共生の黎明 番外編③:誰かの想いを預かる朝 連続小説
ナースステーションの端、朝の光がカーテン越しに差し込む。
カルテの入力を終えた女性看護師が、ふと手を止める。
カートには、いつもの薬と、紙に包まれた小さなカード。
「……そういえば、あの子、昨日“ユラ”送ってきてたな。」
独り言のように、でもどこか嬉しそうに微笑んで、小さく頷いた。
「“ありがとう”って、声にできない人もいるから……こういうの、いいよね。」
誰に語るでもない言葉が、白い壁にやさしく響く。
ふと近くの同僚が気づいて顔を向けた。
「それ、新しく始まったあれ? ユラとかいう……」
「うん。前に別の病棟で始まってたらしくて、うちにも回ってきたみたい。」
小さな声で、でも確かに続ける。
「仕組みはよくわからないけど……
あの子が『ありがとう』って伝えたかった気持ちは、ちゃんと届いた気がするんだ。」
どこか誇らしげに、そっと胸元のポケットを撫でた。
中には、折りたたまれたメモと、小さな感謝のデジタルレシート。
まるで誰かの想いを、そっと預かっているように。
〜番外編あとがき〜
皆さま、いつもありがとうございます。
既に物語を読まれた方も、そしてこれから作品に触れていただく方にも、「共生の黎明」の世界観を感じてもらえたらと思い、作成しました。
第一部【#0〜#100】の前半頃をイメージして描いてます。
⬇️創作大賞2026オールカテゴリ部門応募作品
「共生の黎明 小さな光、大きな希望〜」本編
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