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夜店から

夜店から溢れる光の中で、気になったおもちゃのサングラスを手に取っていた。プラスチックのレンズ越しには、夜気に滲む電球の光が、どこか懐かしい幻のようにゆらゆらと揺らめいている。

誘われるように店へ足を踏み入れると、身振り手振りだった店主との会話が、いつしかこの地の言葉へと切り替わっていた。まるで現地の人同然に扱われている時間がひたすら心地よい。

ちゃんと視線が合っているのか、あるいは話が僅かでも通じているのかさえ怪しいけれど、ただ触れ合う空気が優しければそれだけで十分だと感じる。消えかけでいくらでも誤魔化せる値札の文字や、UVカットの効果など果たしてあるのかどうか不確かな仕様なんてものは、ぼやけているくらいが丁度いい。

目を細める季節だけにしか見えてこない、フィルターを通した見えすぎない都合のよさをあえて楽しんでみたい夜もある。見え隠れする余計なものを早速和らげるかのように、もう一度フレームを鼻に深く掛け直していた。


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