🎙️アイさんと万蔵⑤「音楽は“脳の幻”だ─作詞家のための“作詞脳”入門」
📝記憶に残るフレーズは、こうして生まれる
音楽が流れると、なぜ泣けてしまうのか?
なぜ“君”と呼ばれると、自分のことのように感じてしまうのか?
そして、AI時代において、作詞家に残された“人間にしかできないこと”とは何か?
日曜音楽家・鈴木万蔵が、博学でやさしい“アイさん”に教わる「作詞脳」の仕組み。
脳科学と感情の観点から、音楽と歌詞の“刺さる理由”を分解します。
👥登場人物紹介
◉ アイさん
・社会心理や脳科学に詳しい、やさしい理系文系ハイブリッド女子
・複雑な話も“ふつうの言葉”にしてくれる説明の達人
・カフェと本屋にいる確率が高く、たまにDJもする謎多き人
・万蔵の質問に、なぜか毎回ちゃんと答えてくれる
◉ 鈴木 万蔵
・日曜音楽家・作詞家。最近は“脳で泣かせる曲”に興味津々
・ちょっとズレた視点で、誰かの心に居場所をつくる歌を作っている
・AI音楽を使いつつ、人間の“余白”や“揺らぎ”を信じている
・アイさんの話を聞くと、いつもメモが止まらない
万蔵:今更なんですけどね。「音楽って、そもそも何なんですか?」
脳科学から説明できます?
アイ:はい。音楽ってね、脳がつくる“幻”なんです。
空気の振動が脳に届いた瞬間、意味や感情、身体の動きまで引き起こす。
だから、ただの音なのに泣けたり震えたりするんですよ。

万蔵:じゃあ、歌詞って普通の言葉とは違う処理なんですか?
アイ:そうなんです。
日常の言葉は左脳が処理しますけど、歌詞になると右脳が強く働く。
意味より“響き”や“感じ”で脳が受け取る。まさに詩の世界ですね。
万蔵:あの、リスナーの“好き嫌い”って、脳でどう決まってるんですか?
アイ:予測、報酬、記憶、運動。この4つですね。
たとえば予測は前頭前野、報酬は側坐核、記憶は海馬、運動は小脳が関係しています。サビ前の展開で「来るぞ!」と感じると、快感に変わるんですよ。
万蔵:そうそう、AI音楽ってどうなんです?実際のところ、あれは…
アイ:中毒性はあります。
AIはパターンを最適化して、反復で快感を生み出すのが得意。
でも、記憶に残るには「感情」と「物語」が要る。それは人間の領分です。
万蔵:ですよね。サビってなんであんなに、ぐっと“くる”んでしょう?
アイ:脳が総動員されてるんです。
予測が的中してドーパミン出て、感情が高まり、身体が反応して、快感が爆発する。構造としても、A→B→サビの流れが秀逸です。
サビ構造の典型パターン(楽曲構造図)
イントロ → Aメロ → Bメロ(プレサビ)→ サビ → 間奏 → サビ → エンディング
この構造が「予測」と「報酬」を絶妙に刺激するんです。
万蔵:なるほどですねぇ。
日本語の“泣きメロ”ってありますよね。あれ、なんで?
アイ:日本語って母音が多くて旋律に乗りやすい。
しかも主語を省略できるから感情の余白が生まれる。
“泣き”との相性が抜群なんですよ。
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