『中1で付き合ったけど、「好き」って何かわからなかった。』
中1。右も左もわからない。
恋愛なんて、もっとわからない。
文化祭の準備で、美術室に通っていた。
おっきめの紙に、1人で絵を描いていた。
担任に頼まれて、なぜかおれが担当になったやつ。
放課後、美術室でひとり絵を描いてたら、
ちょこちょこクラスメイトがのぞきに来るようになった。
その中に、毎日来る子がいた。
クラスは違うけど、明るくて、話しやすい。
「え、けっこう上手いやん」って茶化してきたり、
勝手に色のアドバイスしてきたり。笑
そのうち漫画の貸し借りが始まった。
ジャンプ系だったと思う。
「続き貸して!」って言われるたびに、
ちょっと読むスピード上げてた。笑
ある日、美術室で2人きりになったとき、
その子が聞いてきた。
「ニコライって、好きな子おるん?」
「えー?いないよ〜」
(女子、だいたい好きやし。笑)
話はずんで、ちょっと照れくさくなって、
その日、少しだけドキドキしたのを覚えてる。
で、文化祭の当日。
片づけが終わったあと、
また2人になった。
「……好きなんだけど」
その子がそう言った。
おれは、何が正解かまったくわからなかった。
でも、「うん、いいよ」って返した。
付き合うって、なんなんやろ。
よくわからんまま、“彼女”ができた。
この頃、携帯はなかったから、家電。
「ニコラーイ!電話ー!」
っておかんが叫ぶやつ。笑
夏祭りも行った。
うまくしゃべれなかったけど、
帰り道、手をつないだ。
でも──なんか、違った。
だんだん、「好きってなんなんやろ」って考えるようになった。
考えれば考えるほど、わからなくなって、
おれは、別れを選んだ。
もしかしたら、
最初から好きじゃなかったのかもしれない。笑
その子は、しばらくして別のやつと付き合ってた。
「あ、元気そうやな」と思ったけど、
ちょっとだけ、シュッ…となった。
甘酸っぱかった。
でも、ちょっと苦かった。笑
それが、おれの最初の“恋”だった。
……かもしれない。笑
【end】
最後まで読んでくれて、ありがとう。
もし、何か少しでも残るものがあったら、
スキでそっと伝えてもらえるとうれしいです。
