#001 アラフォー転職とセルフオンボーディング
みなさんこんにちは。
アラフォーで2度の転職を経験した40代の中年新人です!!
今回は急増する40代での転職について書いてみます。
0. 私のアラフォー転職経験
私はアラフォーで2度の転職を経験しました。周囲の人の助けのおかげで2回とも何とか潜り抜けて食えるようにはなりましたが、適応に至るまでの道のりは毎回綱渡りでした。今もギリギリですけど。
転職の面接では毎回「私は過去のキャリアで国内外の大中小様々な組織と向き合ったり、潜り込んで仕事をしてきたのでそれなりに組織の風土や力学を理解して仕事を組み立てられますよ」と大口を叩く私ですが、実際にフルタイム雇用で組織に飲み込まれて仕事をするのは、ちょっと組織に首突っ込んで業務支援やコンサルをやるのとはわけが違います。
ひとつ大きな仕事を成し遂げる、認められて年収が上がる、等の手応えをつかむまでの間は、常識の違い、周りからの好奇?品定め?の目線に耐えながら、転職の決断への後悔や、キャリアと収入面の不安に押しつぶされそうな日々が続きました。キャリア心理学を学ぶと必ず触れるウィリアム・ブリッジズの理論にもあるように、転機は今の環境を「手放す」ことから始まり、その先にある不安な「ニュートラルゾーン」を経ることになりますが、これが毎回本当に辛い。これを潜り抜け、対外的な立ち位置の確保と、内面的な自身への納得感を得るところにまで至らなければ「うまく転職できた。これで良かったんだ。」とは思えないことを何度も身をもって体感しました。
1. 転職先適応者数は求人数増加に比例しない
最近、周囲の友人や若者と話していると「俺もうXX歳なんで、そろそろ転職かなーとか考えてるんすよ。周りも結構会社辞めてますからね。」みたいな声をよく聞きます。転職は当然するもの、できるもので、”横並びの節目イベント”のように思い込んでいる人も増えているようですが、理解に苦しみます。
どういうわけか、特に転職未経験の方にその傾向が強いような気がします。転職に成功した周囲の同期入社者や年末に会った同級生のキラキラを浴びて、何故か自分も行ける気がしてくるのでしょう。実際はキラキラ1人の周りに何人もの屍が転がっていますが死人に口なしです。彼らは「キラキラバイアス」とか、「利用可能性ヒューリスティック」のせいで、残念ながら足下に転がる屍にはさっぱり気付きません。線香くらい立ててやってくださいよ。
勘違いしてはいけないのは、イージーになっているのはあくまで求人の数と仲介業者のアクションが増えたことによる「入社」課題であって、中年新人の入社後の「適応」課題(=私が前段で書いた「ニュートラルゾーン」をクリアすること)がイージーになったわけではないということです。このリクルートの記事によれば、ここ10年でリクルートエージェントを使った転職者数は全年代で3倍、40代は5倍になっています。リクルートに支払われたフィーは5倍になりますが、転職先に適応してちゃんと活躍する優秀な40代ビジネスパーソンの数が10年で5倍になるわけがありません。なっていたら我が国はもっと豊かになっています。
ただ単に入口が広がっただけで、入社後の「適応」課題は、昔と変わらずハードなままでしょう。適応してきちんとお金をもらい続け、過去の自分ではなく今の自分の状態を受容できるところまで辿り着けなければ意味がありません。
2. 40代中年男性への冷たい視線
ミドル世代の転職者の傾向について「以前までは何回か刻んでいる、特に外資系企業を含めた方が多かったが、ここ最近は、1社経験の方がちらほら出てきた」と答える。
冒頭で引用したAbemaの記事によると、1社経験しかない40代転職者が増えてきているとのこと。大手企業1社しか経験していないマジョリティの中年男性は、そうではない人からは「勝者」「苦労していない」「マジョリティ」と見なされやすいです。他者に不寛容な人や自己責任論者が増えている現代に、そんな”持つ者”が自分達”持たざる者”よりも大きな会社から転職してきて、いきなりそれなりの報酬とポジションを得ようとすれば、そりゃあ当然嫉妬とプレッシャーの渦が巻き起こります。このプレッシャーは、40代の転職が今ほど一般的ではなかった時代よりも、現代のほうがより厳しくなっていると考えたほうが良いです。
今の40代って大半が氷河期世代だし、実際はぜんぜん勝者じゃない人のほうが多いんですが、周囲の目なんてそんなもんですよ。

もしかしたら、市場が活況なおかげで入口が広がり、職場が中途採用者の扱い方のノウハウを蓄積したことで「オンボーディング成功率」が上がっているやさしい職場もあるかもしれません。一方で、中途採用者のN数が増えたことで「品定めの目」も同時に厳しくなっているはずです。入口が広がったことで本来なら市場に出てこないようなレベルの人を掴まされた経験のある職場であれば「今度も失敗するのか?」「またよくわからんポンコツ採りやがって!」と、なおさらネガティブで厳しい視線が向けられるでしょう。
3. 私のセルフオンボーディング
こうした環境を生き抜くために、40代で転職した時の「対外的な立ち位置の確保」と、「内面的な自身への納得」のうち、主に前者を得るために私が工夫してきたことを書いてみます。
(1) 中途採用者をよく観察する
入社したら真っ先にやるのが自分と同じ中途採用者の観察です。
