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映画『ふつうの子ども』──「ふつう」ってなんでしたっけ?

OTTOで初めてみた映画である『ぼくが生きてる、ふたつの世界』に続いて、呉美穂監督の『ふつうの子ども』を観た。
当時、鑑賞後に監督のトークの中で、
「次に公開を控えている作品がある」と語られていたのがこの映画だった。
「アトロク」での批評でも高評価で語られた作品で、
劇場で観られるのを楽しみにしていた。

■ あらすじ

上田唯士(ゆいし)、10才、小学4年生。両親と三人家族、おなかが空いたらごはんを食べる、いたってふつうの男の子。最近、同じクラスの三宅心愛(ここあ)が気になっている。環境問題に高い意識を持ち、大人にも臆せず声を挙げる彼女に近づこうと頑張るが、心愛はクラスのちょっぴり問題児、橋本陽斗(はると)に惹かれている様子。そんな三人が始めた“環境活動“は、思わぬ方向に転がり出して――。

■ 環境問題の見せ方

子どもが“大人の世界”に抗う物語である以上、
「大人に怒られる」という終着点に向かうのは自然な構成だ。
ただ、テーマが“環境問題”である以上、
単に叱られて終わるわけにはいかない。
そこをどう落とし込むのか、序盤から気になっていた。

最後の場面。
それまで子供たちだけの世界を見ていた観客に、
いろいろな親子関係が映し出される。
共感したり、嫌な気分になったり反応はそれぞれだろう。

この場面で、大人から発せられる「話を進めませんか?」という言葉。
大人たちは「子どもの問題」として処理しようとする。
起こった問題を解決する大人だが、その問題を起こしている問題に
向き合うことはしない。本当の問題は先送られるのだ。

最後まで「どうすべきだったか?」という答えは語られない。
それは親子関係に対してもそうだし、環境問題に対しても。
「そういうもんだよね」という、ある意味で突き放したトーンで終わる。

■ 子どもたちの演技

子どもたちの演技は見事だった。
一番印象的だったのは、オープニングシーケンスの唯士君の表情。
力感がなく飄々として、この映画の印象を作るものだったと思う。

どの子にも自己投影はできなかったが、
唯士くんの行動には少し共感する部分があった。
秘密基地を見つけても入るのに躊躇してしまう。
過去の自分の記憶がふと重なる瞬間があった。

■ 観終わって

観ている最中、気づいたら背筋を伸ばしていた。
子どもたちのまっすぐさ、純粋さに向き合う気持ちになっていた。
この映画は、
「子どもが何をしたか」よりも、
「大人がしてないこと」を描いている。
子どもたちにとってこれが普通ならば
大人にとっての普通は本当に普通でいいのか?
ということを問うているのだろうか。

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