A層B層C層で分けているのは、能力ではない
これからしばらく、
A層・B層・C層という言葉を使って、
組織や現場の話を書いていく。
ただ、その前に、
一つだけはっきりさせておきたい。
これは、
人を評価したり、
優劣をつけたり、
能力を分類するための言葉ではない。
A層B層C層で分けているのは、
「人の質」ではない。
分けているのは、
組織の中で
どの程度の判断を引き受けているか、
どの範囲まで責任が集まっているか、
という“位置”の違いだ。
組織には、
必ず複数の判断が存在する。
・最終的に決める判断
・決まったことを実行する判断
・環境や状況に反応する判断
これらが
一人に集まりすぎても、
逆に曖昧に分散しすぎても、
組織は不安定になる。
A層B層C層という区分は、
「誰が上か」を決めるためのものではなく、
「どこに判断が集まりすぎていないか」
「どこで無理が起きていないか」
を確認するための整理だ。
重要なのは、
A層・B層・C層のどれであるかではない。
問題になるのは、
その位置に置かれた人が、
引き受けきれない判断まで
背負わされているときだ。
この区分は、
固定された人格の話ではない。
同じ人でも、
立場や役割が変われば、
A層的になることもあれば、
B層的になることも、
C層的な反応をすることもある。
だから、
「自分はA層だ」
「あの人はC層だ」
と決めつけるために
使ってほしくない。
見るべきなのは、
人ではなく、
配置だ。
これまで、
採用や配置の話で
うまくいかなかった現場の多くは、
人を見誤ったのではなく、
判断の置き方を誤魔化していた。
誰が決めるのか。
どこまで任せるのか。
どこから先は引き受けないのか。
その線が曖昧なまま、
人だけを入れ替えても、
同じ歪みは繰り返される。
A層B層C層という言葉は、
その歪みを可視化するための
仮の言語だ。
誰かを切るための言葉でも、
誰かを守るための言葉でもない。
判断を一人で抱え込まないための、
配置の確認用語だ。
ここから先は、
この前提の上で、
・判断を引き受ける位置
・判断を実行する位置
・環境の影響を受けやすい位置
それぞれについて、
何が起きやすいのか、
どこで無理が生じるのかを
順番に書いていく。
もう一度だけ書いておく。
A層B層C層は、
人を分ける言葉ではない。
組織を壊さないために、
判断の位置を整理するための言葉だ。