雇ってもらう時にコミュニケーションを取った採用担当者に過去数年の自部門と近隣部署の中途採用者の名前を聞き、仲良くなったプロパー社員からそれとなく彼らの評判を聞き出し、よく観察します。プロパー社員が多く同質性の高い日本企業なら中途採用者は言葉遣いや雰囲気ですぐ分かります。彼らの行動はたいてい浮いていて目立つので、良い振る舞いは真似し、マズい振る舞いは反面教師にし、自分の身のこなしの参考にします。
観察時には中途採用者にあまり近付きすぎないようにするのがポイントです。彼らをフラットな目線から客観的に観察することが大事なので、彼らと最初から仲良くなりすぎると冷静に見極められなくなりますし、彼らの中途コミュニティに誘われてしまい彼らからの同調圧力を受けるリスクも否定できません。そして、そのコミュニティの面々が会社への適応能力の低い人だらけだったりしたら目も当てられません。
もし可能なら、中途採用者の部署別の勤続年数や、辞めた人の情報も集めておいて、離職の多いキツい部署の雰囲気や、そこにいる管理者や中途採用者の発言や行動を観察できれば尚良いです。ヤバい人たちの「品定めの目」の厳しさ、当たりの強さがその会社で戦っていくためのベンチマークになるため、最初はなるべく近づかずに身を守っておいて、仕事への自信がついて社内の人脈が増えてきたら接近するのが良いでしょう。
(2) ヒマな時間と向き合う
次に重要なのがヒマつぶしです。
転職先が伝統的な日本企業であれば、40代のよく知らないおじさんおばさんが急に職場にやってきたら、最初は世代の違うプロパー社員はあまり近付いてきません。彼らは、価値観の合わない40代の上司とも、やる気のない先輩とも雰囲気が違う40代中途採用者に、どう接したらよいのか分からないから話しかけてきません=仕事が来ません。
40~50代の管理者は、同世代だけど自分とはキャリアが全く違っていて、能力もよく分からない40代中途採用者にこれまたどう接したらよいか分からないため、他の部下と同じように上から目線、阿吽の呼吸で対応して良いものか分からず、当初は会話も恐る恐る、探り探りになります=仕事が来ません。その管理者が中途採用面接にかかわっていなかった場合はなおさらです。
前職でバリバリ結果を出していた勝者ほど転職して急にヒマになると焦ってしまうものですが、このヒマな時間に「何も教えてくれない!!」「干されているんじゃないか…」「じゃあ雇わなければいいのに!!他社に行けば良かった!!」と逆ギレしてはいけません。年功序列職の残る日本企業では、40代=勤続20年のベテランです。だから40代が受動的に仕事を教えてもらえる文化や習慣なんてありません。だから、相手には悪意は無いのです。これは仕方のないことです。
ヒマな時期にやるべきは、社内の組織図、規程類、ルールを頭に入れることと、業務で使えそうなデータを片っ端から集めておくことです。職場の人が相手をしてくれなくても、期待をかけて採用してくれた人事や、採用時に面接に出てきた管理者が協力してくれるはずです。ヒマなうちに組織や業務の特性や課題を分析し、自分なりに仮説を立てておくことで、後で仕事が増えてきたときの余裕につながり「全然教えてないのにすごい洞察力ですね!」「本当は私から教えるべきなのに、なかなか時間が取れなくてごめんなさい。」と言ってもらえるようになります。
(3) すごい結果は出さず、期待されたことだけをやる
伝統的な日本企業、特に中小やローカル企業は年功賃金や職能主義が廃止されていたとしてもまだまだ横並び意識が強く、社員個々人の能力や成果、ポテンシャルについて比較したがらない、あるいは、語りたがらない人が多いです。そんな職場で、既存の社員が測定できないような大きな成果を中途採用者がいきなり挙げてしまうと、年功や横並びのバランスが崩れます。そうすると、皆が話したがらない能力比較の議論をせざるを得なくなり、大きな成果がかえって逆効果=問題行為と見なされてしまうかもしれません。
最初はとにかく指示されたことだけやっていればOK
会社や管理者が理解できて、喜ばれる成果だけを出し続けること
彼らが理解できないところで自分の力を見せつけないこと…特に、その会社が評価基準を持っていない新しい分野で結果を出せるスキルを持っている場合は要注意!オラオラと成果を挙げてもどう評価して良いか分からないから評価してもらえないし、それどころか困惑されたり、下手をすると嫌われるリスクもある
内定を出してくれた人は恩人にして最初のよき理解者です 彼らの期待には最初から120%こたえて恩を返し、採用して良かったと思ってもらえるようにすること
早く結果を出して自分の実力を認めさせてやろうなんて思わないほうが身のためです。
最初の半年くらい上記のスタンスで続けていれば、その会社が評価基準を持っていない新分野の仕事も、少しづつ、頭を下げて、期待を込めて頼んでくれるようになります。
そこまで辿り着ければ"対外的"な立ち位置の確保は大丈夫です。もう本気を出しても良い時期です。思い切り自分の力を発揮しまくりましょう。そして、この期間に功を焦らず、感情をコントロールできた自分と向き合い、受け入れられるようになれば、"内面的"な準備も整った、と言えるでしょう。
私がアラフォー転職2回で意識したことはこんな感じです。
一人ひとりが何歳になっても冷静に歩みを進め、持っている能力を出し切って、納得のいくワークキャリアを送れるよう、ミドル~シニアのキャリア課題はどんどん世に流れて、いろんな角度から問題提起してもらえると良いなあと思います。
ではまた。
ちゃうちゃう。
