見出し画像

【メゾンの窓辺】道産子さんこの挨拶回り。最後の入居者さんは……😮

『あらあんた。どこかで会ったような……』


【この街の四季と、不思議な住人たちが織り成す、心の旅路😊】


日々の生活の中で見つけた小さな気づきや、
身の回りで起きた、ちょっぴり不思議な日常を、
SFチックな物語として綴っていきます。


           ⋆・゚───────────────・゚⋆

夏の興奮も爽やかな風と共に過ぎ去り、
潮が引くように人々の熱狂も収まった9月の札幌市内。

ここはとある住宅街に建つアパート
「メゾン・ミラージュ」

3階6号室に入居した百代夢生ももしろゆめおさん。
律儀に、先輩入居者の皆さんに
挨拶回りの最中です……

しかし。

4人目の先輩入居者さんを訪問して、
この「メゾン・ミラージュ」に隠された、
恐ろしい秘密を知ることになったのです。

「……お伝えしておきたいこととは以上なんです。
でも、ここの皆さんとても親切ですから。
なにか困ったことがあったら、
遠慮なさらずにおっしゃってくださいね。
長話になってしまい、申し訳ありませんでした」

一通り話し終えたリームルンデさんは軽く頭を下げると、
別室で遊んでいるまりもに声をかけてくれました。

「ああ、楽しかった!夢生、大事なお話しは終わったの?
それじゃあ、次のお家に訪問だね」

アザラシの子供、ぱふんも部屋から出てきて、
二人をお見送りをしてくれました。

「まりもちゃん、また遊びにおいでよ。
ボクも遊びに行くから」

ぱふんはにこにこしながら、
小さな手を振っていました。

「リームルンデさん、
いろいろとありがとうございます。
ところで……

室内リフォームの件ねぇ、
6号室ってもう綺麗に修繕されてたんだけど、
あれは誰がやったんだべか?」

帰り支度をしながら、
気になる事を夢生さんは尋ねました。

「ああ。その件なら……
この前、珍しく改装工事が行われたんですの。
初めはオーナーさんが入居するのかと……
ですが、違ってました」

うふふ……
と笑うリームルンデさん。

笑顔も、
西洋のアンティークドールのように神秘的でした。

「なるほど、そうなんだ。
いえ、なら別にいいんだけどね。
あ!そうそう……
これ、ご挨拶とお近づきのしるし。
おしぼりだけど、良かったら使ってみて」

リームルンデさんにもおしぼりを一本。
そっと手渡して、3号室を後にしました。

「さぁ~て、これで残るはうちのお隣さん一軒だねぇ。
いったい、どんな人物がすんでるのやら。
今までの感じだと、
とても普通の人間様とは思えないんだけど」

まりもちゃんと一緒に階段を昇りながら、
夢生さんは隣人について、
あれこれと想像するのでした。

「さて、着いたよ。
えーと、ああ、表札が出てるね。
……五行院黎稀ごぎょういんれいき
へえ、なんだか昔のお公家さんみたいな苗字の人だね。
古風で上品な感じがするけど、
名前が体を表すとは限らないからね。
……この世界なら」

夢生さんはドアの前で、
ちょっと自分の身なりを整えると、
背筋を伸ばし……
今回はためらうことなく、
チャイムを押すのでした。

「はいはい、ただいま承るでござるぺん。
……うむ?
いったいどなたでござろうぺんぺーん?」

ドアの向こうから、
ややくぐもった声で返事が帰って来ました。

「ござる?
ねえ、いまドアの向こうで誰かが、
ござるっていったよね?

ござる!
ぷぷぷっ!」

相手の返事に思わず吹き出してしまう夢生さん。
しかし、その笑いはドアが開かれると同時に、
川に流された笹船のように、
流れて消え去るのでした。

「うむ。
ここは拙者と五行院殿の家であるが……
何用でござるか?
そなた、名は何と申すでござるぺん?」

ドアが開くと、
そこに立って話しかけてきたのは人間ではなく、
割烹着を着た、
ペンギンの赤ちゃんらしき ”動物” だったのです。

「あ~?
えっ、えっ?
やだ、なにこれ、かわいい!」

夢生さんはまるで女子高生のようなしぐさで、
萌えだ、きゅんだと騒ぎだし、
目線を子供ペンギンの高さに合わせると、
ニコニコしながら自己紹介を始めようとしていました。

それを制したのは……

「おい童子。
誰と話をしてる?

