カラータイマー10分の男
近所の公園とバーベキューの焼き鳥
男は、煙にのって来たバーベキューの焼き鳥の匂いに誘われて公園の中へ入って行きました。
男は、公園のハトを捕まえますが、ハトに命乞いをされたために逃がしてあげました。
ハトは、お礼に危険の時に助けとなる「魔法の羽根」を男に渡しました。
女子高生たちとの出会い
公園の奥のテニス場で美しい女子高生たちが、テニスを楽しんでいました。 男は、フェンス越しにテニス姿を見ていました。 一人の女子高生が、男に気が付きました。
「きゃー」
男は、一瞬その黄色い声が、有名スターに出会った時の反応の声と勘違いしていました。
「きゃー」「きゃー」「警察」「きゃー」「変態」「きゃー」
その時、男は、「きゃー」の意味を痛いほど理解していました。
「しまった、ズボンはいて来るの忘れてた!」
男は、とっさに「魔法の羽根」のことを思い出しました。
そして、男は「魔法の羽根」を股間にあててみましたが、何も起りませんでした。 羽根はあまりにも、男の股間を隠すには小さ過ぎました。
「あのハトの野郎!」
トイレの魔法使い
男は、すぐそばの公衆トイレに逃げ込みました。
「やばい、やばい、やばい」
男の頭の中には、次の日の新聞の一面に自分がパンツ一枚で警察に連行されていく姿があるのを想像してしまっていました。
その時です。 カエルの姿をした魔法使いが現れました。
「なんか困ってる?」
「あ、あ、あ、あなたは?」
「わたしは、魔法使いどす。 この恰好どこから見ても魔法使いでしょ!」
「そ、そ、そ、そうですね」
「なに困ってんの?」
男は、一連の話を説明しました。
「そう。 じゃー、変身させてあげるわ。 それで、ここから抜け出すと良いわ。」
魔法使いは、呪文をかけだしました。
「Break the Limit 身勝手なアイツ Black Flame write a note」
男は、煙に包まれました。
煙が消えると、男は、ウルトラマンになっていました。
「なんで? もうちょっと他になかったん?」
「変身といったらウルトラマンでしょ!」
「まー、パンツよりはましか・・・」
「あっ、それからウルトラマンに変身してれる時間は10分間だからね!」
「たったの10分?」
「何言ってんの普通のウルトラマンは3分なのよ。 そこを3倍にして上げてさらに1分もおまけ付きよ・・・」
「まー、走って帰れば家までは10分もかからないか!」
園児との対決
トイレから出た男は、背中で「ウルトラマン」という女子高生の声を聞きながら走り出しました。
公園を出てしばらく走っていると、歩道を保育園の園児が集団で歩いて来ました。
男を見た園児たちは、「ウルトラマン、ウルトラマン、ウルトラマン」と騒ぎ出しました。
男は、園児たちに取り囲まれてしまいました。
園児の一人が、「ウルトラマン、スペシウム光線だしてー」と言いました。
男は、スペシウム光線のポーズをしました。
園児たちは、大喜びしていました。
園児たちは、「ウルトラマン」と言いながら、男に触ったり、抱きついたり、蹴っ飛ばしたりして来ました。
男は、心の中で、「このボケ!」と怒りを覚えながらも、園児の夢を壊さないようにと声を出すのを我慢していました。
男が園児に手こずっていると、胸のカラータイマーが鳴り出しました。
「えー、ちょっと早よない?」
怪獣より怖い園児との対決をなんとかしのいだ男は、家に続く心臓破りの坂にさしかかりました。
この坂を登り切れば家です。
普段ならゆっくり登る坂を、必死になって駆け上がっていきましたが、カラータイマー並みに心臓も早鐘を打ち出して来ました。
「もう、あかん。」
男が、弱音をはきそうになった時、坂の上から近所の奥様連中が降りて来ました。
「えー、ここで魔法が切れたらどうすんねん!」
その時、カラータイマーの音が消えてしまいました。
「きゃー、きゃー、きゃー」
奥様達の黄色い声が聞こえていました。
M78睡魔
「パパ、パパ、パパ・・・・・」
男は、娘の声で目覚めました。
「あー、夢やったんか・・・・」
「パパ、早く起きてM78星雲に連れてって!」
(パパは、今ウルトラマンになっていたと、娘に話すべきなのか・・・・)
「パパ、鳥さんの羽根が落ちてたよ!」
(完)
600という数字が出ていなかった?
そんな事はないですよ。
10分は何秒ですか?
そう、
600秒です。
(おまけ)
「等身大のウルトラマン、600万円は高くない?」
「いえいえ、娘さんが希望されているのは、高さ
40mの実物大のウルトラマンみたいですよ・・・」
「メリークリスマス! パンP」
追伸
あれから2か月ちかくが経とうとしています。 みなさん、忘れていないと思いますが、あの男を確保できたのでしょうか?
