見出し画像

「ミミミ」は、みんなで俗悪映画を作るTRPG

大雨の被害に遭われた地域の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

今回は、僕ことマッチ棒の「推しTRPG」のひとつとして、自作TRPG『俗悪映画制作TRPG ミッドナイト・ミミック』について紹介したいと思います。

そして最後に、ちょっとしたお知らせもあります。

「ミミミ」は、みんなで俗悪映画を作るTRPG

『俗悪映画制作TRPG ミッドナイト・ミミック』。通称「ミミミ」。

2019年のゲームマーケット秋で頒布を始めたTRPGです。最初の頒布から、もう7年になります。タイトルに「俗悪映画制作TRPG」とある通り、みんなで映画を作るゲームです。

ただし、作るのは名作映画ではありません。

低予算で、どこかで見たような設定があって、派手な爆発があって、怪物が出てきて、話の辻褄はちょっと怪しい。でも、なぜか最後まで見てしまう。そんな愛すべき俗悪映画を、みんなで一本作ろうというTRPGです。

プレイヤーは売れない俳優を担当し、ゲームマスターは映画監督を担当します。

では、TRPGでどうやって映画を作るのでしょうか。そのために、ミミミにはちょっと変わった前提が二つあります。

大作映画の予告編を見て、先に映画を作ってしまおう

まず一つ目。

僕たちの手元にあるのは、これから公開される大作映画の「予告編」だけです。そして僕たちは、ちょっとダークな映画制作プロダクションに所属しています。

ブラックではありません。

ダークです。

何をする会社かというと、これから公開される大作映画の予告編を見て、その内容をいい感じに真似した映画を即席で作ります。そして、本物の大作映画が封切られるより先に劇場にかけてしまう。大儲けです。

ダークですね。

これが一つ目の前提です。

そしてもう一つ。

映画の撮影が盛り上がってきたところで、脚本家が逃げます。したがって、途中から脚本がありません。

予告編はある。脚本はない。公開日は迫っている。そんな状況で、映画を完成させなければなりません。

「なぜサメが空を飛んでいるのか」をみんなで考える

参加者たちは、大作映画の予告編から設定や展開を拝借しながら、

「予告編にこんな場面があったんだから、本編ではきっとこういうことが起きているはずだ」

と逆算して、映画本編をでっち上げていきます。たとえば、こんな予告編があったとしましょう……

全米騒然!

カリフォルニアの真夏の海岸に巨大な台風が接近!

沖合ではサーファーがサメに襲われる!
そしてハリケーンとともに、奴らが現れた!

巨大台風が海水を巻き上げる。ヒロインがつぶやく。

「……じゃあ、サメも?」

未曾有の脅威がアメリカを絶望の渦に陥れる!

シャーク、かける、トルネード!

飛ぶ! 喰らう! 舞い上がる!

そして最後には主人公がチェーンソーを持って空を飛んでゆく!
超大型タイトル!乞うご期待!!

……なんだこれ。普通なら、そう思います。しかし、そこはわれらがミミミです。

「よし。では、なぜサメが空を飛んでいるのか一緒に考えよう」

ここからゲームが始まります。もちろん、全部をきれいに説明する必要はありません。

「あの予告編のシーン、そういう意味だったのか!」

となることもあれば、

「いや、それ説明になってないよね」

となることもあります。ちなみに監督は、だいたい「イイネイイネ」としか言いません。辻褄を合わせるのも俳優の仕事です。

そうやって、みんなで強引に映画を一本完成させます。

俳優であり、映画スタッフでもある

ミミミのプレイヤーは、映画の登場人物を演じるだけではありません。映画を撮っている側でもあります。だから、

「ここは爆発を入れよう」

とか、

「ここでシャワーシーンを入れたほうがいい」

とか、そんな映画制作側の無責任な判断も含めて遊びます。

当然、撮影現場では事故も起きます。予定通り撮影できない。予算が足りない。せっかく撮ったフィルムがおかしなことになる。それでも映画は完成させなければいけません。なぜなら、公開日は決まっているからです。

つまりミミミは、映画制作というより、

「映画制作という名の遭難事故から生還するゲーム」

に近いかもしれません。

7年前に作ったルールブックを、今読み返してみる

そんなゲームを2019年に作りました。

自分でもかなり気に入っているゲームですし、ありがたいことに、その後も遊んでいただく機会がありました。ただ、2019年に作った本です。

ただ、今読み返すと、いろいろ思うところがあります。ルールの書き方が曖昧だったり。校正が甘かったり。今ならもっと分かりやすく書けると思う部分もあります。

それに、今遊ぶならサンプルキャラクターも欲しい。セッション全体の進行も図で示したい。安全に遊ぶための配慮についても、きちんと書いておきたい。

遊ぶ側も、作る側も、7年あれば変わります。僕自身も、この7年間にいろいろなTRPGを作りました。いろいろなゲームを遊び、いろいろな遊ばれ方も見てきました。

そうすると、当然こんな疑問が湧いてきます。

「今の自分が、もう一度『ミッドナイト・ミミック』を作ったら、どうなるんだろう?」

というわけで、Take2を作りました

そんなわけで、

『俗悪映画制作TRPG ミッドナイト・ミミック Take2』

を作っています。……と言いたいところなのですが、実はもう書き上がっています。ミミミTake2は続編というより、もう一度カメラを回して撮り直した、新しい『ミッドナイト・ミミック』です。

基本となる遊びはそのまま残しました。そのうえで、ルールの説明を全面的に見直しています。

サンプルキャラクター! セッション全体の進行図! 安全配慮についての記述! そういった、実際のセッションを助ける要素も追加しました。

さらに今回は、従来とは違う遊び方も加えています。

今度は「短尺映画」も作れる

2019年と2026年では、映像を取り巻く環境もかなり変わりました。
今では映画だけではなく、ショート動画や短い映像作品を日常的に見るようになっています。

だったら『ミッドナイト・ミミック』でも、長編映画だけではなく、もっと短く。もっと勢いだけで。短尺版の映画本編をでっち上げてもいいだろう。そう考えて、新しい遊び方を追加しました。

映画一本をじっくり作る遊び方だけでなく、もっとコンパクトに「ショート動画からショート動画をでっち上げる」遊び方もできるようになっています。

秋のゲームマーケットで先行頒布します

『俗悪映画制作TRPG ミッドナイト・ミミック Take2』は、正式には冬コミの新刊として頒布する予定でした。
ところが……なんと! もう書き上がってしまいました。

できちゃったものは仕方がない。ということで、秋のゲームマーケットで先行頒布します。

最初の『ミッドナイト・ミミック』を出してから7年。もう一度、くだらない映画を本気で作るTRPGをやりましょう。
予告編だけはある。脚本家はいない。公開日は迫っている。

だったらもう、撮るしかないよね!

『俗悪映画制作TRPG ミッドナイト・ミミック Take2』。

7年ぶりに、カメラが回ります。秋のゲームマーケットでお会いしましょう。

いいなと思ったら応援しよう!