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遺書を破り捨て歩んだ人生逆転劇!【第5話】非情な「泣き寝入り」の宣告と、手を差し伸べてくれたもう一人の弁護士


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藁をもすがる思いで、必死に探した一件目の弁護士事務所。
1時間1万円の相談料すら我が家にとっては大金で、絶対に無駄にはできませんでした。
私は我が家の資産、奪われたお金の概算、足りない生活費の額を一枚の紙にQ&A方式でまとめ、面談に挑みました。

しかし、法律が突きつけた現実はあまりにも非情でした。

「相手は障害を抱える身、対してあなたは働いている健常者。別居したとしても、あなたが相手に生活費(婚姻費用)を払わなければならない立場です。実質は、泣き寝入りするしかありませんね」

頭を殴られたようでした。すべてを奪われた私が、なぜ裏切った相手にお金を払わなければならないのか。
片道1時間かけて向かった帰りの駅。悔しさと絶望のループで頭が真っ白になり、気がつけば乗るはずの電車を3本も見送っていました。

夜遅くに帰宅し、待っていた15歳の息子に、私は震える声で伝えました。
「ダメかもしれない。どうにもならない。口座も止められて、この家にいつまでいられるか分からない。何より……どうやって家を出たのか分からない協力者の存在が怖い。誰かが家に来たらどうしよう」

その夜は恐怖で生きた心地がせず、簡単に荷物をまとめて息子と同じ部屋で震えながら横になりました。翌日からは正面玄関を使わず、2階の窓から梯子(はしご)を渡して外へ出入りし、家を全て締め切る計画まで立てていたほど、私たちは追い詰められていたのです。

眠れない夜、私は涙を拭いながら、弁護士を探すネットの相談サイトに我が家の凄惨な状況を書き込みました。「最後の最後まで、できることはないか」と、諦めたくなかったのです。

翌朝、息子を学校へ送り出し、私も職場へ向かいました。
仕事中、私のスマホに1本の電話が入りました。ネットの書き込みを見た、別の弁護士先生からでした。
「あまりにも内容が緊迫しているので、放っておけません。一度お話を聞かせてください。今日は相談料はいりませんから」

17時、仕事を終えてすぐに駆けつけました。先生は優しく私を迎え入れてくれました。
「依頼するかどうかは、すべて話を聞いてから決めてください。まずは起こったことを整理しましょう」

先生は、相談内容を聞き終えたあと、具体的な一歩を提示してくれました。まずは警察へ行くこと。そして、音信不通の夫の実家へ内容証明郵便を送ること。「やってはいけないこと」も丁寧に教えてもらい、私の胸にようやく、本物の「法律の盾」が宿ったのです。

夫の携帯には「弁護士に相談します」とLINEを送りましたが、既読にすらなりません。
先生の言葉通り、その足で警察署へ向かい、行方不明者届を出しました。

その場で動きがありました。1時間ほどまたされたあと、冷たい廊下で警察から告げられたのは、「本人と連絡が取れました。事件性はありません。これ以上は夫婦間の問題なので警察は立ち入れませんが、旦那さんは『居場所は言わないでくれ』と話しています」と言うことでした。

警察の言葉に、私は静かに唇を噛み締めました。居場所を隠し、すべてを奪って逃げ続ける夫。
でも、私の隣には、もう頼れる弁護士先生がいました。「泣き寝入りで終わらせてたまるか」と、私の胸の中で、本当の戦う炎が静かに燃え上がった瞬間でした。

(第6話へ続く)

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