たんぱく質は1日に何g必要?食事に置き換えて考えてみました!
前回は、『日本人の食事摂取基準(2025年版)』をもとに、たんぱく質の「推定平均必要量」「推奨量」「目標量」の違いについて整理しました。
例えば、30~49歳女性、身体活動レベル「ふつう」の場合、推定エネルギー必要量2,050kcalをもとに計算すると、たんぱく質の目標量13~20%エネルギーは約67~103g/日に相当します。
今回は、この数字を実際の食事に置き換えて考えてみます。
1食あたりにすると、どのくらい?
目標量の下限である約67gを単純に3食に分けると、1食あたり約22gです。
もちろん、毎食きっちり均等に摂らなければならない、という意味ではありません。
ただ、「自分は普段どのくらいたんぱく質を摂れているのだろう?」と食事を振り返るとき、一つの目安にはなります。
では、朝食で20g程度のたんぱく質を摂るとしたら、どのような食事になるでしょうか。
朝食で20gくらい摂るには?
例えば、こんな朝食を考えてみます。
ご飯150g……約3.8g
わかめのみそ汁……約1.7g
納豆40g……約6.6g
目玉焼き1個……約7.4g
サラダ……少量
これだけで、たんぱく質は約20gになります。
「20gのたんぱく質を摂る」と聞くと、肉や魚をたくさん食べなければいけないように感じるかもしれません。
しかし、たんぱく質は納豆や卵だけでなく、ご飯やみそなどにも含まれています。
そのため、主菜だけで20gを用意しようとするのではなく、食事全体で考えることがポイントです。
上限量がない=いくらでもよい、ではない
もう一つ印象に残ったのが、たんぱく質には耐容上限量が設定されていないことです。
耐容上限量とは、簡単にいうと、
「この量を超えて習慣的に摂り続けると、健康への悪影響が起こる可能性が高くなるため、超えないようにしたい量」
です。
しかし、たんぱく質に耐容上限量が設定されていないからといって、「どれだけ摂っても安全」という意味ではありません。
耐容上限量を設定するための十分な科学的根拠が得られていないことから、設定されていません。
最近は、「高たんぱく」をうたう食品や飲料も身近になりました。
手軽にたんぱく質を補えることは便利ですが、
「多ければ多いほどよい」
「とにかくたんぱく質を増やせばよい」
と考えるのではなく、自分のエネルギー摂取量や食事全体のバランスと合わせて考えることが大切だと思います。
「何g?」の前に、何の数字なのかを考える
今回、食事摂取基準のたんぱく質の章を読みながら改めて感じたのは、
「たんぱく質は1日何g必要?」という問いに、一つの数字だけで答えるのは難しい
ということです。
推定平均必要量なのか。
推奨量なのか。
目標量なのか。
さらに、その人の年齢、性別、身体活動量、食事内容などによっても、伝え方は変わります。
まずは普段の食事から、どの程度たんぱく質を摂っているのかを振り返り、そのうえで「どの指標を参考にするのか」を考えることが大切です。
管理栄養士として栄養量を伝えるときも、単に「○g必要です」と伝えるのではなく、なぜその数字なのかまで説明できるようになりたいと思っています。
今回の学びを、特定保健指導などの栄養相談の場でも活用していきたいと思います。
参考資料
厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2025年版)』
文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』
