日本の冬の風物詩「干し柿」~少しだけ干す柿の愉しみ~
柿、干してますか?
私は、あの大きな渋柿「富士柿」に出合ってから、干すようになりました。
……と言っても、田舎の古民家のように、ずらっとたくさんではなくて、
ほんの一つ、二つ。
「やわらかい大きな干し柿をパクッとほおばる幸せといったら、もう――」
なんです。
最初は、十個くらい干したと思います。
でも、自分で食べる分や家族の分だけで、十分なんですよ。
庭でも、ベランダでも、軒下の風通しがよくて雨の当たらないところに。
今年は奈良に行ったときに「江戸柿」という大きな柿に出合いました。
富士柿にとてもよく似ているのですけど、お尻(果頂部)が富士柿のほうが山のように尖がっていて、江戸柿のほうが少し平坦な感じ。
写真はその「江戸柿」です。
もともと十個ほどあったのですけど、実家の部屋が暖かくて熟してしまい、いくつかはそのまま食べました。
渋柿も、やわらかく熟したらそのまま食べられるんです。
残りの江戸柿は、硬いうちに皮をむいて干して――
先に干していたものは、お正月用に一つずつポリ袋に入れて冷凍。
今、ベランダには三つ干してあります。
そんな干し柿を、窓越しに眺めていると、心が癒されるのを感じます。
まさに“干し柿セラピー”といった感じ。
干し柿の作り方はかんたんで、皮をむいて干すだけ、です。
それだけでもできるんですけど――表面にお酒を塗るのが一般的。
カビが生えないよう、アルコール度数の高め(35度以上)のお酒を塗っておきます。
もっともよく使われるのが焼酎。
ブランデー、ウイスキーなども香りがよくていいですよ。
スプレーしたり、ハケで塗ったり、さっとくぐらせたりします。
今回、私はラム酒を使いました。
――というか、家にラム酒しかなかったんです。
ほら、世に、ラムレーズンってあるでしょ。
種類は違っても同じ“フルーツ”だから、きっと合うと思ったんです。
干す日数は、一週間から十日くらい。
あんぽ柿のような、やわらかくて生っぽい干し柿が好きなんです。
かための干し柿が好きな人は、じっくり1ヵ月くらい干してもいいですね。
3日目くらいから、手でもむとやわらかく仕上がるそうですけど、
(きれいなポリ袋に手を入れてもむと、直接さわらなくてよさそう)
無精もーんの私は、そのまま放置――
干し柿に使われる柿は、主に渋柿で、私が干している「富士柿」「江戸柿」、そして、よく知られるのは、「市田柿(長野)」「平核無(奈良)」「甲州百目(山梨)」、あんぽ柿の「蜂屋柿(岐阜)」で、それぞれに独自の風味や食感があります。
干し柿の歴史は古く、日本では、平安時代の文献にも登場します。
中国や朝鮮半島にも干し柿文化はありますが、冬の風物詩として軒下につるす日本の風景は独特なのです。
干し柿は保存食でありながら、季節を感じる和のスイーツですよね。
栄養的には、干すことで糖分が濃縮され、ビタミンA、カリウム、食物繊維が豊富になります。
食べ過ぎないよう、たまの愉しみに。
日本茶にも合いますよ。
干し柿をまだ作ったことのない人は、簡単だから、ぜひ!
一つでも二つでも……家族の人数分でも、干してみてください。
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