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【メゾンの窓辺】挨拶回りはちょっとお休み。道産子さんこのブランチタイム🍴

『道産子は味噌バターラーメン食べない🍜』


【この街の四季と、不思議な住人たちが織り成す、心の旅路😊】


日々の生活の中で見つけた小さな気づきや、
身の回りで起きた、ちょっぴり不思議な日常を、
SFチックな物語として綴っていきます。


           ⋆・゚───────────────・゚⋆

夏の興奮も爽やかな風と共に過ぎ去り、
潮が引くように人々の熱狂も収まった9月の札幌市内。

とある住宅街に、
ちょっと年代の古いアパートが建っていました。

「メゾン・ミラージュ」と名付けられた3階立てのアパート。
その最後の1室に、新たな入居者がやって来たのでした。

根っからの道産子で港町生まれ。
自称40代の百代夢生ももしろゆめおさん。

不思議な縁に導かれて、
この別世界の「札幌市」にやって来たようです。

アパートに着くと、
これも不思議な縁に導かれて──
キタキツネの子供と同居する事に。

そしてただ今、
あいさつ回りの真っ最中なのでした。

今しがた、
公園の前で出会った竜崎光琉りゅうざきひかるくんと別れ、
二人はいったん休憩をとる事にしたようです。

その時──
光琉くんが「隣の住人」の話をしてくれたことを、
ふと思い出しました。

『そういえば、4号室の人なんだけどさ。
若い女性で、アザラシの子供と暮らしてるらしいんだ。
それと──耳がちょっと長くて尖ってるって噂でさ。

昼間は仕事でいないみたいだから、
挨拶するなら夕方がいいかもな』

まりもちゃんは、同居している “動物” の話に
興味津々のようでした。

「長い耳って……エルフだべさ!」

会話の内容を思い出して夢生さん、
ひとりで興奮気味です。

「……長い耳。
でも、まだエルフって決まった訳じゃないよ」

まりもちゃんは逆に落ち着いた声で、
自分の考えをそっと口にするのでした。

「うん……留守なら仕方ないもんね。
ここはひとつ、部屋に帰って腹ごしらえでもしようか。
さっき、光琉くんから美味しそうな野菜もたくさん貰ったしね」

夢生さんとまりもちゃんは階段を上り、
3階の自室に戻って行きました。

「さてと。
まずはまりも、あんたのご飯は……っと。
これでいいっしょ?」

そういってコンビニの袋から取り出したのは、
缶詰タイプのドッグフード。

鶏ささみ肉の缶詰のようです。

「ありがとう……夢生」

まりもちゃんはぺこりとお礼をすると、
目の前に置かれたドッグフードの匂いを少し嗅ぐと、
美味しそうに食べ始めるのでした。

「あ~良かった。気に入って貰えたみたいだねぇ。
さて、次は私の昼ご飯だべさ。
どうするかなぁ……
うん、味噌ラーメンにしようっと。
まんまるちゃんラーメン、買ってきて良かったべさ」

夢生さんはキッチンに建ち、
コンロに鍋をかけると、定番の味噌ラーメンを
作り始めるのでした。

その様子を見ていたまりもが、
ドッグフードを食べながら尋ねます。

「味噌ラーメン?札幌名物なんだよね。
バターとコーンを入れるんでしょ?」

それを聞いた夢生さん、
ぶはぁっと吹き出し、
危うくラーメンを床に落としそうになりました。

「うお~っとっと……はあ?
あんた、何はんかくさいこと言ってんの!
札幌市民、もとい道民は味噌ラーメンに
バターもコーンも入れないから!
そんなもの食べるのは観光客だべさ」

驚きと可笑しさで涙目になって答える夢生さん。
しかし、これにはまりもちゃんも驚いたようでした。

「え?食べないの?味噌バターコーンラーメン……」

口の中のドッグフードが驚いた瞬間、
ほんの少し、床にこぼれ落ちました。

「食べません」

夢生さんはインスタントラーメンを作りながら、
きっぱりと言い切りました。

「ふ~ん、そうなんだ……。
初めて聞いたよ。
だけど……そういう話って、まだありそうだね」

まりもちゃんは、
床に落ちた餌をぺろりと舌先でなめとると、
空っぽになった器を見た後、
背中を剥けている夢生にお礼を言うのでした。

「夢生……これ、凄く美味しかった。
ごちそうさま」

そして、開け放たれた窓辺に向かい、
窓の桟に前足を書けると、
眼下の景色を眺めるのでした。

「ここは街だけど──
ちゃんと草むらや地面があるから好き。
アーバンフォックスって言われても、
自然と一緒に暮らすのも好きだから」

街は常に開発され続けています。
でも──
ここでは自然を傷つけたり、
無理な開発はしない方向性で
生き物皆に優しい街が作られていました。

キッチンの方から味噌ラーメンの、
良い香りが漂ってきました。

夢生はどんぶりをテーブルに運び、
美味しそうに食べ始めたようです。

その時でした。

「あ!誰かがこのアパートに向かって歩いてくるよ!
女の人だよ!
多分、エルフかもしれない入居者さんに違いないと思う。
夢生~、食べ終わったらあいさつに行ってこようよ」

まりもちゃんは耳をぴんと立て、
しっぽをゆっくりと左右に振ると、
夢生の側にやってきて静かにうずくまるのでした。

「はいな。
もうちょっと待っててね。
急いでこれ、食べちゃうから!」

思ったよりも早く、
次の入居者の人と出会う事が出来そうで、
夢生さんも、ちょっと安心したようでした。

『道民の食文化ってのはシンプルなのよ🍜』


ラーメンって美味しいの?そりゃあ、なまら美味いっしょ!


今回も最後までお読み頂き感謝です♥️

あなたの今日が素敵な1日でありますように😊✨



【「メゾンの窓辺」の基本情報はこちらをご覧ください】


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