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知らなかった、川瀬智子とストロベリースウィッチブレイドがつながっていたなんて!(オススメMV #162)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の162回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回はアーティスト特集として川瀬智子さんのオススメMVを紹介します。
川瀬智子さんといっても最近メジャーシーンにはほとんど登場されないのでご存じない方も多いかと思いますが、今から20年ほど前にTVドラマや映画にも楽曲を提供されるなど、時代を作ったアーティストのひとりとなります。

メジャーなアーティストではあるものの、私の中では「孤高のアーティスト」という位置づけであり、そのあたりのお話ものちほどさせていただければと思います。

では、最初に紹介するのは、記念すべき川瀬智子さんのソロプロジェクト1作目となるこちらの作品。
Tommy february6の「EVERYDAY AT THE BUS STOP」です。どうぞ!

シンプルな内容で気軽にサクッと見ることができるMVです。
MVとしては特段「スゴイ!」という点は正直ありませんが(ゴメンナサイ)、記念すべき第一作という付加価値を加味してお気に入りのMVとなっています。

川瀬智子さんは、1995年に「the brilliant green」というバンドでデビューし、その後、2001年にソロプロジェクトである「Tommy february6」(トミー・フェブラリー)としての活動を開始されます。
今回紹介するMVは、全てそのTommy february6名義となりますが、もうひとつ別に「Tommy heavenly6」(トミー・ヘヴンリー)というソロプロジェクトもあり、そちらはダークサイドを表現したキャラクターとして活動されています。(見た目も音楽的にも)
川瀬智子さんはシンガーとしての印象が強いのですが、ほとんどの楽曲の作詞もされており、逆にほとんどの楽曲の作曲を手掛けているのは、ご主人あり、音楽活動のパートナーでもある奥田俊作さんとなります。
今回は、そのTommy february6のMVを紹介させていただきます。

最初に紹介した「EVERYDAY AT THE BUS STOP」は、2001年にリリースされたTommy february6としての1stシングルですが、今聞いても20年以上前の楽曲とは思えない新鮮さがあるのは不思議です。
音楽的な構造やテクニックが影響しているのかは分かりませんが、ポップスではあるものの洋楽的な味わいもあり、唯一無二かもしれません。
MVとしては、(上にも書きましたが)特筆すべき点はないものの、本作だけ観るのではなく、他のTommy february6のMVもご覧いただくことで、存在価値を理解いただけると思います。
ということで、さっそく2つ目のMVに参りましょう。

2つ目のオススメMVはコチラ。
Tommy february6の「Bloomin’!」です。

1作目の「EVERYDAY AT THE BUS STOP」より凝った映像で、かつストーリー性が加味されていますが、重い感じではなく、最後まで気負いなく観ることができる良作MVです。

この「Bloomin'!」は、2002年にリリースされたTommy february6としての3rdシングルで、なんと大手メーカーの化粧品のテーマソングにも採用されており、このあたりからメジャーシーンに登場していくことになります。
もちろん、前に結成していたthe brilliant greenではチャート1位の楽曲も複数あり、かつTVドラマの主題歌も数件手掛けるなど、素晴らしい実績を残しているものの、完全にthe brilliant greenのイメージを捨て、ゼロから立ち上げたプロジェクトでここまで短期にメジャーシーンに登場するのは、その実力故(ゆえ)ではないでしょうか。

