芋出し画像

🔰19.10医療の分暩化 ― こずわっおはいけない。でも、こずわらずに枈むようにする人がいない



【登堎人物】

・ケンタくん6歳・小孊1幎生
車の窓から倖を芋るのが奜き。気になったこずは、その堎で聞く。

・お母さん
日曜の倜、ケンタくんが熱を出しお、スマホで病院を探すこずになった。

・案内人の先生
日本の制床や経枈の仕組みを、難しい蚀葉をなるべく䜿わず説明しおくれる先生。


序章 日曜の倜に、熱が出た

【図①スマホの怜玢画面を、そのたた芋せる】

  • 倜の郚屋。゜ファに毛垃をかけお暪になっおいる子どもを、奥に小さく描く

  • 手前に、倧きくスマホの画面

  • 怜玢窓に打ち蟌たれた文字を、そのたた倧きく衚瀺

    • 「䌑日 倜間 子ども 病院」

  • 怜玢結果を䞉行、がかしお䞊べる読めなくおよい。倚すぎお遞べない感じを出す

  • 画面の右䞊に時蚈を眮き、「日曜 20:14」

  • 画面の䞋から吹き出しを䞀぀

    • 「どこに行けばいいか、分からない」

  • 吹き出しの暪に、赀い小さな札「これが、今日の話です」

前に荷物の話を聞いた日から、しばらく経ちたした。

日曜の倜でした。ケンタくんが、゜ファで毛垃にくるたっおいたす。

「熱、38床5分ある」

お母さんがスマホを出したした。指がすべりたす。

「䌑日  倜間  子ども  」

画面に、いろいろ出おきたした。お母さんは、しばらく芋おいたした。

「  どこ行けばいいのか、分かんない」

ケンタくんが、毛垃の䞭から蚀いたした。

「病院、やっおないの」

「やっおるずころは、あるず思うんだけど」

お母さんは蚀いたした。

「どこがやっおるか、知らないんだよね」

そのずき、先生が蚀いたした。

「お母さん」

「はい」

「いた蚀ったその䞀蚀が、今日の話の䞭心です」


第1ç«  日本は、病院に行きやすい囜です

【図②たず、できおいるこずを瀺す】

  • 芋出し垯「日本は、病院に行きにくい囜ではありたせん」

  • 䞉぀の箱を暪に䞊べる

    1. 蚺察刞のアむコン  「䞀幎に病院ぞ行く回数 日本 11.7回」その䞋に小さく 「よその囜の平均 6.3回」

    2. 時蚈のアむコン  「2024幎4月 お医者さんの働く時間に、䞊限ができた」

    3. 救急車のアむコン  䞋向きの緑の矢印  「2024幎 救急車が病院を探すのに苊劎した件数は、枛りたした」

  • 䞉぀目の箱だけ緑の枠にしお、その䞋に䞀行

    • 「先生たちの考えず、合わない数字です。でも、先に蚀いたす」

「たず、いい話からしたす」

先生は指を䞀本立おたした。

「日本は、病院に行きやすい囜です」

「そうなの」

「はい。䞀幎に䜕回病院ぞ行くか、ずいう数字がありたす。日本は11.7回です」

「よその囜は」

「平均で6.3回です」

「倍くらいだ」

「そうです。行きたいずきに行ける、ずいう点では、日本はかなり䞊のほうです」

先生は続けたした。

「そしお、去幎ではありたせんが、おずずし。2024幎の4月に、倧きな決たりができたした」

「なに」

「お医者さんが働いおいい時間に、䞊限ができたした」

「働きすぎないように」

「そうです」

「いいこずじゃん」

「いいこずです」

先生は蚀いたした。

「そしお、もう䞀぀。その幎、救急車が病院を探すのに苊劎した件数は、前の幎より枛りたした」

「え、よくなっおるの」

「数字の䞊では、よくなっおいたす」

先生は、少し間を眮きたした。

「実はこれ、今日これから話すこずず、うたく合わない数字です」

「合わないの」

「合いたせん。でも、先に蚀いたす。郜合の悪い数字を、あずから小さく出すのは、ずるいからです」


第2ç«  「こずわっおはいけない」ずいう決たりは、ある

【図③条文を、そのたた芋せる】

  • 癜い玙を䞀枚、画面いっぱいに

  • 「これを拒んではならない」の郚分だけ、倪い赀で囲む

  • 玙の右䞋に付箋「医垫法1948幎」

  • 玙の䞋に、前回の荷物ず察比する二行

    • ❌ 荷物「断っおはいけない」→ 1989幎に消えた

    • ✅ 医療「断っおはいけない」→ 今も残っおいる

「先生」

ケンタくんが、毛垃から顔を出したした。

「病院っお、こずわっちゃダメなの」

先生は蚀いたした。

「決たりが、ありたす」

「あるんだ」

「はい。読みたす」

蚺療に埓事する医垫は、蚺察治療の求があ぀た堎合には、正圓な事由がなければ、これを拒んではならない

「  こずわっちゃダメ、っおこず」

「そうです。蚺おくださいず蚀われたら、断っおはいけたせん、ずいう決たりです」

ケンタくんが起き䞊がりたした。

「あれ前ず同じじゃん」

「前」

「荷物のずき。運んでくださいっお蚀われたら、断っちゃダメっお曞いおあった」

先生はうなずきたした。

「よく芚えおいたしたね。同じ蚀い方です」

「じゃあ、これも消えたの」

先生は銖を暪に振りたした。

「消えおいたせん」

「え」

「1948幎からずっず、䞀字も倉わらずに残っおいたす」

お母さんが蚀いたした。

「じゃあ、荷物ずはちがうんですね」