……ふーん?
あんたは一体誰だ?」

部屋の奥から出てきたのは、
この5号室の本来の入居者、五行院くん。
その人でした。

それを見た夢生さんは、
じたばたしている白滝童子を開放し、
立ち上がると五行院くんにあいさつをするのでした。

「ああ、これはどうも失礼したようで。
私はほら……隣の部屋に越してきた、
百代夢生というものです。
各階で、皆さんにごあいさつをしてました。
おほほ……」

最後は、照れ隠しのように笑う夢生さんでした。
夢生さんが名乗ると、
それまで不審そうな顔つきだった五行院くんの表情が
一変して穏やかなものに変わったようでした。

しかし、それに夢生さんは気付いた様子もなく、
ただにこにこと袋の中から、
おしぼりを取り出そうとするのでした。

「ははぁ~ん。
で、お……僕のところに来たって訳ですか。
んん~。
最初に訪問した時、いなかったでしょう?
僕の帰宅も、今しがたのことですからね。

ちなみに僕は五行院黎稀といいます。
ちょっと古代史関係の研究をしている、
学生ですよ」

五行院くんはそう言って、
さわやかな笑顔で夢生さんに応対するのでした。

「ああ、君も一人暮らし……
じゃない、相棒がいるのねぇ。
この子、なまらめんこいし。
あ!これ、ほんの気持ちのおしぼりです。
よかったら使ってください」

夢生さんは手にしたおしぼりを白滝童子に渡すと、
うっとりするような眼差しで
赤ちゃんペンギンを見つめています。

それを見ていたまりもは……
ぷいっ!
っとそっぽを向いてしまうのでした。

「こいつの名は白滝童子しらたきどうじって言うんだけど……
こっちの世界に来る前は、
陰陽師見習いをやってたらしいんだ。
今でもそれっぽい真似事をしてるよ」

玄関の壁にもたれかかり、
腕組みをして立っている五行院くんは、
童子を見下ろしながらくすくすと笑うのでした。

「ぺぺーん!失敬な!
拙者、今でもれっきとした陰陽師でござるぺん!」

白滝童子と呼ばれたペンギンは、
手にしたお玉を振り回しながら、
ぷんすか鼻息を荒くして抗議するのでした。

「はいはい。解ったよ。
君は立派な術者ですね。
お陰でこの部屋の中も平和だし」

新たな状況に馴染んできた夢生さんは、
隣の部屋の住人について、
ゆっくり観察する余裕が出来てきたようでした。

そして──
白滝童子に語りかける五行院くんの横顔に一瞬、
暗い影が差したように感じる夢生さんでした。

「あ!そうだ……
ちょうど回覧板が回ってきてたんだっけ。
同居動物の健康診断のお知らせとか載ってるし、
百代さんも関係してるよね。
渡したいから、ちょっと待っててくれるかな?
何なら、玄関に入って待っててもいいですよ」

そう言って、五行院くんは、
いったん部屋の奥に引き返していくのでした。

「ちょっとだけおじゃましますね……
ほら、まりも、いつまでも拗ねてないで。
今日はお前も、たくさん友達が出来て良かったね。

ん?この匂いは……肉じゃがかな?」

「夢生、ここは他人の家。
意地汚い事、ダメ」

まりもの鋭いツッコミに、
一瞬「ううう~」っと唸る夢生でした。

ふと見た五行院くんの部屋内部は、
居間兼ダイニングはごく普通の住宅仕様のようでした。
そして洋間になっている五行院くんの部屋と、
その隣がなんと、和室になっているようでした。