では、MVの解説に参りましょう。
最初に紹介した「EVERYDAY AT THE BUS STOP」のMVと、この「Bloomin'!」のMVは、構成が非常に似通っていることが分かります。
両方のMVともに明るい場面と暗い場面の2つで構成されており、前者は森の中の草原と暗い背景の人工芝のスタジアム、後者はピンクのテニスコートと異世界っぽい森の中となっています。
しかし、2つのMVには大きな違いがあります。
「EVERYDAY AT THE BUS STOP」では、2つの場面に意味合いやストーリーはないため、いい意味ではシンプルですが、悪い意味では少しチープな印象となっていることも否めません。
それに比べて「Bloomin'!」では、森の中の暗い場面が「Alice's Adventures in Wonderland」(不思議の国のアリス)を模した異世界となっており、かつ2つの場面の行き来にもひと工夫あるため、深みのあるMVとして仕上がっているのです。
もちろん、「EVERYDAY AT THE BUS STOP」のMVが良くないというワケではなく、(上にも書きましたが)Tommy february6の世界観というかテイストを最初に打ち出した記念すべき作品であり、その世界観とテイストはこの「Bloomin'!」にもしっかりと受け継がれ、MVのリリースを重ねるごとに更に強固なものになっています。

それを証明するのが、次に紹介する3つ目のMV。
Tommy february6の「Love is forever」となります。

Tommy february6の世界観とテイストが確立され、完全に振り切った感のある素晴らしいMVです。
観ていて、思わず『参りました...』と言ってしまいそうです。

「Love is forever」は、2003年にリリースされたTommy february6としての5thシングルとなります。
キラキラ光るような楽曲ですが、MVもそれにも増して明るく輝いていており、Tommy february6のイメージと完全にシンクロしていますね。
MVの映像としては極めてシンプルで、ドールハウスのような部屋の中の映像のみで、かつ登場人物もTommy february6本人とチアリーダーだけというから徹底しています。
そして、この「Love is forever」のMVで、1作目の「EVERYDAY AT THE BUS STOP」から終始一貫して受け継がれるTommy february6の世界観とテイストの象徴とも言えるボンボンを持ったチアリーダーとの組み合わせが確立されたと言えます。
しかし、5分を超える長さにもかかわらず飽きることなく最後まで観れるのは、カメラアングルを変えたり違うシチュエーションを差し込んだりする映像や構成の工夫に加えて、楽曲自体が優れているからではないかと考えています。

また、この「Love is forever」がリリースされた2003年には重要な変化があります。
それは「Love is forever」のMVにも表れており、最初に紹介した2つのMVでは明と暗の2つの場面で構成されていましたが、この「Love is forever」のMVでは暗の場面が無く、明るい場面のみで構成されています。
楽曲も変化しており、「Love is forever」だけでなく2003年からは全編キラキラモードの楽曲が増えているのです。
これには理由があり、2003年にTommy february6のダークサイドキャラクターとも言えるTommy heavenly6というプロジェクトが立ち上がり、キャラクターイメージも楽曲およびMVについても、完全に分離して活動が始まったため、この頃からのTommy february6は明るくキラキラモードに全振りしている...というワケです。
どんなヒトでも2面性がありますが、その1面だけで活動するのではなく、両面をデフォルメして活動するという、ありそうでなかった取り組みをしている川瀬智子さんには脱帽です。
私の中では、川瀬智子さんは、シヴァとヴィシュヌをきっちり分けて合体しているインドのハリハラのごとき稀有なお方なのです。

そして、Tommy february6の活動の頂点とも言えるMVが、続いて紹介する驚きのオススメMV。
Tommy february6の「L・O・V・E・L・Y ~夢見るLOVELY BOY~」です。

ポケットモンスターのメインキャラクターであるピカチュウとMVで共演できるアーティストはそうそういません。
その栄誉を得ただけでなく、国民的キャラクターであるピカチュウを完全に取り込み、自身が主役として輝いているTommy february6こと川瀬智子さんとは、いったい何者なのでしょうか...