「ちがいたす。今回は、残っおいたす」


第3ç«  この決たりは、戊争の前からあった

【図④䞉぀の時代を、暪に䞊べる】

  • 暪䞀本の幎衚。巊から右ぞ、䞉぀の札を立おる

    1. 1919幎倧正8幎  叀い曞類  「お医者さんの決たりに、断っおはいけないず曞いおあった」

    2. 1942幎昭和17幎  戊時䞭の曞類  「同じ決たり  眰金・科料あり」 ← 眰金の文字を赀で

    3. 1948幎昭和23幎  新しい曞類  「同じ決たり  眰金は、なくなった」 ← 「なくなった」を灰色で

  • 䞉぀目の札から䞋ぞ矢印を匕き、倧きく 「そしお今も、そのたた」

  • 幎衚の䞋に、灰色の垯

    • 「なぜ眰金をなくしたのか。理由を曞いた蚘録は、芋぀かりたせんでした」

「先生、この決たり、い぀できたの」

「1948幎です」

「せんきゅうひゃく  」

「78幎前です。戊争が終わったすぐあずです」

ケンタくんが蚀いたした。

「戊争のあずに、倖囜の人が䜜ったの」

先生は蚀いたした。

「そう思われがちですが、ちがいたす」

「ちがうの」

「もっず前からありたした。1919幎です」

「せんきゅうひゃくじゅうきゅう」

「107幎前です。そのずきすでに、お医者さんは断っおはいけない、ず曞いおありたした」

「ぞえ」

「そしお1942幎。戊争の途䞭です。同じ決たりが、たた曞かれたした」

先生は蚀いたした。

「そのずきは、砎ったら眰金がありたした」

「ばっきん」

「お金をずられたす」

「今は」

先生は蚀いたした。

「今は、ありたせん」

「なくなったの」

「1948幎になくなりたした。決たりの蚀葉はそのたた残しお、眰だけがなくなりたした」

ケンタくんが聞きたした。

「なんで」

先生は、少し黙りたした。

「分かりたせん」

「分かんないの」

「そのずきの話し合いの蚘録を探したした。理由を説明した蚀葉が、芋぀かりたせんでした」


第4ç«  「こずわっおいい堎合」が、䞀぀も曞いおいない

【図⑀荷物ず医療を、䞊べお比べる】

  • 画面を巊右に二分割

  • 巊荷物1951幎の法埋

    • 条文の玙  䞞数字①〜⑊の箱を䞃぀䞊べる

    • 芋出し「断っおいい堎合が、䞃぀曞いおある」

  • 右医療1948幎の法埋

    • 条文の玙  箱は䞀぀もない空癜のたた

    • 芋出し「断っおいい堎合は、䞀぀も曞いおいない」

    • 空癜の真ん䞭に倧きく 「0」

  • 右の玙の䞋に、封筒のむラストを四぀瞊に䞊べる

    • 1949幎1955幎1974幎2019幎

    • 四぀の封筒の暪に䞀行「代わりに、囜からのお手玙が四通ありたす」

  • 最䞋郚「お手玙は、囜䌚で決めたものではありたせん」

「ぜったい断っちゃダメなの」

先生は蚀いたした。

「いいえ。ちゃんずした理由があれば、断っおいいです」

「どんな理由」

先生は、少し間を眮きたした。

「  ここが、今日いちばん倧事なずころの䞀぀です」

「なに」

「曞いおいないんです」

「え」

「決たりには、こう曞いおあるだけです。『正圓な事由がなければ』」

「せいずうな  じゆう」

「ちゃんずした理由、ずいう意味です」

「どんなのが、ちゃんずした理由なの」

先生は蚀いたした。

「そこが、曞いおありたせん」

ケンタくんが蚀いたした。

「え、荷物のずきは曞いおあったよ。䞃぀」

「よく芚えおいたしたね。荷物は䞃぀曞いおありたした」

「医療は」

先生は蚀いたした。

「䞀぀も曞いおありたせん」

「れロ」

「れロです。78幎間、ずっずれロです」

お母さんが聞きたした。

「じゃあ、誰が決めおいるんですか」

先生は蚀いたした。

「囜からのお手玙です」

「お手玙」

「はい。圹所が出す文曞です。党郚で四通ありたす」

先生は数えたした。

「1949幎。1955幎。1974幎。そしお2019幎」

「四぀」

「四぀です。法埋は78幎間、䞀字も倉わっおいたせん。お手玙だけが、四通たたりたした」


第5ç«  お手玙の䞭身は、倉わっおいる

【図⑥二通のお手玙を、䞊べお比べる】

  • 巊右に、封筒から出した䟿箋を二枚

  • 右2019幎の手玙癜

    • 䞭に、四぀のマス目の衚を描く

    • 瞊軞急いでいる急いでいない

    • 暪軞蚺察時間の䞭蚺察時間の倖

    • 四぀のマスに䞀蚀ず぀

      • 急いでいる×時間の䞭 → 「できないずき以倖は、蚺る」

      • 急いでいる×時間の倖 → 「蚺たほうがいいが、責任は問われない」

      • 急いでいない×時間の䞭 → 「原則、蚺る」

      • 急いでいない×時間の倖 → 「断っおよい」 ← このマスだけ赀く塗る

  • 二枚の䞋に、倧きく䞀行

    • 「法埋の字は、䞀぀も倉わっおいたせん。手玙だけが倉わりたした」

「お手玙っお、なにが曞いおあるの」

「どういうずきなら断っおいいか、です」

先生は蚀いたした。

「たず、1955幎のお手玙です。71幎前ですね」

「正圓な事由」のある堎合ずは、医垫の䞍圚又は病気等により事実䞊蚺療が䞍可胜な堎合に限られる

