見出し画像

【読書】愚痴っている暇はない~勝手に応援!『ビッグイシュー日本版』(VOL.511 2025.9.15)~

『ビッグイシュー日本版』を勝手に応援する記事、第114弾です。
そもそも「『ビッグイシュー日本版』とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は、「生きかえれ! 四万十川、清流再生へ」です。


「生きかえれ! 四万十川、清流再生へ」という見出しが使われるほど、四万十川が汚れているとは知りませんでした。

四万十川のこうした状況を解決するには「NBS(自然に根ざした解決策)」」が有効だと小松さんは言う。(中略)
「NBSはNature Based Solutionsの略。自然を抑圧し、排除するのではなく、自然の力を活用して、生態系の回復を図ることで、社会の課題に挑戦し、人びとと環境の両方にとって便益をもたらすことを言います」
NBSは2000年頃に欧米でもち上がった考え方で、(中略)IUCN(国際自然保護連合)と欧州委員会は13年に、その公式の定義を発表。自然の力を減災・防災に役立てようという考えを打ち出した。

p.10

小松さんというのは、生態系総合研究所の小松正之さんです。NBSの成果として、米国のサスケハナ川の河口にあり、チェサピーク湾の最上流に面する工場地帯ハバディグレイス氏の例を引用します。

「湾には汚れた都市下水や雨水も流れ込んでいましたが、いったん湿地帯の『生きた流水路(RSC:Regenerative Stream Channel)』を通過させることで、微生物や植物プランクトン、植物の根などが有機物を分解し、取り込んでくれて水質を改善。砂浜にブルークラブやカブトガニが戻ってきました。このまま砂浜に砂が堆積していけば、高波対策にもなります」
米国政府は「地球温暖化解決目標の3分の1にNBSが貢献する」として取り組みを進めてきたが、「この先、トランプ大統領がどんなに効率を重視しようと、私たちの取り組みが失速することはない」と、視察先の関係者たちは話していたという。

p.10

頼もしいです。


「日本は水質基準が甘く、手抜き処理した水を塩素処理でごまかして流し、自然にツケを回しています」

p.11

生姜生産における難題が、連作障害による「根茎腐敗病」だ。これを避けるため、多くの生姜農家では仏場の土壌づくりにクロルピクリンといった農薬を使用し、土壌を消毒している。「このクロルピクリンが、スポイト一滴を垂らしただけで部屋から出ないといけなくなる劇薬。目も開かないし、呼吸もできないほどで、人間を殺す殺傷力があります」と佐竹さん。「欧州ではすでに全廃され、米国や中国でも特別免許の対象。こうした事実が背景となって『生姜農家が四万十川を汚染している』と言われてきました。しんどいことですが、農薬を川に流してきたことは事実。その間違いを受け止めた上で、じゃあ何ができるのかと考えて試行錯誤するうち、2021年に生姜農家の調査にやってきた小松正之先生と出会って、NBSの考え方を知りました」

p.13

佐竹さんというのは、生姜農家の佐竹孝太さんです。生姜栽培のために、そんな劇薬が使われているとは。日本の水質基準や劇薬の規制の甘さには愕然としました。


特集以外で印象的に残ったのは、「スペシャル・インタビュー」のアーノルド・シュワルツェネッガー。

シュワルツェネッガーが嫌悪しているドナルド・トランプの話題が上った時でさえ、彼は「今の米国が困難な時期にあるからといって、まだこの世の終わりじゃないよ」と冷静に答えた。

p.5

そうですよね。ちなみにシュワちゃんは共和党から出馬して、カリフォルニア州知事となりました。


「カリフォルニアで成立した環境法が、他所でできないはずがない。愚痴っている暇があれば、さっさと仕事に取りかかれ。今こそ、あらゆる公害をターミネート(終了)する時だ!」

p.5

シュワちゃん、かっこいい!


シュワルツェネッガーとトランプとの共通点は、驚くほど多い。ドイツ語系の血を引き、年齢はわずか1歳差、両者とも億万長者の不動産投資家となり、共和党所属の政治家でもある。ソーシャルメディアを駆使し、凝縮されたキャッチフレーズでフォロワーを魅了する達人であり、とりわけ若い男性層から絶大な支持を得ている。しかし最大の違いは、彼らが目指す世界だろう。

p.6

まるでシュワちゃんとトランプさんの関係は、チャップリンと「あの方」のようですね。たださすがにトランプさんと「あの方」を同一視する意図はないので、「あの方」の名まえを出すことは控えておきます。


19歳にしてドイツ最年少の足場組立の女性主任者となり、兄とともに父の建設会社を継いだナディン・ボニンガーさんの記事も印象的でした。

「母によく『私たちのために無理しないでいいのよ。よく考えなさい。女性が男性の何倍もがんばらないといけない厳しい業界なのだから』と言われました」
(中略)
「今に至るまで、”女性であることのハンデ”を覆すために自分の実力が問われ、証明しなければならない時がたくさんありました」

p.16

何倍もがんばり、それで初めて男性と同じスタートラインに立てるのが女性です。


「私は子どもたちに、いつもこう言っているんです。『結婚しなくてもいいけれど、最低限の挨拶ができて、相手に敬意を払える人間になろう』って。こういう基本的な、でも一番大切な価値観が見直される時代になってほしいですね」

p.17

ナディンさんの言葉、同感です。


今号も、いろいろ考えさせられました。


『ビッグイシュー日本版』のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒のシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった坂本さん、いつもありがとうございます!



いいなと思ったら応援しよう!

margrete(まるぐれーて) 記事の内容が、お役に立てれば幸いです。頂いたサポートは、記事を書くための書籍の購入代や映画のチケット代などの軍資金として、ありがたく使わせていただきます。

この記事が参加している募集