「あら~?
このアパートは入居者さんが
好き勝手にリフォームしてるって聞いたんですけど、
こちらは和室付きなんですね!
さすが、陰陽師の家」

「拙者、どうも洋風の部屋では
あずましく暮らせないのでござる。
居室は和風に限るでござる」

台所で短い手に包丁を持ってもう一品、
調理中の白滝童子。

料理の腕前はどうなんだろう?
そう首をひねる夢生さんでした。

居間の床の上には、
何やら不思議なものが色々と並べられていました。
どうやら、五行院……黎稀くんが収集してきた
古代遺物のようです。

中には、
金色の輪の形をした飾り物などもあり、
かなり貴重な資料なんだろうなぁと、
そんな事を思いながら見ている夢生さんでした。

そんな感じで待っていると、
黎稀くんが回覧板を持って部屋から出てきました。

「これですけど、見終わって判子を押したら……
この下に住んでるリームルンデさんの部屋に
持って行ってくれるかな。
あの人が今、棟幹事だからさ」

回覧板を渡しながら、
黎稀くんがはにかんだ様子を見せました。

「あの人さ──
ちょっととっつきに気いって感じでしょ。
僕もその……ちょっと得手じゃないって感じで」

「ああー、分かるわかる!
なんかさぁ、その……
お嬢様です!って感じ。

あ──
ところでさぁ、ご、黎稀くんって呼んでいい?
あんた、前にどこかで出会ってない?
いや、どこかで見覚えあるんだけど?」

夢生さんは、
自分の口から出た言葉に、
自分が一番驚いているのでした。

(あっ?あっ?
私ったら、初対面の人に向かって、
なんてこと言ってんだべか?)

不思議世界の不思議なアパートで、
これから一体何が始まるんだろう……

ヲタク根性で乗り越えようと、
頑張る夢生さんでしたが、
今日はそろそろ限界のようでした。

「あ~?ごめんなさいねぇ。
私ったら、
はんかくさいことを言っちゃったみたいで。
どうか勘弁してちょうだいね」

顔を真っ赤にして、
夢生さんは頭を下げて謝るのでした。

「いやいや、どうってことないです。
だからそんなに謝らないで。
今日はもう部屋に戻って、
ゆっくり休むといいと思うよ」

黎稀くんに優しく諭され、
夢生さんはさんは「失礼しました」
と静かにその場を後にしたのでした。

『何でもアリの世界でも楽じゃないんだ😔』


ペンギンが……夕飯の支度をしてるし💦


今回も最後までお読み頂き感謝です♥️

あなたの今日が素敵な1日でありますように😊✨



【「メゾンの窓辺」の基本情報はこちらをご覧ください】


          ⋆・゚───────────────・゚⋆

【ご注意ください】
※画像はAI生成ですが、キャラクターデザインと設定は
ママンマフィンのオリジナルです。
※地名・建物はすべて架空のもので、実在のものとは関係ありません。
※一部の文章構成にAI編集(アレーナさん)を使用しています。

画像や文章の無断使用はご法度でござるぺん!



(朝活グループ)

※ご紹介記事は「プロフィール」を優先して
ご紹介させて頂いております。
(特定の固定記事の場合もあります)

スイ🎨Sui_ai_drawingさん

きょん(るびぃ)🌸AIクリエイティブさん

透けナマコさん

AIチャッティさん

癒しのアリス🎈癒しの国の盟主さん

赤髪のあかり✨️ニッチフード愛好家のAI創作者さん

水晶ゆめ🔮元占い師ライター・AIアートクリエイターさん

心野けいか🐹さん

My |お肌と心を整える、看護師セラピストさん

✨他にもたくさんの方が活動されています。♥️


『ママンマフィンが参加中の、お世話になってる共同運営マガジン



『お世話になっているメンバーシップ』



零ぴちゅ様
AIイラスト
AIアート
AI生成
copilot
AIクリエイター
AIギャラリー
透けナマコ様
ロクト様
とらねこ様
夏目龍頭様
杜若あやめ様
ヒトタラヲ様
赤髪のあかり様
ダークファンタジー
サイバーパンク
SF小説
あいさつ

架空都市

いいなと思ったら応援しよう!

ママンマフィン 応援ありがとうございます!もしもこの記事があなたの心に響いたのなら、チップでの応援、とっても嬉しいです。頂いたチップは、次回作の創作パワーとして大切に使わせて頂きます!