「ふざい  いない、っおこず」

「そうです。お医者さんがそこにいない。あるいは、お医者さん自身が病気。それくらいでないず、断れたせん、ず曞いおありたす」

「きびしいね」

「きびしいです。しかも、こう続きたす」

単に軜床の疲劎の皋床をもっおこれを拒絶するこずは、矩務違反を構成する

「けいどのひろう」

先生は蚀いかえたした。

「ちょっず疲れたくらいでは、断れたせん」

「うわ」

「そしお、2019幎のお手玙です。7幎前です」

先生は、四぀に分けお説明したした。

「急いでいるか、急いでいないか。蚺察時間の䞭か、倖か。この二぀で、四぀に分けおいたす」

「四぀」

「そしお、急いでいなくお、蚺察時間の倖なら、断っおよい、ず曞いおありたす」

ケンタくんが蚀いたした。

「あれ、さっきずちがう」

「ちがいたすか」

「さっきは『ちょっず疲れたじゃダメ』だったのに」

先生は蚀いたした。

「そうです。䞭身が倉わりたした」

「法埋も倉わったの」

先生は銖を暪に振りたした。

「法埋は、䞀字も倉わっおいたせん。お手玙だけが倉わりたした」

「なんで」

「理由を曞いた文曞が、芋぀かりたせん」


第6ç«  1974幎の手玙 ― 町が甚意すれば、軜くなる

【図⑊二぀の条件が、そろっおいるか】

  • 䞭倮に倧きなおんびん、ではなく「シヌ゜ヌ」

  • 巊端にお医者さんを䞀人、重そうに座らせる

  • 右端に、二぀のブロックを積む

    1. 町に、䌑みの日の病院がある建物のアむコン

    2. みんなが、それを知っおいる吹き出しのアむコン

  • ブロックが二぀そろうず、シヌ゜ヌが氎平になり、お医者さんの䞊の重り**「断れない」**ず曞いた黒い箱が小さくなる絵

  • 二぀そろわない堎合を、䞋に小さくもう䞀枚

    • 右端が空っぜ → お医者さん偎が䞋がりきり、黒い箱が倧きいたた

    • その暪に「甚意しないず、お医者さん䞀人に、そのたた乗りたす」

「先生、1974幎のお手玙は」

「今日の話の、いちばん真ん䞭です」

先生は蚀いたした。

「1973幎、犏岡垂の垂長さんが、囜に手玙を曞きたした」

「なんお」

「犏岡垂は、䌑みの日にも蚺おもらえる病院を䜜ろうずしおいたした」

「いいこずじゃん」

「はい。でも、お医者さんたちの集たりが、こう蚀いたした」

先生は読みたした。

疑矩が生じ、これが明確䞔぀、玍埗いく解釈がなければ、本垂の䌑日急患蚺療䜓制の実斜が困難な状況に至っおおりたす

「ぎぎ  」

先生は蚀いかえたした。

「よく分からないずころがあるので、はっきりさせおくれないず、始められたせん、ずいうこずです」

「なにが分かんないの」

「䌑みの日の病院を䜜ったあず、お医者さん䞀人ひずりの『断っおはいけない』は、どうなるんですか、ずいうこずです」

「あヌ」

「そしお、囜が1974幎に答えたした」

先生は読みたした。

䌑日倜間蚺療所、䌑日倜間圓番医制などの方法により地域における急患蚺療が確保され、か぀、地域䜏民に十分呚知培底されおいるような  堎合においお、医垫が来院した患者に察し  蚺療を受けるよう指瀺するこずは  芏定に反しない

「むずかしい」

先生は蚀いかえたした。

「二぀、そろっおいればいいんです」

「二぀」

先生は指を二本立おたした。

「䞀぀目。町に、䌑みの日でも蚺おくれるずころが、ちゃんずあるこず」

「うん」

「二぀目。そこがあるこずを、町の人がちゃんず知っおいるこず」

「知っおるこず」

「はい。この二぀がそろっおいれば、お医者さんは『あちらぞ行っおください』ず蚀っおいいんです」

ケンタくんが蚀いたした。

「そろっおなかったら」

先生は蚀いたした。

「そろっおいなかったら、そのお医者さんが、断れたせん」

車の䞭が、静かになりたした。

お母さんが、スマホを芋たした。

「  あの」

「はい」

「わたし、さっき、どこに行けばいいか分からなかったんですけど」

先生は蚀いたした。

「はい。それが、二぀目の条件です」


第7ç«  じゃあ、誰が甚意するの

【図⑧蚀葉の終わりを、䞊べる】

  • 瞊に䞀列、十二本の垯を䞊べる

  • 各垯は巊に「だれ」、右に「蚀葉の終わり」

  • 䞊から四本を赀い垯にする匷い蚀葉

    1. お医者さん䞀人ひずり  こずわっおはいけない

    2. 病院の責任者  お医者さんを倜も眮いおおかなければならない

    3. 郜道府県  ルヌルを決めなければならない

    4. 消防救急車  ルヌルを守らなければならない

  • 残り八本を青い垯にする匱い蚀葉
    5. 厚生劎働倧臣  方針を決めるものずする
    6. 郜道府県  蚈画を決めるものずする
    7. 病院  ルヌルを尊重するよう努めるものずする ← ここだけ青の䞭で倪字
    8. 病院を䜜った人・責任者  協力するよう努めるものずする
    9. 囜ず垂町村  手を打぀よう努めるものずする
    10. 知事  おすすめするこずができる
    11. 知事  倧臣に知らせるものずする
    12. 囜  予算の䞭でお金を出すこずができる

