ここにいるだけで。想いのその先に。
こんにちは。
河童の猫、かぱにゃです。
40代になっても、「自分とは何なのか」「何のために生まれて、何をして生きるのか」と、鼻とほっぺの大きさを同じにして赤く染めて考えてみても、その答えは見つかりません。
「僕は何者なんだろう」
中学生くらいの頃から、そんなことを考えては、答えは見つからず、今日まで来ました。
就職して、結婚して、子供が生まれて。
会社員になり、夫になり、父親になり。(…河童の猫になり。)
いろんな立場に置かれるたびに、誰かの人生の一部になっているとは思います。
それでも、「自分がどう生きたいのか」という問いの答えは、意外と見つからないものです。
明確な目標に向かって、「自分の人生を歩いている」という自信を持っている人。
本当にすごいなぁと思います。
20年前、なんとなく戸籍を遡ってみた
そんなふわっふわの僕ですが、20年ほど前、特に明確な理由もなく、なんとなく興味本位で戸籍謄本を遡って取得したことがあります。

すると、ひいひいひいお祖父さんの代まで辿ることができました。
ひいひいひいお祖父さんは、その名も「平左ェ門」さんです。
そして、平左ェ門さんに養子として入ったのが、ひいひいお祖父さんの「辨藏」さん。
辨藏さんの実父は「六郎右ェ門」さんといいます。
苗字が同じなので、おそらく平左ェ門さんと六郎右ェ門さんは兄弟だったのではないかと思います。
こうして名前がわかるだけでも、なんだか不思議な気分になります。
当然会ったこともない、いわば知らない人たちなのに、確実に僕へとつながっているのですから。
教科書の文字の向こうで
平左ェ門さんは、天保4年(1833年)12月生まれ。
ちょうど、天保の大飢饉が始まった頃です。
平左ェ門さんが4歳の時に、大塩平八郎の乱が起こります。
そして、その養子となった辨藏さんは、安政2年1月生まれ。
安政の大地震が起き、前年の日米和親条約に続き、日露和親条約が結ばれた年です。
辨藏さんの息子が「平作」さん。
明治11年8月生まれです。
西南戦争が終結した翌年で、この年には大久保利通が暗殺されています。
さらに時代が進み、平作さんの息子が「仙次」。
僕の祖父です。
仙次じいちゃんは、明治44年10月生まれ。
翌年には明治天皇が崩御され、大正時代が始まります。
その後、ご存じの通り、日本は戦争の時代へ進んでいきます。
1937年の日中戦争開戦時、仙次じいちゃんは26歳。
1945年、戦争が終わったときは33歳でした。
仙次じいちゃん自身は戦地へ赴かず、国内で医療関係の補助的な兵役についていたと聞いたことがあります。
でも、仙次じいちゃんの弟「栄」さんの欄には、このような記載がありました。
「昭和二十年七月十二日ルソン島ニ於テ死亡」
終戦の、わずか1か月前です。
仏壇の横にあった、一枚の写真
祖父の家の仏壇の横には、若い栄さんの写真が飾られていました。
僕は幼い頃、その写真が誰なのか知りませんでした。
制服姿でキリっとした表情の若いお兄さん。
なぜ仏壇の横に、この写真があるんだろう。
ただ、不思議に思っていました。
でも、今なら分かります。
その人は僕の大叔父であり、僕へとつながる歴史の中に確かにいた大切な人です。
飢饉がありました。
地震がありました。
国の大変革がありました。
そして、戦争がありました。
そんな激動の時代を、ご先祖さまたちは生き抜いてきました。
生きることそのものが、今よりずっとずっと大変だった時代です。
それでも命がつながり、仙次じいちゃんの先に、父が生まれ、そして僕が生まれました。
今では僕にも息子がいます。
「僕がここにいる」こと
そう考えると、「僕は何者なんだろう」と悩む前に、しっかりわかっておきたい、大切なことがあります。
僕は、ここにいる。
それだけで、めちゃくちゃすごいことなんだと。
僕たちは、自分で自分の人生を始めたわけではありません。
誰が産んでくれなんて頼んだよ!と、言いたくなる時があるのもわかります。
でも、何人もの人が、いろんな時代を生き抜いた、そのずっと先に僕たちがいます。
だから、自分が何者なのか分からなくて、何のために生きているのか、答えが出なくてもいい。
少なくとも、今ここで生きている。
それだけで、十分に意味があり、尊いです。
あなたがそこにいてくれるだけで、めちゃくちゃ尊いです。
だから、僕も常に「何者探し」をしてしまうのですが、ふわふわな自分を責めたり、悲観するようなことはないようにしていきたいなと思っています。
……とはいえ、ご先祖さまたちに「お前の代で何してんねん」と言われないように、もう少し頑張らなきゃな、という気持ちもあります。
(静岡人なのに、なぜか関西弁のツッコミ 笑)
戸籍を遡ってみると、そんな不思議な力をもらえます。
僕のところまで届いたバトンを、次の世代へ渡していく。
それだけでも、人生って本当にすごいものなのかもしれません。

もし、自分のルーツに少しでも興味が湧けば、一度、戸籍を遡ってみてください。
そこには、教科書には載っていない、あなたへと続く大切な歴史が載っています。
※戸籍謄本は現在、本籍地以外の自治体窓口でも請求できる「広域交付」の制度があります