この「L・O・V・E・L・Y 〜夢見るLOVELY BOY〜」は、7thシングルとして2004年にリリースされたのですが、されなんとポケットモンスター劇場版の主題歌となっており、これってメチャクチャすごいことですよね。
(だからこそ、MVでピカチュウと共演できるワケですが)
楽曲もMVもメチャクチャ完成度が高く、老若男女どたなにでも楽しんでもらえる楽曲でありMVですが、逆に隙が無さすぎるため私としては上の3つのMVのほうが味わい深くて好きだったりします。
また、ピカチュウと共演する川瀬智子さんに違和感を感じたというのもまた事実です。

ピカチュウとの共演もそうですが、そもそも川瀬智子さんは一部にはアイドル的な認知や評価をされていたように思います。
しかし、私の中の川瀬智子さんはアイドルではありません。
では、何かというと、「何にも交わらず融合せず、独自の感性で突き進む、孤高のアーティスト」というのが私の川瀬智子さんに対するイメージなのです。
そのため、今回のタイトルを当初は「川瀬智子に見る孤高の大切さ」にする予定だったのですが、あまりに固い表現で、かつ短すぎるので、他に何かイイ表現がないのか...と考えた結果、切り口を変えた今回のタイトルにした次第です。

と、色々書きましたが、川瀬智子さんのすごいファンかというと、楽曲やMVは素晴らしく好みでもありますが、アルバムやシングルを買ったことはなく、ケーブルテレビの音楽番組で放送されたMVを録画して観ているだけのお付き合いでした。
そんな中、今回本投稿を書くにあたり調べたところ、驚愕の事実が分かったのです。
一番最初に紹介したMV「EVERYDAY AT THE BUS STOP」のシングルに、かのストロベリー・スウィッチブレイドの「SINCE YESTERDAY」のカヴァーがカップリングされていることを知ったのです。
ストロベリー・スウィッチブレイド(Strawberry Switchblade)は、1980年代の洋楽黄金期に活動していた女性のデュオで、その代表曲がカバーされている「SINCE YESTERDAY」なのですが、この「SINCE YESTERDAY」のオリジナルのMVがメチャクチャ最高で(もちろん楽曲も最高です!)、ケーブルテレビの音楽番組で放送されたMVの録画をいくつものブルーレイディスクに分けて保管しているほどです。
本当は皆さんにもぜひ観ていただきたいところですが、YouTube等にあるMVは権利的にはっきりしないものばかりであり、紹介できません。
本当に残念です...

しかし、ストロベリー・スウィッチブレイドおよび「SINCE YESTERDAY」のMVのテイストを色濃く反映した楽曲とMVが存在するのです。
それが今回最後に紹介するオススメMV。
Tommy february6の「◯Strawberry●Cream◯Soda●Pop◯」です!

おぉーっ、これはイイ!
ストロベリー・スウィッチブレイドへのリスペクトが半端ないですね。
それだけでなく、1980年代のニュー・ウェイヴ感も満載で、登場するキャストもカルチャー・クラブのボーイ・ジョージっぽい出で立ちだったりして、1980年代の洋楽好きの私としては感涙モノのMVだったりします。

本連載をしていなければ、川瀬智子さんとストロベリー・スウィッチブレイドのつながりや「◯Strawberry●Cream◯Soda●Pop◯」の存在を知ることが無かったため、本連載をしていて本当に良かったと思う次第です。

そしてもう1点。
今日紹介したMVは、永らくオフィシャルには公開されていなかったのですが、2021年に全盛期とも言えるソニー・ミュージック時代のMVがTouTubeのTommy february6 / Tommy heavenly6オフィシャルチャンネルで公開されたため、こうやって皆さんに紹介できています。
これらのMVの公開に対して、調整をされた皆さん、そしてその判断をされた方々には感謝しかありません。
所属レーベルを移ることで、以前のMVがオフィシャルには公開されなくなっているMVが数多くありますが、ひとつでも多くのMVが公開されることを願ってやみません。(眠っている貴重な資産を活用し、多くの方に幸せを届ける意味でも、重要なことだと確信しています)

今回は、メジャーな孤高のアーティスト、川瀬智子さんの特集として、5つのオススメMVを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
20年以上前の楽曲でありMVですが、色あせることなく今でも新鮮ですので、未見の方はぜひご覧ください。

ではまた次回に。

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