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練習中編小説②ー1

序章

全てを捧げよう。全てを。
器を満たす時、願いが届くはずだから。
きっと、きっと、神様は見ていてくれるから。
さあ、始めよう。
長い間準備したのだ、上手くいくはずだ。
━━━、たぶん。

1章

1節

いつものレイシフトの感覚から目を開けると、目の前には海が広がっている。
「うわ〜〜、海だ!あっ、ここは甲板みたいだ」
「はい、こちらからも観測できました。周囲は島一つない大きな海ですね、先輩。
それに、豪華客船と言うものでしょうか、数百人規模の大きな船です。しかし、こちらの探索機では船内の様子は観測できません。気をつけてください、先輩」
海の大きさに驚いていると、マシュが同意してくれた。その上で簡単に現状を簡単に教えてくれる出来る後輩である。セルフチェックを行なっても問題はないようだった。
「君ほどではないが、マスターの護衛を請け負ったからにはやり遂げてみせるよ」
「いえ、そのようなつもりでは。デオンさんがマスターの護衛であることに不安があるわけではありません。ただ、」
「ああ、わかるよ。あのどこからか生えてきた豹のことだね。どうする、マスター?
マスターが許可するなら足でも切り落とそうかい?」
優雅にマシュとの通信に加わった剣士、デオンと穏やかな物言いの割に物騒な内容を告げる彼/彼女、エルキドゥは予定になかった同行者を見ている。
「ふっ、そこまで見つめられちゃ仕方ない!ここは一肌脱いで脱皮!」
「いや、その必要はない。僕のゴーレムの準備が整ったから探索を進めよう」
着ぐるみを着た女性ジャガーマンが変なテンションで語り出すのを、マントを羽織る仮面の魔術師アヴィケブロンが船の備品を使い作成したゴーレムを伴って遮った。
「よし、準備できたし、船内を探索しよう」
そう掛け声を掛けてみんなと階段を使って船内へ降りていく。
ゴーレムを先頭にエルキドゥ、デオン、俺、アヴィケブロン、ゴーレムとなっている。
「マスター。私の側から離れないでくれ。船内は狭いが死角も多くなるからね」
そうだ、と残りの2駒も同意する。船内は行動が制限されるから余計に慎重に行動したほうが良いらしい。
「それでは特異点解決を始めましょう、先輩」
後輩に応えてから俺、こと藤丸立香は船内に入っていくのだった。

