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2024 展覧会BEST5

2024年に訪れた展覧会のうち、印象に残ったものを僭越ながら5つ選出した。今は2026年なので、一昨年のランキングを発表することになり今更感があるがこれは備忘録なので気にしない。


⑤「2124-はじまりの雪-」(札幌国際芸術祭SIAF2024)@未来劇場[東1丁目劇場施設]

特に印象的だったのは青木美歌さんの展示である。雪の結晶のような細菌のような形の小さなガラス作品がテグスで吊るされることで空間に雪が降っているようなインスタレーションがあった(下記写真)。ガラスの脆弱さが雪の儚さと共鳴し、また薄暗い照明や灰色の壁とガラスの透明性や白の輝きがコントラストを生み出していた。

青木美歌さんの作品


④「カナレットとヴェネツィアの輝き」@SOMPO美術館

18世紀、イタリアで活躍しヴェドゥータ(景観画)の巨匠として知られるカナレットを取り上げた日本初の展覧会。ヴェドゥータとは都市の景観を精緻に描写した絵画のことである。カナレットが描いたヴェドゥータは現代の私たちに18世紀ヴェネツィアの美しい風景を鮮明に伝えてくれる。写真のように細密に現実を再現しつつも、そこに暮らす人々の日常や温かみが正確かつ丁寧な筆致から感じられる。目が潤うような美しい風景を存分に摂取できる展覧会であった。


③「発見!雑誌づくり工場(無線とじ編)」@市谷の杜 本と活字館

大日本印刷(DNP)が運営する、活版印刷と本づくりをテーマとしたリアルファクトリー。卓上活版印刷機で印刷体験ができる。展示室では雑誌の製造過程を大解剖し印刷の仕組みを学ぶことができた。エデュケーションツールが充実していたり展示室をまわって解くクイズがあったりなど子供も楽しめる展示であった。ミュージアムショップでは文房具好きにはたまらないグッズが盛りだくさんで大人も一緒に楽しめる。

②「建物公開2024 あかり、ともるとき」@東京都庭園美術館

1933年に建てられた東京都庭園美術館本館の建築の魅力を紹介する年に一度の建物公開展。今回は「照明」に着目した展示が行われた。現代の照明とは異なり、優しく穏やかに空間を照らし出す照明のあたたかさを肌で感じることができた。竣工当時にかなり近い形で現存している室内装飾から、アール・デコの様式美を存分に堪能できる。部屋の隅々まで意匠が凝らされたデザインは見応えがあり、この邸宅で過ごす穏やかな暮らしを想像するのもまたひとつの楽しみ方であった。

①「アブソリュート・チェアーズ」@埼玉県立近代美術館

埼玉県立近代美術館は開館当初から名作椅子を展示してきた。「椅子の美術館」という自負の通り、この展覧会は単に名作椅子を展示するだけに留まらなかった。玉座として身分階層を誇示する椅子、電気椅子として死や罰を連想させる椅子、車椅子として人体を支える椅子、多くの作家のインスピレーションを刺激してきた椅子の多面性を感じられる展示であった。展示されているいくつかの椅子には実際に座ることができ、視覚だけでなく触覚も使って楽しむことができるという椅子の魅力をまさに“体感”できる展覧会であった。

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