〜トニーアイオミは実はかなり器用なギタリスト!〜ブラック・サバス Live at Last

お蔵入りには惜しすぎる全盛期の記録
オジー・オズボーン、トニー・アイオミ、ギーザー・バトラー、ビル・ワードというオリジナル編成の演奏を収めたライブ盤。音質は決してクリアではありませんが、このザラついた生々しい音が逆にサバスの禍々しさにぴったりな感じがします。
収録されているのは、『Vol. 4』ツアー中の1973年3月11日にマンチェスター、同月16日にロンドンのレインボー・シアターで録音された音源。当初は正式なライブ・アルバムとして発売される予定でしたが、バンドが録音内容に満足できず、企画はお蔵入りとなりました。
ところが1980年、元マネージャーのパトリック・ミーハンが発売を手配し、バンドの承認を得ないままNEMSからリリース。いわくつきの作品ではありますが、全英アルバムチャートでは最高5位を記録しています。内容を聴けば、それも納得。お蔵入りするにはもったいないぐらいのクオリティーですよ。
「Sweet Leaf」では粘っこいリフにギーザーのベースが絡みつき、ビル・ワードのドラムが前のめりに突っ込んできます。「Killing Yourself to Live」は、スタジオ版が収録された『Sabbath Bloody Sabbath』発売前の演奏。完成形とは少し違う初期バージョンを聴けるのも面白いところです。
最大の聴きどころは、約19分に及ぶ「Wicked World」。これが意外なほどジャズロックなんですよ。途中で「Into the Void」や「Supernaut」などのフレーズを挟みながら、アイオミさんがかなりジャジーなギターを弾いています。重たいリフの人という印象が強いだけに、自由に展開していくソロを聴くと、この人の引き出しの多さがよく分かります。ビル・ワードのドラムソロまで含め、もはや一曲というより長尺のセッションですね。
19分にもおよぶ熱演。アイオミさんがジャズロック的なフレーズを弾くのは本当に珍しい。
サバスはハードロックか、メタルか的な論争がたまに見受けられますが、これ聞くと完璧に「メタル」ですな。