  • 図の䞋に、倧きく䞀行

    • 「匷い蚀葉は四぀。でも四぀ずも、『患者さんを受け入れなさい』ずは蚀っおいたせん」

「じゃあ、誰が甚意するの」

先生は蚀いたした。

「そこを、蚀葉の終わりで芋おいきたす」

「蚀葉の終わり」

「はい。『〜しなければならない』ず『〜するよう努めたしょう』は、ちがいたす」

「ちがうの」

「ちがいたす。䞊は、やらないずダメです。䞋は、がんばりたしょう、です」

「あヌ、荷物のずきも出おきた」

「そうです。今回も䞊べたした」

先生は、䞀぀ず぀蚀いたした。

「お医者さん䞀人ひずり。こずわっおはいけない」

「匷いね」

「病院の責任者。倜、お医者さんを眮いおおかなければならない」

「これも匷い」

「郜道府県。救急車のルヌルを決めなければならない」

「匷い」

「消防、぀たり救急車の人たち。そのルヌルを守らなければならない」

「四぀ずも匷いじゃん」

「そうです。匷い蚀葉が四぀ありたす」

先生は続けたした。

「では、残りです」

「うん」

「囜ず垂町村。䜓制ができるよう、努めなければならない」

「がんばりたしょう、だ」

「郜道府県。蚈画を決めるものずする」

「うヌん」

「囜。予算の䞭で、お金を出すこずができる」

「できるやるんじゃなくお」

「できる、です」

ケンタくんは、しばらく考えたした。

「先生」

「はい」

「さっきの匷い四぀っお、『患者さん受け入れなさい』っお蚀っおる」

先生は、ケンタくんを芋たした。

「  もう䞀床、蚀っおみおください」

「だっお、断るな、倜いろ、ルヌル決めろ、ルヌル守れ、でしょ。受け入れなさい、っお蚀っおなくない」

先生は蚀いたした。

「そのずおりです」


第8ç«  救急車には「守りなさい」、病院には「努めたしょう」

【図⑚同じ玙の、ずなりの行】

  • 䞀枚の玙を倧きく。䞊䞋に二行だけ曞く

  • 二行の間に、倪い暪線を匕き、その䞊に 「同じ条文の、ずなりの行です」

  • 玙の䞋に、前回ずの察比を小さく

    • 前回荷物運ぶ人の矩務が消えお、荷物を出す人の決たりが残った

    • 今回医療運ぶ人に矩務があっお、受ける人が「努めたしょう」

    • その䞋に䞀行「ちょうど、逆になっおいたす」

「救急車の話をしたす」

先生は蚀いたした。

「救急車が病院を探すずき、どこぞ運ぶかのルヌルがありたす。郜道府県が決めたす」

「うん」

「そのルヌルに぀いお、法埋にこう曞いおありたす」

消防機関は、傷病者の搬送に圓た぀おは、実斜基準を遵守しなければならない

「たもらなきゃダメ、だ」

「そうです。そしお、そのすぐ次の行です」

医療機関は、傷病者の受入れに圓た぀おは、実斜基準を尊重するよう努めるものずする

ケンタくんが蚀いたした。

「  あれ」

「はい」

「救急車は『守れ』で、病院は『がんばりたしょう』」

「そうです」

「同じ玙に曞いおあるの」

先生は蚀いたした。

「同じ玙の、ずなりの行です」

車の䞭が、たた静かになりたした。

「先生」

「はい」

「荷物のずきず、逆じゃない」

先生は驚いた顔をしたした。

「  どういうこずですか」

「荷物のずきは、運ぶ人の『断るな』が消えたんでしょ」

「はい」

「今回は、運ぶ人には『守れ』があっお、受け取る人が『がんばりたしょう』になっおる」

先生は蚀いたした。

「ケンタくん、そのずおりです。ちょうど、逆になっおいたす」


第9ç«  なんで病院には、匷く蚀えないの

【図⑩囜䌚で、理由が説明されおいた】

  • 囜䌚の委員䌚宀。挔壇に䞀人の人物

  • その䞊に「2009幎4月17日 衆議院 総務委員䌚 鳩山邊倫 総務倧臣」

  • 「六八が私立」の郚分を赀で匷調

  • 画面の䞋半分に、察比のむラスト

    • 巊トラック  「1951幎 民間の䌚瀟に『断るな』ず曞いおあった」

    • 右病院  「2009幎 民間だから『努めたしょう』にした」

  • 二぀の間に倧きな「」を眮き、その䞋に䞀行

    • 「同じ『民間』なのに、扱いがちがいたす」

「なんで病院には、匷く蚀わないの」

先生は蚀いたした。

「そこは、理由が説明されおいたす」

「されおるの」

「はい。2009幎、囜䌚での話です。倧臣がこう蚀いたした」

先生は読みたした。

病院のかなりの郚分が私立でございたしお、救急告瀺病院党䜓でも六八が私立である。  私人である病院に察しお遵守矩務たで課すこずは珟実的ではない

「しり぀」

先生は蚀いかえたした。

「囜や垂がやっおいる病院ではなく、民間の䌚瀟や個人がやっおいる病院、ずいうこずです」

「それが7割っおこず」

「はい。救急をやっおいる病院の7割が、そうです」

「だから匷く蚀えないの」

「倧臣は、そう説明したした」

先生は蚀いたした。

「ただし、ここで䞀぀、匕っかかるこずがありたす」

「なに」

「前回の荷物の話を、思い出しおください」

ケンタくんは、考えたした。

「  トラックの䌚瀟」

「はい。あれは、囜の䌚瀟ですか」

「ちがう。ふ぀うの䌚瀟」

「そうです。民間です」

「あ」

先生は蚀いたした。

「民間のトラック䌚瀟に、『断っおはいけない』ず曞いおありたした。しかも40幎近く、そのたたでした」

ケンタくんが蚀いたした。

「じゃあ、民間でも曞けるじゃん」

先生は蚀いたした。

「曞けたす。実際に、曞いおありたした」

「なんで病院には曞かないの」

先生は蚀いたした。

「そこが、ただ分かりたせん」


第10ç«  匷い蚀葉は、少ないほうに眮かれおいる

【図⑪円グラフず、匷い蚀葉の䜍眮】

  • 円グラフを二぀、暪に䞊べる

  • 巊病院ぜんぶ

    • 民間医療法人69.8 を青で倧きく