2節

ザザッ、ザザッと通信機からノイズ音が流れている。
「うーん、いつも通りだ。甲板ではいけたから、もしかしたらって思ってたけどなあ」
「流石にそこまでは甘く無かったようだ。しかし、これはどういう状況だ?」
通信は諦めて周囲を見回すが、どうやら船室のようだった。
廊下があると警戒していたら、何もない船室だったのでデオンが困惑している。
「どうやらボクの気配感知では魔物やゴーストを感知している」
「ふむ、ここの性質を知るためにもやはり出ていくしかないようだ。」
エルキドゥが床に手を当てて周囲を調べていた。アヴィケブロンが船内に合わせて調整しながら行動方針を提案してくれる。
「わかった、解決の為にも進まないと、だしね。」
デオンに合図を送りながら船室から出ていく方針を固めた。
さっきと同じ隊列で、次部屋に繋がる扉を開けると同時に流れ込んだ。
目の前には猿に似た魔物が二匹唸り声を上げている。
以前泊まったホテルよりずっと狭いが、先よりは広い船内であった。
『これなら少しは戦いやすいはず』
デオンの側で周囲を警戒しつつ、臨戦体制に入っていく。
「よし、戦闘開始!」
号令に合わせてエルキドゥが魔物一匹を相手取る。これに合わせてもう片方をゴーレムが攻撃を開始する。
狭い場所で行動が制限されるが、それは魔物も同じであり動きが鈍かった。
こうなれば彼らの敵ではなく、あっさりと勝利を得たのだった。
「なんだか呆気なくて拍子抜けしたよ」
アヴィケブロンが周囲を見渡しながらゴーレムの様子を見るため近づいていく。
緊張が緩み出した中エルキドゥが鋭い声を上げるのだった。
「ゴーストがやってくる!」
いったそばから床や壁面にゴーストが現れた。魔物が倒された惨状を察知したのか金切り声で叫び出した。耳を塞いでも頭の中まで響く声で目眩がしてきた。
「マスター?マスター!」
「ごめん、デオン。めまいが」
「くっ、これは。いったん甲板まで撤退だ!」
俺をデオンが抱えて撤退の号令を出した。
歪んだ視界ではよくわからなかったが、2駒は俺の状況を察知してゴーストと対峙して時間を稼いでくれたようだった。
甲板に戻るとカルデアとも通信がつながって、マシュによる怒涛の勢いでバイタルチェックが行われている。
待っている間に段々とめまいもおさまって、みんなの様子も確認できるようになった。
「よかった、二人とも無事だった。それとデオンありがとう」
「どういたしまして。だが、マスターに許可なく指揮をしたことを謝罪しよう」
非常時とはいえ勝手に2駒に指揮を取ったことを詫びている。これに対して俺たちは少し呆れた様子で答えていた。
「何を言っているのだい?僕はあの時の君の判断は間違っていなと思っている」
「ああそうだね。マスターの身に異変が起きたのは確かなのだから、撤退は当然だ」
「そうそう。本当に感謝している」
潮風に当たりながら雑談をしながら結果を待っていると、通信音が鳴り出しダヴィンチちゃんを映しだした。
「やっほー、ダヴィンチちゃん。今日もかわいいね」
「うんうん、同然ながら賛辞はいつ聞いても嬉しいね」
これにマシュがツッコミを入れながら、結果報告を受けていた。
どうやら、呪いや魔術の類では無く、純粋に大音量の超音波を受けて目眩が起きてしまった、とのことだった。通常の魔術礼装の想定外の攻撃であったが、ダヴィンチちゃんのお蔭で対策を講じることができた。
「よし、できたよマスター。装着型超音波除去ゴーレムだ」
御満悦そうなアヴィケブロンが差し出したのは、イヤーマフ型礼装である。名前の通り超音波を除去して耳や脳を守ってくれる代物だという。また、高音域以外の音波攻撃にも自動で対応してくれるという至れり尽くせりである。
「ありがとう、アヴィ先生。うわ、思ったより軽い」
「その呼び方はやめてくれ。ふむ、装着具合に違和感はないようだね」
対策ができたことで、行動方針を決めることとなった。
豪華客船は基本的に大きく3層に分けられていて、これを元に下層、中層、上層と仮称して話を進めていく。
①船内の詳しい状況を把握する為、甲板から入れる下層から探索する
②同時に中層、上層へ繋がる経路を見つけ出す
③この特異点の原因調査と解決の為の情報収集を行う
④ある程度情報が集まったら甲板に戻って相談する
と、いつも通りではあるがカルデアと通信がつながっている分少しだけ気分が軽くなっていた。心配しているマシュに問題ないと応えて下層へ向かって行こうとしていた。
「あの先輩、つかぬことを伺いますが。ジャガーマンさんはどちらに?」
「「「「あ」」」」
しまった、すっかり忘れていた!
でもジャガーだし、大丈夫でしょう!

3節

船内探索を再開した俺たちは少しだけ状況がわかったきていた。
「初めの船室の配置もおかしかったけど、広さもおかしい。どうなっているんだ?」
デオンが周囲を警戒しながら疑問を呈する。俺も周囲を見ながら魔物と交戦中の2駒に指示を出している。
「そうだね、まるで部屋を繋ぎ合わせたみたいだ」
「それだけでは無いよ。船室は本来入り口は一つきりなんだ。大きい船室になると増えるが、それでもこんな風に連なっていることは無いよ」
そう、船内は廊下に面して並んではいなくて、部屋から部屋へ連なっっている。
「まるで迷路みたいだ。海の上でなければ壁を壊して進めるのにね」
「いや、地上でもダメだから。俺が生き埋めになるから」
「マスター、安心して欲しい。僕のゴーレムがあれば問題ない」
「問題点が違う。ああもう、次が来た!」
あと、ゴーストは基本的に攻撃をしてこなくて、船内が壊れたらあの声を上げて何かを呼んでいるようだった。
ただ、すぐにその部屋から出ていっているから何が来るかはまだ見ていない。
探索を続けると広い大きな部屋に出てきた。何階分かわからないが吹き抜け構造をなっていて、中層へ繋がっている様子だった。
「うわ〜、高〜い。イベントホールみたいな所かな?」
「はしゃいで前に出ないように。しかし、それだけだろうか?」
「ああ、今までの部屋もそうだったみたいに幾つかの部屋が合わさっているようだ」
「でも、ここの魔物達はおとなしいようだ。どうするんだい、マスター」
上は吹き抜けになっていて、前方は各階層の渡り廊下によって視界が遮られている。
一階部分にも樹木が置かれていて、魔物達がいる奥を確認することが出来ない。
このまま上に進むか、それとも奥を探索するか考えていると気の抜ける声が微かに聞こえてきた。
『よ〜しよ〜し!君たちは幸運だよ、このジャガーマンの配下となったのだ!テスかんの元で一緒に働こうぜレッツブラック!』
俺は一度目を閉じて深呼吸して、目を開けながら皆を見た。
「よし!ここには何も無かった!上へ上がろう!」
「え?あの、でも」
「デオン!人は時に決断をしなくてはならないんだ、そう今こそその時!」
デオンが生真面目にシャガ村に反応しようとしているが、俺は全力で相手をしない方向をとった。アヴィ先生やエルキドゥも賛同してくれた様だった。
「それじゃあ行こうか。ここの階段を登っていこう」
「ふう、肉体労働は遠慮したいものだが仕方ないね」
そうして、ジャガーを置いて俺たちは中層へ向かった。
ゴーストに出会ったけど何もせず通り抜けていったから、侵入者を一律見つけ出している様では無いのかもしれない。

