もしGPSが使えなくなったらどうなっちゃう?|宇宙一わかりやすく解説|GPSの基礎の基礎#3
前回、GPSはアメリカが運用していることを説明しました。
ところがアメリカ以外でもGPSと同じようなシステムが運用されています。
本稿では、そのあたりについて解説したいと思います。
アメリカ一国に任せきりだと心配?
GPSを運用しているのはアメリカ、ということは前回説明しました。
レーガン元大統領により、GPSの利用が一般市民に開放されたことで、今や世界中の国々でGPSが利用されています。
もし今、急にGPSが使えなくなってしまったらどうなるでしょうか?
そうです、世界中の人がナビが使えなくなって目的地に到着できなくなってしまいます!
道に迷って途方にくれて、ふらふらしてる人が街中に溢れて大混乱!!
世界中の道路が大渋滞になるかもしれません。。
それはそれでとても大変なことですね。。
が、本当にそれだけでしょうか??
実はGPSはもっと重要なインフラにも多く利用されているのです。
なので、それだけでは済まないのです。もっともっと大変なことになるのです。
いったいどんな重要なことに使われているのか、については本題からだいぶ脱線してしまうので追々説明していきます。
もったいつけてすみません。。
さて、そんな重要なインフラにも利用されているGPSですが、実はアメリカの都合で突然止めることだってできちゃうわけです。
もちろん、アメリカはそんなことは絶対しないと言ってます。でも、世の中何が起きるかわかりません。
それじゃマズイ!ということで、いろいろな国でGPSと同じようなナビゲーションシステム(航法システム)が開発され、運用されはじめたというわけです。
いろいろな国で運用されているGPS
では、どんな国でGPSと同じような航法システムが運用されているのか、ここでは簡単に触れておきます。
ロシア版GPS「GLONASS」
ロシアではGLONASS(グロナス)という航法システムが運用されています。
GLONASSは元々は東西冷戦下のソ連で、アメリカとの宇宙開発競争の中で生まれたシステムです。
なので、運用開始も本当はGPSと同じくらいの時期でしたが、ソ連崩壊と共に荒廃していました。それがロシアによって復興されて現在に至るといった感じです。
ヨーロッパ版GPS「Galileo」
ヨーロッパではEU(欧州連合)によってGalileo(ガリレオ)という航法システムが運用されています。
Galileoは民間が主体となって運用されているというところが他の国のシステムと違うところです。
中国版GPS「北斗」
中国では北斗(BeiDou/ベイドゥ)という航法システムが運用されています。
近年の中国の勢いそのままに、どんどん衛星を打ち上げています。
今ではGPSを大きく上回る40機以上の衛星が運用されています。
日本版GPS「みちびき」
日本でも「みちびき」という名称で航法システムが運用されています。
みちびきは他国の航法システムと違って、常に日本の上空あたりに飛んでいるのでアジアの限られた地域でしか利用できません。
また、アメリカのGPSの一部として振る舞う、という点にも特徴があります。
本当はGNSSというのが正しい
他にも、インドのIRNSSとか、計画中のシステムなんかもありますが、ここでは割愛します。
実は、最近のGPS受信機はGPSだけではなく、こういったいろんな国の航法システムの信号を受けるようになっています。
なので、専門的な人たちの間では、GPS以外の航法システムも含めてすべてをまとめた呼び方が必要になりました。
そこで最近では、GPSのような航法システムをひっくるめて「GNSS」と呼んでいます。
GNSSはグローバル・ナビゲーション・サテライト・システムの略です。
「世界中どこに居てもナビができる衛星のシステム」という感じですね。
ちなみにGPSは「世界中どこに居ても位置がわかっちゃうシステム」でしたね。
でも、一般的にはまだまだGPSを言ったほうが伝わりやすいので、今後も基本的にGPSとして説明するようにします。
簡単に済ますつもりだったのですが、またまた長くなってしまいました。
さて、ここまでの説明はググって調べれば誰でもすぐに分かってしまうことです。
調べれば分かることをくどくどと説明するのも、そろそろ飽きてきました。
ということで次回からは、「私にとってのGPSの魅力」について語っていきたいと思います。
