【漫画紹介】海が走るエンドロール|リナ@石垣島|漫画ノオトVol.16
こんにちは
まだまだ残暑が厳しい(というか夏真っ盛り)の石垣島です。
心なしか、朝晩の風が涼しいような?気のせいのような?笑
そんな石垣島ですが暦の上では一応秋ですので、
今回は「芸術の秋」にピッタリな作品を紹介させてください。
『海が走るエンドロール』
作者:たらちねジョン
全9巻完結

ジャケ買い&タイトル買いが特技の私。
こちらもこの表紙とタイトルで即落ちしました。
映画を題材とした作品だからなのか、物語の引き込まれ方や
読了後の余韻までも、映画のような作品です。
扉絵が毎回映画のポスターをオマージュしたイラストになっているトコも地味に好き。


この度完結したのでやっと紹介できるのが嬉しい!と同時に
やはり本作に直に触れて欲しいので、今回は余白を大事に、
あまり深堀りせずに紹介させて頂こうかと思います。笑
ちなみに
劇場アニメも決定しているので、そちらも本当に楽しみな作品なのです。
(地上波ではなく劇場版というのも、この作品らしくって萌えます)
あらすじとしては
。。。
夫を亡くし、ひとりで数十年ぶりに映画館を訪れた65歳のうみ子。
そこで偶然出会ったのは、映像専攻の大学生、海(カイ)。
お互いに映画が好きという話から、カイの言った一言で
うみ子は自分が映画を「見る側」から「作りたい側」ということに気づかされる。
それをきっかけに、うみ子は美術大学に入学し、「映画を撮る」という
新しい人生へと漕ぎ出していくーーーー。
。。。
といった感じです。
オススメポイントとしては
「自分の人生の舵を取るのは、自分しかいないということ」
ということです。
「好きなことをする」ということ
うみ子さんがねー、とにかくいいんですよ!
才能もりもり!とか、人生波瀾万丈!な訳ではなく、
普通に結婚して、夫にも娘にも恵まれ、特に不自由なく過ごしてきた女性。
イケメンなカイにちょっとドキドキしたり、ミーハーな気持ちもたまにあったり。
どこにでもいそうな、ありふれた一人の女性。
だからこそ、彼女の踏み出したその一歩に、勇気をもらえるし、応援したくなる。
そんなうみ子さん、映画を学ぶため、65歳で大学に入学します。
いくつになっても夢に挑戦するということは、とてもキラキラしていて
わくわくしているように思えます。
でも、現実には
好きなことを続けていくために、避けては通れないこともあります。
たくさんの人と関わりながら、好きじゃないことをしなければいけない時もある。
※「左→右」と読んで下さい。


1番好きなキャラです
他の人の才能に嫉妬して、自分の凡庸さに落ち込んだり。
「作りたいもの」と「作れるもの」の間でもがいたり。
創作していく楽しさや高揚感、それらが形になった時の喜びは何にも代えがたい。
でもその逆で、苦しさや泥臭さも同じようにある。
そうやって人は、自分の「好き」からなかなか逃れられない。
そして、
「作品を生み出していくこと」は、自分自身と向き合うことでもあります。
うみ子やカイも、
お互いや周りの人たちから影響を受け、時には苦しみ、時には孤独に、
少しずつ自分自身を振り返り、進んでいきます。
そうしたそれぞれの成長が、物語を通して丁寧に描かれています。
「若さ」と「年を重ねる」ということ
65歳のうみ子の同級生は、当然ながらみな20代。
才能や、感性や、なによりこれから先の可能性がたくさんある。
いくらでも失敗できるし、いくらでも違う道を選べる。
そんな彼らの姿が、ただただ眩しくうつります。
それに比べて私は…と、
刺激を受けながら、自分の年齢や才能・残された時間と何度も向き合うことになるうみ子。
でも、当然ながら若ければ全ていい!って訳でもなくて。
未来がたくさんあるからこその焦りもあるし、才能を比べて悩んだり苦しんだり。
なんなら若い頃の方が悩みが大きくなりがちだったり…。
うみ子のように、歳を重ねたからこそ言える言葉や、対応があるし、
それは、若い頃には分からないことだったりする。
うみ子と、カイを始めとした学生たち。
60代と20代の気持ちや成長の対比が、
この物語の面白いところのひとつでもあります。
ちょうど中間の40代の私、
どっちの気持ちに対しても「分かる!分かるよ!」と共感しまくり。笑
「若さ」って、勢いだと私は思うんですよ。
その勢いからくる発想や発言・行動力ってあるし、
それって歳を重ねた「大人」の私たちからすると本当に眩しい。
でも
いくら才能や知識があっても、”経験”でしか埋められないことは確かにあって。
「大人」になったからこその、物事の受け止め方・進み方だってある。
その”経験”は、私たちが歳を重ねる中で手に入れて、培ってきた力でもあると感じます。
なのでこの作品を読んでいると、
「若さっていいなぁ」と思うのと同時に、
「歳を重ねることも、悪くないもんだな」とも思うのです。
そして、
自分よりも歳上のうみ子さんの生き方に元気を貰えるし、
「私なんてまだまだ若いわ」と思えたりするのも、なんだか嬉しいのです。
人生に「波」がやってきたら
うみ子はカイを、自分の人生にやってきた「波」だと表現します。
そして、その波に対しての自分の行動を「船を出すかどうか」とも。
カイが連れてきた波に乗って、うみ子は船を出しました。
人生には時々、そんな「波」がやってくるのかもしれません。
それは人との出会いだったり、一冊の本だったり。
ふと思い出した好きだったものや時間だったりするのかもしれない。
でも、確かにその「波」は私たちの心を騒がせる。
もしかしたら思った以上に、心を持っていかれるくらいの大波かもしれない。
その波に、船を出すのか、出さないのか。
そして、いつ船を出すのか。
きっとそのタイミングは、人それぞれです。
20歳で出す人もいれば、60歳で出す人もいる。
そして、自分では気づかないうちに、自分自身が誰かの船を
そっと前へ押し出す「波」になっていることだって、あるかもしれない。
互いに影響しあって船を進めていく。
それは年齢や環境に関係なく、きっと誰にでも起こりうる、
小さくても大切な出来事なのかもしれません。
でも、
その小さな波があなたをどこまで運んでいくのかは、誰にも分からない。
カイという「波」に乗って船を出したうみ子。
うみ子という「波」に背中を押されて、船を進めていったカイ。
二人の物語の行く末を、想いを、
どうぞ作品に触れて、感じて欲しいです。
あなたの人生に「波」がやってきたとき、あなたはどうしますか?

これにて
『海が走るエンドロール』のオススメを締めさせて頂きます🌊
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
【作品画像について】
本記事内の画像は『海が走るエンドロール』(たらちねジョン)より引用しています。
この記事を書いた人

リナ
石垣出身。元書店員。
幼少期から本も漫画も大好きです。基本は少年青年漫画(アングラ系)好き。
脳内が疲れた時は癒やし漫画と少女漫画♡
動物と子供漫画は秒で泣くタイプ。アニメも好きです。
10月期のアニメは、「氷の城壁」「薬屋のひとりごと」の続編にわくわく。
新規では「ホタルの嫁入り」に、何と言っても「マロニエ王国の七人の騎士」が楽しみすぎる!!
最近、オススメしたい作品が記事の前にアニメ化されるので、嬉しいです- ( ˶'ᵕ'˶) -
「あおmade」という名でハンドメイド作家をしています。
Instagram:aone88linux
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