4節

俺たちは階段を上り切った後中層を探索している。
ここも部屋が連結していて、迷路みたいになっている。
「ここまで大きいと甲板に戻る時が面倒だね」
「そうだね。私の時代には無かったから構造は分からないけど。ここまで大きいんだ、外に出る為の出口がある筈だ」
デオンが俺の愚痴に付き合ってくれる。そうだ、非常用出口はある筈なんだ。
「ああ、緑の印だったね。ふむ、探索しながらになるが探してみよう」
アヴィ先生がゴーレムに指示を追加してくれた。エルキドゥも聞いていたようで戦闘を行いながら周囲を気にかけてくれている。

探索を続けていると、どうやら船員の部屋にたどり着いた様だった。
そこで、この船の海図を手に入れることだできた。
「俺は海図って分からないけど、みんなは?」
「私はある程度は読めるが、ここは専門家に任せた方が良いと思う」
デオンの提案に全員賛成したので、ここで一旦甲板に戻ることにした。
船員室から次の出口を探していると、そこから緑色のゴーレムが入ってきた。
俺たちは臨戦体制に入るが、ゴーレムは見向きもせず部屋を出ていった。
前の戦闘があった部屋に入ると、魔物を使って修理修繕を行なっていた。
「なるほど、あのゴーレムがこの船体の維持管理をしているのだろう。」
そして、ゴーレムに対してゴーストも魔物も敵対行動をとっていない様子だった。
アヴィケブロンがサンプルを取ろうとしたが、魔物達に追われて断念した。
逃げている最中にわかったのは、ゴーストは魔物が死んだり船体が壊れたりするとあの甲高い大声を出してトーレムを呼んている、ということだった。
「ここまでしていったい何をしたかったんだ。さっぱり分からない」
「そうだな、ここまで情報がないのは苛立ってくるね。やはり船長室に行かないと情報が無いかもしれない」
情報の無さに不満気なアヴィケブロンに対してデオンが宥めるよう声をかけている。
分からないことも多いけど引っかかることも少しあるからそれを話たいな、と思っているといつの間にか室内テラスに追い込まれていた。
「おや、甲板がここから見えるよ。・・・よし、行こうか、マスター」
「━━、着地任せた!デオン!」
「!、ああもう、わかった、承ったよ!マスター!」
「僕のゴーレムにそんな機能はないんだけどな!」
各々言いながら窓ガラスに向かって走った。
エルキドゥが槍を地面がら発射してガラスを割って、それに伴って俺たちは甲板に向かって飛び出していった。
思っていた以上に高くって、内臓が飛び出るかと思う程に怖かった。
思ったよりも受け身が取れなくて、デオンに肘打ちをしてしまった。
アヴィ先生はゴーレムが壊れてしまったし、エルキドゥはふわりを着地した。
「何とか戻ってこれたから良かった」
これからカルデアとの通信があるけど、無茶しすぎとお説教があるかなと思いながら、いつも通りに話せるように呼吸を整えた。
よし、わかったこととやるべきことを考えよう。

あとがき

長くなった、体調不良が続いた
後、イベントが重なって、それも優先したいしね。
ほんっとうに体力がなくなって、季節の変わり目にブチあたって痛い目を見た
辛いわ😭
取り敢えずここまでを一章として触りだけでも出来たかな。
全員の口調が似た感じだから、区別するのに苦労する。
明日の私よ!頑張ってくれ!

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