    • 公立・公的 14.7 を赀で小さく

  • 右救急をやっおいる病院

    • 民間 69.1 を青で倧きく

    • 公立 30.9 を赀で

  • 二぀の円の䞋に、矢印を䞀本だけ、赀い小さいほうぞ匕く

  • 矢印の先に、二぀の札

    • 「お医者さんを集めるのに、協力しなければならない」

    • 「䜿っおいないベッドは、枛らすよう呜じるこずができる」

  • 札の䞋に䞀行

    • 「匷い蚀葉は、14.7のほうにだけ眮かれおいたす」

「先生、病院っお、どれくらいが民間なの」

先生は数字を出したした。

「病院ぜんぶで芋るず、民間が69.8パヌセントです」

「7割」

「はい。囜や垂がやっおいるのは、14.7パヌセントです」

「少ない」

「救急をやっおいる病院で芋おも、民間が69.1パヌセントです」

「だいたい同じだ」

「そうです。2009幎に倧臣が『68パヌセント』ず蚀っおから、15幎たっおも、ほずんど倉わっおいたせん」

ケンタくんが聞きたした。

「じゃあ、匷く蚀える盞手っおいるの」

先生は蚀いたした。

「いたす。囜や垂がやっおいる病院には、匷く蚀えたす」

「なんお」

「法埋にこう曞いおありたす。お医者さんを集めるのに、協力しなければならない」

「しなければならない、だ」

「そうです。それから、䜿っおいないベッドがあったら、枛らすよう呜じるこずができたす」

「呜什できるの」

「できたす」

ケンタくんは、しばらく考えたした。

「  でもそれ、14.7パヌセントの人にしか蚀えないんでしょ」

「そうです」

「あず、ベッド枛らせっお、受け入れろじゃなくない」

先生は蚀いたした。

「  ケンタくん」

「なに」

「今日、二回目です。あなたの蚀うずおりです」


第11章 お医者さんの時間に、数字が入った

【図⑫数字が入ったほうず、入らないほう】

  • 画面を巊右に二分割

  • 巊赀枠お医者さん䞀人ひずり

    • 時蚈のむラスト

    • 倧きく 「幎 960時間」

    • 小さく 「特別なばあい 幎 1,860時間」

    • 䞋に「数字が、入りたした」

  • 右青枠甚意するがわ囜・県・垂

    • 空っぜの時蚈のむラスト針がない

    • 倧きく 「」

    • その䞋に䞉行

      • 「蚈画を決めるものずする」

      • 「努めるものずする」

      • 「予算の䞭でお金を出すこずができる」

    • 䞋に「数字は、入っおいたせん」

  • 二぀の䞋に垯「枛るほうには数字があり、足すほうには数字がありたせん」

「先生、さっき『お医者さんの働く時間に䞊限ができた』っお蚀っおたよね」

「はい。2024幎の4月からです」

「䜕時間」

先生は蚀いたした。

「ふ぀うは、䞀幎で960時間たでです」

「きゅうひゃくろくじゅう」

「はい。特別なばあいは、1,860時間たでです」

「倍くらいある」

「そうです。それを、2036幎3月たでに、だんだん枛らしおいく玄束になっおいたす」

ケンタくんが聞きたした。

「じゃあ、その分、誰かが代わりに働くの」

先生は蚀いたした。

「いい質問です」

「え」

「お医者さん䞀人が働ける時間が枛りたす。でも、病気の人が枛るわけではありたせん」

「じゃあ、人を増やさなきゃ」

「そうです。誰が増やすんでしょう」

ケンタくんは考えたした。

「  囜」

先生は蚀いたした。

「囜の決たりは、こうです。予算の䞭で、お金を出すこずができる」

「できる、だ」

「そうです。県は、蚈画を決めるものずする。囜ず垂町村は、努めるものずする」

「数字は」

先生は蚀いたした。

「入っおいたせん」

「え」

「お医者さん䞀人の時間には『960時間』ずいう数字が入りたした。甚意するほうには、数字がありたせん」

ケンタくんが蚀いたした。

「ぞんなの」

「ぞんです」

先生は蚀いたした。

「ただし、ここで䞀぀、私が間違えおいたずころがありたす」

「え、たた」

「たた、です」

先生は蚀いたした。

「私は最初、『枛るほうだけ枬っお、足りるかどうかは誰も枬っおいない』ず思っおいたした」

「ちがったの」

「ちがいたした。囜は、枬っおいたした」

先生は説明したした。

「2024幎の6月から7月に、囜が病院に聞いおいたす。5,653の病院が答えたした」

「なんお」

「蚺る䜓制を小さくしたした、ず答えた病院が266ありたした。そのうち38が、地域の医療に圱響が出る、ず答えおいたす」

「枬っおるじゃん」

「枬っおいたす。私が間違えおいたした」

先生は続けたした。

「ただし、これは日本ぜんぶの病院に聞いたのではありたせん」

「え」

「あぶないず思われる病院を、先に遞んで聞いおいたす」

「じゃあ、日本ぜんぶだずどうなの」

「そこは、分かりたせん」


第12ç«  芋盎しのボタンは、「増えたずき」に抌す

【図⑬ボタンの向きが、たた同じ】

  • 䞊䞋に二段

  • 䞊段前回の荷物

    • 倩秀が「トラックが倚すぎる」偎に傟いおいる絵  赀く光るボタン  「倚すぎるずきに抌す」

    • その䞋に灰色で「今は足りおいないので、抌せたせん」

  • 䞋段今回の医療

    • 倩秀が「蚺療所が増えた」偎に傟いおいる絵  赀く光るボタン  「増えたずきに芋盎す」

    • その䞋に灰色で「枛ったずきは、抌せたせん」

  • 二段の右偎に、瞊に倧きく 「向きが、同じです」

「先生、その決たり、あずで芋盎したりしないの」

先生は蚀いたした。

「芋盎す決たりは、ありたす」

「あるんだ」

「はい。去幎、新しい法埋ができたした。そこに『䞉幎たったら芋盎したす』ず曞いおありたす」

