「中心ではなかった」は、何度も繰り返されてきた
地球は、宇宙の中心ではなかった。
それで、もう、中心の話は終わったと思っていた。

1920年、天文学者たちが正式に開いた「大論争」
地球が、太陽の周りを回っている。
それは、もう、誰も疑わなかった。
でも、1920年、新しい疑問が、天文学者たちを二つに分けた。
私たちのいる銀河、天の川は、
宇宙のすべてなのか。それとも、ただの一部なのか。
ハーロー・シャプレーは、天の川が、宇宙のすべてだと主張した。
ヒーバー・カーティスは、天の川の外にも、別の「島宇宙」があると主張した。
二人は、ワシントンで、公開の場で議論した。
これは、後に「グレート・ディベート」と呼ばれている。
この時点では、まだ、誰も、答えを知らなかった。
アンドロメダは、隣の星ではなく、別の銀河だった
1924年、エドウィン・ハッブルが、
アンドロメダの中に、明るさが周期的に変化する、特別な星を見つけた。
その星の明るさの変化パターンから、
アンドロメダまでの距離を、計算できた。
距離は、天の川の大きさを、はるかに超えていた。
アンドロメダは、天の川の中の、何かではなかった。
天の川の外にある、まったく別の、巨大な銀河だった。
天の川は、宇宙のすべてではなかった。
宇宙には、何十億という、別の銀河が、広がっていた。
地球が、太陽系の中心ではなかったように、
天の川も、宇宙の中心ではなかった。
「中心ではなかった」という発見が、もう一段、大きな規模で、
繰り返されたんだ。
AIに対しても、私たちは「中心」を探しているのかもしれない
人間は、知能において、自分が「中心」だと、
長く、当然のように考えてきた。
AIが、人間にできることの一部を、できるようになるたびに、
「それでも、人間の知性は特別だ」という主張が、
形を変えて、繰り返されている。
地球から、太陽系へ。太陽系から、銀河へ。銀河から、宇宙へ。
「自分がいる場所が、特別だ」という考えは、
何度も、もう少し広い範囲で、繰り返し否定されてきた。
知能についても、同じことが、起きているのだろうか。
それとも、今回だけは、何かが、本当に違うのだろうか。
「『中心ではなかった』という発見は、これで終わりでしょうか、それとも、まだ続くのでしょうか。
自分がいる場所、自分が持っているものが、特別だと感じるとき、それは、本当に特別なのでしょうか。
次に「中心ではなかった」とわかるのは、何についてでしょうか。
→ Podcast で深く聴く|ハルとおじいさん第14部第5話(最終回)
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