といっても私はあくまで協力者ですから、作戦内容ではなく私の行動経路確認となっています。今回の私の行動予定は、商業区の一目に付く場所を一定時間歩いてから奥まった目的地へ行き誘い込むというものでした。
「わかりました。しかし、普段人目がないところへ行かないのに、突然行くのは怪しまれます。理由はどうしましょうか?」
作戦の説明をしてくれた日向さんへ質問を投げかけると、舌打ちと嫌悪を隠さず「だから一般人を協力者にするなんて反対したんだ」と言っています。
「では、あー報告ではご友人に皆藤を恋人と紹介していますね。では、その設定で当日は行動してください。腕を組んだりして奥へ行けば不審がられないでしょう」
と投げやりで言われました。カイドウさん曰く、私が協力者になったあの事件で倒れて人が日向さんらしいのです。日向さんとしては、自分の失態が原因で一般人が危険な任務に関わることになっていることに苛立っている様なのです。
理解できますが、辛くないとは言えないのです。
会合後気持ちを切り替える様にカイドウさんへ話しかけました。
嘘とはいえ恋人として出かける、デートをするということは心浮立つものです。
「ふふ、任務とはいえデートですから楽しみですね」
「いや、別に。こっちは命懸けだよ。任務を楽しむなんてしないよ。わかった?」
冷笑で返された上に子供扱いされ、頭にきたので腕に抱きついたて帰宅したのです。

1−4 :組むということ

カイドウさん、ごめんなさい。私が子供でした。
心の中でカイドウさんに謝罪しながら私は裏通りを走っています。
一人で行動するな、よそ見をするな等カイドウさんに小言を言われ、先日の件も合わさり咄嗟にカイドウさんから逃げてしまったのでした。しかも直ぐに追いかけられない様引き込みのお姉様方を押し付けてきて。
その結果が魔導師ではない悪い大人達に追われています。
この対応法は考えていませんでした。ああ、私の世界は本当に守られていたのですね。
この日のためにいつもと違う靴だったのが仇となって、転んでしまったのです。
「うっ、あ、いたい!」
「やっと追いついた!はっ、良いもん持ってそうじゃん。」
「なあなあ!やって良いよな!ここまできたんだからさ!」
「あ、あ、あああ!いいさ!いいに決まっている!俺達はこんなに苦労してるんだし!」
何を言っているのかはわからないけど、良くないことだけはわかってしまったのです。
咽帰る悪臭と破滅を予感させる足音、獣の息遣いに震える喉に眩暈と涙が出てきて身を硬くするだけでした。
と、周囲が暗くなったかと思うと、先の彼らの悲鳴が聞こえたのでした。
カイドウさんの上着から顔を出すと、カイドウさんの背中と倒れた男の人達がそこにありました。夢の最後に魔導師に襲われそうになった私を助けた背中がそこに。
「クズは死んでも治らないからね。だから、ただ消えてよね」
物騒な言葉が飛び込んできた為、咄嗟にカイドウさんをこの場から連れて逃げたのでした。小さなベンチだけの場所で二人並んで座っています。
「ごめんなさい、私何もわかっていませんでした。皆さんが私をどれだけ守ってくれていたか。どれだけ世間は怖いものか。あの現場にいたのに実感がなかったなんて、カイドウさんも、日向さんも苛立つのは当然ですね。申し訳ありません。」
本当に子供です。穴があったら入りたいは正にこの時に使われる言葉でしょうね。
反応がないカイドウさんの顔を伺うと以前のうわぁという顔をしています。
「あの、本当に嫌なら護衛を変えて貰うように父に•••」
「あのさ!こっちの言い分の聞いてくれないかな!いや、大声出してごめん。
ええっと、うん。色々と子供扱いして揶揄って悪かった。本当に。
確かにこっちは命懸けでやってるのに、って思ったのはあるけど。
でも、君がそう感じないようにしていたのはぼく達だ。わからなくて当然なのに。
わかってくれよ、なんて思って。八つ当たりだった、こっちの方が年上なのに」
拙い言い方で、心の内を必死に言葉にしているカイドウさんを見ていました。
しっかりとした大人だと、そつがなく出来る人だと勝手に思っていました。
ああ、背中を見て勝手に偶像を拵えて、期待して裏切られたと感じて。
顔を見たらそんなことは無いのに。
よし、と気合を入れてカイドウさんの前に立って手を出します。
「カイドウさん、私に教えてください。協力者として必要なこと。そして、あなたのことも。お願いします」
カイドウさんはまたうわぁという顔をしていますが、一旦目を閉じて開けると、しっかりと見返して手を伸ばしてきました。
「わかった。これから君に必要なことを教えていこう。大変だけど頑張ろうか。
それから、ぼくはミナトと呼んで欲しい。いいかな、ヒナ?」
「はい!こちらこそお願いします、ミナト!」
互いに手を重ねて言葉を重ねて、ここで本当に協力関係を結べたのでした。
しかし、任務は不発と思っていましたが、別部隊から報告がありました。
隊員の死体が晒されていた、というものでした。

あとがき

長い!1日では絶対に終わらない!
明日から2日に分けよう!
本日からしなよな!勢いに乗ってやるもんじゃあないね!
明日からは連日投稿は無しで、2日に分けて投稿します!
誰に向かった宣言かは自分です!
疲れた、これ合計で1万字以上になるんじゃないか?

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