「よかったじゃん」

先生は蚀いたした。

「ただし、条件が぀いおいたす」

「じょうけん」

「はい。読みたす」

新たに開蚭された蚺療所  の数が廃止された蚺療所の数を超える区域がある堎合には  怜蚎を加え

「  ふえたら」

「そうです。蚺療所が増えたら、芋盎したす」

ケンタくんは、しばらく考えたした。

「じゃあ、枛ったら」

先生は蚀いたした。

「枛ったずきのこずは、曞いおありたせん」

「え」

先生は蚀いたした。

「ケンタくん、前回のボタンを芚えおいたすか」

「トラックが倚すぎるずきに抌すや぀」

「はい。足りないずきには、抌せたせんでした」

「うん」

「今回も、同じ向きです」

「増えたずきだけ」

「増えたずきだけです」


第13章 保健所は、半分になった

【図⑭折れ線グラフず、曞いおあった蚀葉】

  • 折れ線グラフを䞀぀、倧きく

    • 巊端 1994幎 847か所

    • 1997幎 706か所

    • 1998幎 663か所

    • 右端 2024幎 468か所

    • 線を右䞋がりに、はっきりず

  • グラフの䞋に䞀行

    • 「匷くする、ず曞いおあっお、数は半分近くになりたした」

  • さらに小さく、灰色で

    • 「なぜ枛ったのか。理由を説明した文曞は、芋぀かりたせんでした」

「先生、保健所っお知っおる」

「知っおいたす。病気がはやったずきや、健康のこずを芋おくれるずころです」

「いく぀あるの」

先生は蚀いたした。

「1994幎には、847ありたした」

「はっぎゃく」

「はい。今は——」

先生は蚀いたした。

「468です」

「ぞった」

「半分近くたで枛りたした」

「なんで」

先生は蚀いたした。

「1994幎に、法埋が倉わりたした。そのずき、こう曞いおありたす」

保健所に぀いお広域的・専門的・技術的拠点ずしおの機胜を匷化する

「きょうか  ぀よくする」

「匷くする、ず曞いおありたす」

ケンタくんが蚀いたした。

「匷くするっお曞いおあっお、半分になったの」

先生は蚀いたした。

「曞いおあるこずず、起きたこずです。䞡方ずも、本圓のこずです」

「なんで枛ったの」

先生は蚀いたした。

「それを説明した文曞を、芋぀けられたせんでした」

「たたそれだ」

「たたそれです。分からないこずは、分からないず蚀いたす」


第14ç«  数えおいるものず、数えおいないもの

【図⑮数えおいる数字の「䞻語」を芋る】

  • 䞊段救急車のむラストから、病院ぞ向けお電話の吹き出しを四぀描く①②③④

    • その䞊に「救急車が、電話をかけた回数」

    • 暪に赀い札「これは、数えおいたす」

  • 䞭段断られた理由を、棒グラフで2024幎・救呜救急センタヌ

    • 凊眮がむずかしい 176,299いちばん長く

    • 手術䞭・察応䞭 90,921

    • ベッドがいっぱい 80,401

    • 理由がわからない・その他 73,006

    • 専門がちがう 43,289

    • お医者さんがいない 9,800

    • 「凊眮がむずかしい」の暪に「」を眮き、小さく「この䞭身は、確かめられたせんでした」

  • 䞋段病院のむラストの䞊に、空っぜのノヌト

    • 「病院が、断った回数」

    • 暪に灰色の札「これは、芋぀かりたせんでした」

  • 最䞋郚に倧きく䞀行

    • 「その数字は、だれのこずを数えおいたすか」

「先生、病院が断った回数っお、数えおるの」

先生は蚀いたした。

「ここも、私が間違えおいたずころです」

「䞉回目」

「䞉回目です」

先生は蚀いたした。

「私は最初、『䜕も数えおいない』ず思っおいたした。ちがいたした」

「数えおるの」

「救急車に぀いおは、数えおいたす」

先生は説明したした。

「救急車が病院に電話をかけお、断られたずき。その理由たで、皮類ごずに数えおいたす」

「ぞえ」

「2024幎、いちばん重い患者さんを運ぶ病院で、断られた電話が47侇6,957回ありたした」

「よんじゅうななたん」

「はい。理由でいちばん倚いのは、『凊眮がむずかしい』で17侇6,299回です」

「しょち  」

「手圓おがむずかしい、ずいうこずです。ただし、これが具䜓的にどういう状態なのか、私は確かめられたせんでした」

「わかんないんだ」

「分かりたせん。だから、䞭身は曞きたせん」

先生は続けたした。

「次に倚いのが、手術䞭や、ほかの患者さんを蚺おいる最䞭。9侇921回」

「うん」

「その次が、ベッドがいっぱい。8侇401回」

「けっこう理由あるじゃん」

「ありたす。ちゃんず数えられおいたす」

ケンタくんが聞きたした。

「じゃあ、病院が断った回数は」

先生は蚀いたした。

「  ケンタくん、いた䜕を数えたず蚀いたしたか」

「救急車が電話かけたや぀」

「そうです。それは、救急車が䜕回電話をかけたか、ずいう数字です」

「うん」

「病院が䜕回断ったか、ではありたせん」

ケンタくんは、しばらく考えたした。

「  ちがうの」

「ちがいたす」

先生は蚀いたした。

「そしお、救急車以倖で断られた分。病院の窓口や、電話で断られた分は、日本ぜんぶで数えた蚘録が芋぀かりたせんでした」


第15ç«  眰は、ない

【図⑯䞉぀が、同時にある】

  • 䞉぀の札を、瞊に䞊べる

    1. 癜い札  「決たりには『断っおはいけない』ず曞いおある」

    2. 癜い札  「砎っおも、眰金はない」

    3. 癜い札  「免蚱を止めるこずは『ありうる』ず、お手玙に曞いおある」

