過去に学ぶ┊児童文学の世界
私は最近、児童文学について学ぶ機会が増えました。
学生時代から興味はあったものの、学問として児童文学を学ぶ選択をしてこなかったため、大人になり母となった今、改めて『児童文学』の世界を深く知ってみたくなったからです。
その中で感じているのは、「過去に学ぶこと」の大切さです。
ここで少し、話は変わりますが…
◇ ル・コルビジェ
◇ フランク・ロイド・ライト
◇ ミース・ファン・デル・ローエ
こちらの3人をご存知でしょうか?
…正解は、近代建築界における巨匠たちです。
(詳しい内容ははぶきますので、3人のことが気になる方は、ぜひ調べてみてください)
建築系の学生が、設計を習う前に勉強する『建築史』というものがあります。
(学生時代、私は建築系を専攻していました)
その中で、必ずとりあげられるのが、先ほど名前をあげた3人の巨匠。
どのような学問でもそうだと思いますが、まずは過去の作品や偉大な先人たちを学ぶところから始まります。
きっと文学部では、文学の歴史を学んだりしますよね。(文学部卒ではないので、わかりませんが)
人は、それぞれが専攻する学問の過去の『創造や作品』を学んでいきます。
その過去を知った上で、個々のオリジナリティを創り出していく。
これは人類が長年積み重ねてきた事実だと思います。
クリシェのなかでクリシェでないことを語ること
くりかえすが、それは研究者が「共有の知」にどれだけ多くを負っているかについての自覚の反映であり、それこそがオリジナリティの源なのである。
上記は社会科学的な視点の文章ではありますが、このことは、先にあげた建築の世界だけでなく、絵本や児童文学の世界でも同じなのではないでしょうか。
日々、新しい絵本や児童文学が次々と出版されています。
その中から、「これぞ!」という1作品を見つけ出すことは至難のわざのように思われます。
でも、先ほどの建築の世界の話と重ねてみると、考え方は変わります。
《先人のよきもの》をしっかりと学び、その知識が落とし込まれた作品は、過去を踏襲しているように見えても、そこに新たなオリジナリティが生まれると思うからです。
とはいっても、《先人のよきもの》とは?
となりますよね。
それこそが、『過去からみえてくること』ではないでしょうか。
特に、日本における絵本や児童文学の分野においては、
『児童文学論』

という本が、そのうちのひとつとして大きな役割を果たす学びの書となります。
作者は、リリアン・スミス。
日本語訳は、
石井桃子さん・瀬田貞二さん・渡辺茂男さん。
日本において、『子どものための児童文学』とはどのようなものなのかを伝えてくれた1冊ではないでしょうか。
この本を要約することは難しく、それこそ、学問としての領域ではないかとすら感じられます。
私自身、何度も読んでいますが、いまだ理解が追いつかない部分もあり、一生涯の課題図書にしたいと思っています。
そんな本をあえて、個人的見解でまとめてみると
『よい本の質は、永続する生命のある本、
つまり古典を尺度にして定めるべきである』
ということ。
この考え方を中心に据えて、子どもにとっての児童文学についての論が示されています。
「過去に書かれた最善の本に親しもう」
「子どもたちが何代も変わらぬ愛着を持って読み、今だに読み続けている作品を選ぼう」
というようなことをメインにしつつ、批判的な視点で児童文学を考察しているという特徴があります。
私の文章を読んで、「?」と思った方こそ、ぜひ一度この本を読んでみてください(^^)
『過去に学ぶ』ことは、自身の教養を高める上でも間違いない選択だと思います。
私自身、新刊を読むことも好きですが、年を重ねるほどに「なぜ長く読み継がれてきたのだろう」と古典や評論に惹かれるようになりました。
過去の作品や先人たちの言葉には、時代を超えて残る理由があります。
児童文学の世界をもっと深く知りたい方は、ぜひ『児童文学論』を手に取ってみてください。
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