令和7年度「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」の選定
12月24日、令和7年度「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」の選定結果が、スポーツ庁および経済産業省から発表されました。
この制度は、スタジアムやアリーナを単なる競技施設としてではなく、まちづくりや地域活性化の核となる公共的資産として捉え直す「スタジアム・アリーナ改革」の一環として位置づけられています。
国としては、改革のモデルとなる施設を全国に広げていくことを目指し、2025年度までに20拠点を実現するという目標を掲げてきました。
今回、令和7年度として選定されたのは2施設です。
ひとつは「設計・建設段階」の施設として、愛知県安城市の三河安城交流拠点(アリーナ)。
さらにもうひとつは「運営・管理段階」の施設として、兵庫県神戸市のGLION ARENA KOBELION ARENA KOBE。
【三河安城交流拠点(アリーナ)】
【GLION ARENA KOBELION ARENA KOBE】
いずれの施設も、昨年度までに「構想・計画段階」で選定されていましたが、事業が具体化し、次のフェーズへと進んだことを受けて、段階を改めての選定となりました。
スタジアム・アリーナ整備が、構想にとどまらず、設計、建設、さらには運営へと着実に移行していることを示す動きだと受け止めています。
制度全体を俯瞰すると、昨年度までに「運営・管理段階」または「設計・建設段階」の施設が19施設、「構想・計画段階」の施設が2施設、
計21施設が選定されてきました。
今回の2施設は、すでに選定されていた施設の段階移行であるため、選定施設数自体は増えていませんが、「2025年度までに20拠点」という当初の目標は、すでに達成されています。
スタジアムやアリーナを「造るかどうか」という是非論から一歩進み、どのような都市像を描くのか。どのような日常の風景を生み出すのか。そして、それをどのように使い続けていくのか。
そうした視点が、少しずつではありますが、社会の中に共有されてきたとすれば、とても嬉しく思います。
なお、広島市のエディオンピースウイング広島は、令和6年度に本制度の選定を受けています。
ピースウイングの構想段階から整備、さらに運営に至るまで、当該プロジェクトの構想と意思決定に関わる中で、私はこの制度が「完成した施設」をハードとして評価するだけでなく、スタジアム・アリーナをどのような思想や構想のもとで実現し、使い続けていくのかというプロセスを重視している枠組みであることが重要だと考えるようになりました。
昨年度の表彰式は8月28日に長崎で行われ、私もパネルディスカッションにパネラーとして登壇させていただきました。
当日の様子は、こちらの動画でもご覧いただけます。
【パネルディスカッションのダイジェスト】
【表彰式全体(パネルディスカッションの完全版を含む)】 *パネルディスカッションは、33分44秒〜1時間25分11秒 です。
スタジアム・アリーナをめぐる議論は、今もなお費用や負担の話題に引き寄せられがちです。
しかし本来は、その先にどのような都市の姿を描き、地域にどのような価値をもたらし続けるのかという「構想」こそが問われているはずです。
今回の選定が、各地で進むスタジアム・アリーナ整備を、より成熟した議論へと導く一つの節目になり、さらに発展していくことを期待したいと思います。
*ヘッダーの画像は、令和5年度選定施設の「SAGAアリーナ」です。
*投稿内容は個人(響想舎)の見解であり、その他の現在および過去に所属した組織の公式見解や方針とは一切関係ありません。