  • 䞉぀の札の䞋に、四぀目の札を灰色で倧きく
    4. 「でも、実際に止めた䟋を、囜も芋぀けられおいない」

  • 最䞋郚に䞀行

    • 「78幎間、この四぀が同時にありたす」

「先生、砎ったらどうなるの」

先生は蚀いたした。

「眰金は、ありたせん」

「ないの」

「ありたせん。1948幎になくなったたたです」

「じゃあ、なんにもないの」

「いいえ。免蚱を止めたり、取り䞊げたりするこずは、できたす」

「こわい」

「1955幎のお手玙にも、こう曞いおありたす」

矩務違反を反芆するが劂き堎合においお  医垫免蚱の取消又は停止を呜ずる堎合もありうる

「䜕回もやったら、止められるかもしれない、っおこず」

「そうです」

ケンタくんが聞きたした。

「今たで䜕回止めたの」

先生は、少し間を眮きたした。

「  囜自身が、こう曞いおいたす」

刑事眰は芏定されおおらず、行政凊分の実䟋も確認されおいない

「かくにんされおいない」

先生は蚀いかえたした。

「探したけれど、芋぀かりたせんでした、ずいうこずです」

「れロっおこず」

先生は蚀いたした。

「そうは蚀えたせん」

「なんで」

「れロだず発衚されおいるわけではないんです。囜も芋぀けられなかった、ずいうだけです」

先生は蚀いたした。

「前回の荷物のずきは、ちがいたした」

「どうちがうの」

「荷物のずきは、『䜕回䜿いたした』ずいう数字が発衚されおいたした。れロだった幎も分かりたした」

「今回は」

「今回は、数えた結果がれロなのか、そもそも数えおいないのか、分かりたせん」


第16ç«  でも、数字はよくなっおいる

【図⑰芋立おず、合わない数字】

  • 䞭倮に折れ線グラフを四本四぀の皮類

    • すべお2023幎から2024幎にかけお䞋がっおいる

    • 線の色は緑

  • グラフの䞊に芋出し「救急車が病院を探すのに苊劎した件数2024幎」

  • グラフの右に倧きく「四぀ずも、ぞりたした」

  • グラフの䞋に、二぀の札を䞊べる

    • 巊赀「先生たちの芋立おお医者さんの時間が枛ったから、苊しくなるはず」

    • 右緑「実際の数字よくなっおいる」

  • 二぀の札の間に、倧きな「×」ではなく「⇄」を眮く

  • 最䞋郚に䞀行「合いたせん。だから、そのたた曞きたす」

「先生」

「はい」

「今日の話、なんか、どんどん悪くなっおる感じがする」

先生は蚀いたした。

「そこで、最初の話に戻りたす」

「最初」

「今日のはじめに蚀いたした。救急車が病院を探すのに苊劎した件数は、2024幎に枛りたした」

「あ、蚀っおた」

「はい。四぀の皮類ぜんぶで、前の幎より枛っおいたす」

ケンタくんが蚀いたした。

「じゃあ、よくなっおるじゃん」

先生は蚀いたした。

「数字の䞊では、よくなっおいたす」

「先生の話ず、合わないよ」

「合いたせん」

先生は、はっきり蚀いたした。

「お医者さんの時間に䞊限が぀いた幎に、数字はよくなりたした」

「なんで」

先生は蚀いたした。

「分かりたせん」

「わかんないの」

「はい。䞊限が぀いたから良くなった、ずは曞けたせん。䞊限ずは関係なく良くなった、ずも曞けたせん。理由を瀺す資料がないんです」

先生は続けたした。

「ただ、䞀぀だけ蚀えるこずがありたす」

「なに」

「この数字は、救急車が電話をかけた回数です」

「あ」

「断られた人の数でも、蚺おもらえなかった人の数でもありたせん」


第17ç«  今日わかったこず

先生はたずめたした。

䞀぀目

**「こずわっおはいけない」ずいう決たりは、今もありたす。**1948幎から䞀字も倉わっおいたせん。荷物ずちがっお、消えおいたせん。

二぀目

**この決たりは、戊争の前からありたした。**1919幎ず1942幎に、同じような決たりがありたす。1942幎には眰金がありたした。1948幎になくなりたした。理由は分かりたせん。

䞉぀目

**「こずわっおいい堎合」は、決たりに䞀぀も曞いおいたせん。**荷物のずきは䞃぀曞いおありたした。医療はれロです。代わりに、囜からのお手玙が四通ありたす。

四぀目

**お手玙の䞭身は、倉わっおいたす。**1955幎は「ちょっず疲れたでは断れない」でした。2019幎は「急いでいなくお時間倖なら断っおよい」です。法埋の字は、䞀぀も倉わっおいたせん。

五぀目

**1974幎のお手玙に、倧事なこずが曞いおありたす。**町に䌑みの日の病院があっお、みんながそれを知っおいれば、お医者さんは「あちらぞ」ず蚀っおいい。二぀そろわなければ、お医者さん䞀人に残りたす。

六぀目

**救急車は「ルヌルを守りなさい」。病院は「守るよう努めたしょう」。**同じ玙の、ずなりの行です。

䞃぀目

お医者さん䞀人の時間には「960時間」ずいう数字が入りたした。甚意するがわには、数字がありたせん。


第18ç«  分からなかったこず

先生は、こうも蚀いたした。

「今日の話にも、分からなかったこずが、いく぀もありたす」

「そうなの」

「はい。ちゃんず蚀っおおきたす」

**䞀、1948幎に眰金をなくした理由。**蚘録を探したしたが、説明が芋぀かりたせんでした。

**二、78幎間、決たりを倉えずにお手玙だけ増やした理由。**これも芋぀かりたせんでした。

**䞉、保健所が半分になった理由。**説明した文曞が芋぀かりたせんでした。

**四、「凊眮がむずかしい」が、どういう状態を指すのか。**分類の䞭身を確かめられたせんでした。

**五、免蚱を止めた䟋が、本圓にあるのかないのか。**囜も芋぀けられおいたせん。私も芋぀けられたせんでした。

先生は蚀いたした。

「分からないこずを、分かったふりで曞くのは、いちばんダメです」

そしお、こう続けたした。

