予定をプレポンする
プレポンとは何ぞや。インド英語らしい。
インド英語のプレポンとは?
高校時代の同級生と結成した「駅伝部」で出場した駅伝(リレーマラソン)で気持ちいいほどゴボウ抜きされた帰り、打ち上げも大いに盛り上がった。
「語学と楽器とマラソンは練習した分上達するから、大人になってからはまる人が多い」説をわたしが唱えて語学の話題になったとき、「仕事で英語は使うけど、インド英語やねん」と向かいの席に座ったT君が言った。
わたしが子どもの頃、インド人一家が2年ほど隣に住んでいたが、当時のわたしは英語を話せなかったので、お隣さんがどんな英語を話していたか、記憶はない。
その一家の長女、あっという間に大阪弁ペラペラになったポピーちゃんの結婚式に招かれてデリーを訪ねたときに聞いた英語は、カタカナで表しやすそうなくっきりした発音だった。
「インド英語てどんなん? オウケイミスタルみたいな感じ?」とわたし。
「発音いうか、新しい単語作りよるねん。プレポンとか」とT君。
「プレポンて何?」
「ポストポンの逆」
「postpon = 延期する」の逆。つまり、
「prepone = 前倒しする」という意味らしい。
「何それ? むっちゃわかりやすいし、ええ意味やん」
テーブル一同、口々に「プレポン」「プレポン」と言い合った。
調べてみると、「プレポン」について書いている記事がたくさん見つかった。わたしは初めて聞いたが、けっこう前から使われているのかもしれない。
Hindi(ヒンディー語)とEnglishを合わせたHinglishという言葉があることも知った。
パピプペポは言葉をかわいくする
声に出して言いたいインド英語prepone。
プレポン。4文字中2文字がパ行。パ行率50%。
「パピプペポは言葉をかわいくする」ことは、わたしの映画脚本デビュー作品『パコダテ人』でプレゼン済み。
ハ行とバ行をパ行にするパコダテ語。
「ふとん」は「ぷとん」に。
「豚バラ」は「豚°パラ」に。
「古びた鞄」は「古°ぴた鞄°」に。
パピプペポになると、ハ行は2割増し、バ行は2倍、ポップになる。
そんなわけで「フレホン」なら口に出して言いたいと思わないが、「プレポン」は口に出して使いたい。
「予定をプレポンする」と言うと、楽しい約束に思える。
「締切をプレポンする」と言うと、原稿が進んだ感じがする。
preponeの逆、元ネタのpostponeもパ行率が高いし、響きが楽しいのだが、高校時代に習ったとき、何度聞いても「ぽすっぽん」と聞こえ、先生が発音するたびに、「すっぽん」が頭に浮かんで、にやけてしまった。
食べるほうのすっぽんではなく、学校のトイレに常備されていたほうのすっぽん。
すっぽんで詰まりが取れて、ぽすっぽん!
勢い良く、今すぐ解決。「延期する」とイメージが合わないので、暗記には邪魔な情報だった。
パコダテ語を読める小説『パコダテ人』
「面白すぎて電車乗り過ごしたけど、今からじゃ映画の公開に間に合わない」と編集者に言われて出版に至らなかった証言形式の小説『パコダテ人』。noteの更新が止まってますが、証言4まで読めます。
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目に留めていただき、ありがとうございます。わたしが物書きでいられるのは、面白がってくださる方々のおかげです。