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“やさしい薬局”は、どこまでやるのかー毎回、保険が変わる人

毎回来るたびに、 保険が変わる人がいた。
社保だったり、 国保だったり、 自費だったり。

現場は、そのたびに揺れる。
やさしさか。
正しさか。

薬局は、どこまでやるべきなんだろう。

現場にいる人ほど、迷う話です。


毎回来るたびに、保険が違う人がいた。

社保だったり、国保だったり、
資格がなくて自費になったり。

前の薬局での話。

その人は、ちゃんと自分から言ってくれた。

「転職活動中なので、自費でお願いします」

この一言で分かる。

ああ、この人はちゃんとやろうとしてる。

正直、処理は大変だった。

資格確認はやり直し。
レセコンも都度修正。
自費の期間が続けば、少し構える。

それでも、不思議と嫌じゃなかった。

自費が続くと、少し心配になる。
ちゃんと決まるのかな、って。

資格証明書を持ってきたとき。

ああ、よかった。

でも、その安心は長く続かない。
すぐに辞めてしまう。

そしてまた、保険が変わる。

それでも思う。
この人、ちゃんと前に進んでる。

しばらくして、その薬局は個人に買収された。

方針は変わった。

レセプト提出後の返金は受け付けない。
あとは患者自身で対応してもらう。


理由はシンプル。

事務作業が増える。
それが積み重なる。

忙しい薬局なら、当たり前。
制度としては、むしろ正しい。

そして、今の薬局。

また同じような人が来る。
でも今回は違う。

保険が変わっているのを知っていて、何も言わない。

それはダメでしょ。

病院では通っている。
おそらく資格確認していない。

でも、薬局では通さない。

自費で対応する。
嫌なら、手続きをしてから来てもらう。

ここで、線を引く。

ただ、今の薬局はもう一つ特徴がある。

自費の支払いから数ヶ月経って返金を求められても対応する。

“やさしい薬局”というポリシー。

でも正直、思う。
どこまでやるのが正解なんだろう。

本来、この流れは決まっている。
自費で払った分は、あとから保険に申請する。

領収書を持って、国保や社保に出す。
薬局で返金するものではない。

ここまで説明すれば、筋は通る。

でも現実は違う。
その説明に時間がかかる。

制度の説明。
手続きの流れ。
必要書類。

一人に数分。
それが重なると、現場は止まる。

だから、
返金してしまった方が早い。

説明する時間を削るための“やさしさ”。

でもそれは同時に、
現場を削る選択でもある。

もう一つ、難しい問題がある。

今までやってくれていたことを、急にやめると

「冷たくなった」


そう受け取られる。

実際には、
制度に戻しただけ。

でも患者から見れば、

「前はやってくれたのに」


になる。

この一言は強い。
現場を止める力がある。

だから迷う。
説明するか。
その場を収めるか。

早く終わらせる、という選択。

忙しい現場では、これも一つの答えになる。

でもその積み重ねが、
“やってもらえる場所”を作る。

優しさを取るか。
線を引くか。

どちらが正しいかじゃない。どこまで背負うかの話だ。

毎回、保険が変わる人。

あの人はきっと、またどこかで同じことを繰り返している。

それでも、
ちゃんと働こうとしてる人だった。

正しさとやさしさ。
どこで線を引くか。

現場にいる人ほど、迷う。
それでも、明日もまた同じ選択をする。



※この様な話は、「制度メモ」にまとめています
👇️制度メモはこちら



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