『このランドクルーザーに、思い出を全部詰め込んでます。』
昔から、物は大事にするタイプ。
それ自体が好きっていうよりも、
そこに“物語”が染み込んでいくのが、たまらなくいい。
たとえば、仕事用の革靴。
ピカピカじゃないけど、週末にちゃんと自分で磨いてる。
かかとがすり減ったら、修理に出す。
安くはないけど、捨てる気にはならない。
あの靴で何度も職場に立って、
いろんな会議に出て、失敗もして、笑った日もあって。
履くだけで、なんか背筋が伸びる。
スーツも、オーダーで作ってもらったやつを、もう何年も着てる。
仕立てのいい服って、着るたびに気持ちが整う。
財布もそう。
ずっと使ってたのは、新婚旅行で行ったハワイで買った革のやつ。
経年変化で、色も手触りも少しずつ変わっていって、
“味”が出てくる感じが、好きだった。
さすがに最近はボロボロになってきて、買い替えたけど。
でも、あの財布を見ると、いつでもあのハワイの街が思い出せる。
新しい財布も革のやつ。これも今2年くらい経つけど、良い感じに色が変わってきた。
そして、ランドクルーザー。
乗り始めて、もう5年。
洗車は、ずっと手洗い。
水をかけて、スポンジでなでて、
「今日もありがとう」って声に出さないまま話しかけてる。
最初は正直、似合ってない気がしてた。
背伸びしてる感じ。
値段もかなり背伸びしてた。笑
見た目に追いついてないような、そんな気持ちもあった。
でも今は、
キャンプで泥だらけになった姿も、
家族で出かけて疲れて帰ってくる姿も、
ぜんぶひっくるめて「うちの車」って言えるようになった。
子どもにも、よく言う。
「物は、大事にしなよ」って。
でもたぶん、おれがいちばん、大事にしてる。笑
ランドクルーザーのドアを開けると、
思い出が、ふわっと流れ込んでくる。
子どもの笑い声とか、
助手席から見えた夕焼けとか、
洗車のあとの達成感とか。
もうこれは、車というより、“人生の箱”みたいな存在かもしれない。
あと20年は乗るつもり。
乗れたらね。笑
その頃、子どもが免許を取って、
「おれも乗っていい?」なんて言ってきたら、泣くかもしれん。笑
このランドクルーザーに、思い出を全部、詰め込んでます。
【end】
