君は銀座三越のライオンを下アングルから見たことがあるか?〜救急車で運ばれた日
まずは失礼。
写真は銀座三越のライオンじゃなくて、三越本店のライオン。
銀座三越のライオンは、待ち合わせ場所によくなる。みんな知ってる三越のライオン。
でも、下アングルから眺めたことがあるだろうか。
私は、ある。
しかも、救急車に乗るために
担架に載せられた状態で、このライオンの下アゴのあたりを眺めながら運ばれたことがある。
ある夜、銀座のちょっと良い中華を食べに行って、
その時にカニシュウマイが出た。
普通においしいなぁと思って食べて、
コース料理を食べ終わって、
地下鉄に行くとお腹が痛くて脂汗が出る。
お手洗いに行って、
吐くことも下すこともできず、
ただただ息ができなくなっていく。
後からわかったのだが、
気管や内臓が腫れて呼吸困難になっていた。
いやー、私まさか
まさか、こんなことで死ぬの…?と思ったぐらい
急激に調子が悪くなる。
滝のように、油汗をダラダラ流しながら、
トイレの救急用ブザーを鳴らして
駅員さんに救急車を呼んでくれるようにお願いする。
車椅子と折り畳みのタンカが用意され、
エレベーターで地上に。
ガタン、と段差があって
自分が三越のライオンを見上げながら
運ばれていることに気づく。
妙に冷静に、
「この角度から見た人はいないかもしれないな。」
と、思う。
救急車に乗せられ、サイレンを鳴らしながら
幸いなことに、すぐに東銀座の内科に運ばれる。
点滴を受けて、しばらくして落ち着く。
カニが原因とわかる。
以来、カニは食べていない。
キムチに、ほんの少しカニエキスが入っていても
首の喉から胸の皮膚が真っ赤に腫れて
呼吸が苦しくなる。
幸いにして、エビは大丈夫。
もともとカニは
おいしいとは思うけれど、
大好物ではなかったので日常生活に支障をきたす事は無い。
美味しいと命とを天秤にかけたら
当然、命を取ることにした。
人は、簡単に死ぬんだな。
カニシュウマイで死んじゃうかもしれないんだな。
三越のライオンを見るたびに、
あれが最後の景色がじゃなくて、ほんとによかった
と思うのです。