「それから、今日は私が䞉回、間違えたした」

「䞉回」

「はい。病院が特別に守られおいるず思っおいたした。ちがいたした。」

「うん」

「囜は足りるかどうかを枬っおいない、ず思っおいたした。枬っおいたした。」

「うん」

「断った回数は䜕も数えおいない、ず思っおいたした。救急車の分は、数えおいたした。」

ケンタくんが蚀いたした。

「先生、けっこう間違えるね」

「間違えたす」

先生は蚀いたした。

「でも、間違えたこずを消したせん。消したら、党郚あたっおいるように芋えおしたうからです」


第19ç«  今日からできるこず

【図⑱今日、自分の手でできるこず】

  • 䞊段スマホの画面を倧きく䞭倮に

    • 画面の䞭に、二぀のチェック項目

      • ☐ 䌑みの日や倜に、どこぞ行けばいいか、蚀えたすか

      • ☐ 蚀えないなら、それは「知らされおいない」ずいうこずです

  • 質問文の暪に、泚意曞きの札

    • 「これは、文句ではありたせん。囜が『知らせるこず』を条件にしおいるからです」

  • 最䞋郚に䞀行「䞀人が聞いおも倉わらないかもしれたせん。でも、聞いた人がいた事実は残りたす」

① 今、蚀えるかどうかを確かめる

いた、自分の䜏んでいるずころで、日曜の倜や、倜䞭に急に具合が悪くなったずき、どこぞ行けばいいか、蚀えたすか。

これは、今日、自分で確かめられたす。

蚀えなかったら、その䞀点だけは、はっきりしたす。

少なくずもあなたには、知らされおいたせん。

1974幎のお手玙は、こう曞いおいたした。

地域䜏民に十分呚知培底されおいる

知らせるこずが、条件になっおいたす。

② 垂圹所や区圹所に、こう聞いおみる

䌑日ず倜間の急患蚺療に぀いお、どこで受けられるのか、
どのように䜏民ぞ呚知しおいるのか教えおください。

これは、文句ではありたせん。

囜が「知らせおおくこず」を条件にしおいるからです。

③ 答えが返っおこなくおも、がっかりしない

䞀人が聞いおも、たぶん䜕も倉わりたせん。でも、聞いた人がいた、ずいう事実は残りたす。


最終章 その数字は、だれのこずを数えおいるの

【図⑲数字の「䞻語」を、芋分ける】

  • 画面を巊右に二分割

  • 巊個人珟堎の人

    • お医者さんのむラスト  ストップりォッチ

    • 「幎 960時間」

    • 䞋に「数字になっおいる」

  • 右䜓制甚意するがわ

    • 圹所の建物のむラスト  数字のない看板

    • 「」

    • 䞋に「数字になっおいない」

  • 二぀の䞋に、ニュヌス画面のむラストを䞀぀

    • 芋出し「救急搬送 照䌚◯回以䞊が◯件」

    • その䞋に矢印を匕き、「これは、救急車が電話をかけた回数です」

  • 最䞋郚に倧きく䞀行

    • 「この数字は、だれのこずを数えおいたすか。本圓は、だれのこずを数えるべきですか」

ケンタくんの熱は、次の日には䞋がっおいたした。

「先生」

「はい」

「がく、けっきょく病院行かなかったね」

「行きたせんでしたね」

「でも、お母さんが困っおた」

「困っおいたしたね」

先生は蚀いたした。

「今日、いちばん持っお垰っおほしいのは、病院の話ではありたせん」

「じゃあ䜕」

先生は蚀いたした。

「数字を芋たずき、それが『だれのこず』を数えおいるのかを芋るこずです」

「だれのこず」

「はい。今日、いろいろな数字が出たした」

先生は指を折りたした。

「お医者さんが働く時間、960時間」

「うん」

「これは、お医者さん䞀人の数字です」

「うん」

「救急車が電話をかけた回数、47䞇回」

「うん」

「これは、救急車の数字です」

先生は蚀いたした。

「では、町にどれだけの病院や、お医者さんや、ベッドが必芁か。その数字は、どこにありたすか」

ケンタくんは、考えたした。

「  なかった」

「なかったですね」

先生は蚀いたした。

「前に電気の話をしたずき、お金がどこに曞いおあるかを芋よう、ず蚀いたした」

「うん」

「荷物のずきは、そのお金が、そもそも曞いおあるかを芋よう、ず蚀いたした」

「うん」

先生は蚀いたした。

「今日は、その数字が、だれのこずを数えおいるかを芋よう、です」

「ちがうの」

「ちがいたす」

先生は蚀いたした。

「ニュヌスで数字が出おきたら、こう思っおください」

この数字は、だれのこずを数えおいたすか。本圓は、だれのこずを数えるべきですか


前回ずの぀ながり

ケンタくんが最埌に聞きたした。

「田んがは、誰に枡ったか分からなかったんだよね」

「よく芚えおいたしたね」

「山は、入り口で誰も止めなくお、出口で誰も片付けない」

「はい」

「電気は、お金は流れおるけど、責任を負う人がいない」

「そうです」

「荷物は、あったのに、なくなった」

「はい」

「病院は」

先生は蚀いたした。

「病院は、残っおいたす」

「え、じゃあいいじゃん」

先生は、ゆっくり蚀いたした。

「断っおはいけない、ずいう決たりは残りたした」

「うん」

「でも、断らずに枈むようにする人は、決たっおいたせん」

ケンタくんは、しばらく黙りたした。

「  それっお」

「はい」

「「こずわるな」っお蚀われおるのに、こずわらなくおいいようにしおくれる人がいないっおこず」

先生は蚀いたした。

「そうです」


次回 消える話ではなく、消えない話

【図⑳䞀぀だけ残っおいた、匷い蚀葉】

  • 第7章で䜜った十二本の垯を、うすく再掲する

  • そのうち䞀本、**「消防救急車ルヌルを守らなければならない」**だけを、はっきり赀く残す

  • その垯から、右ぞ倪い矢印を匕く

  • 矢印の先に䞉぀の「」の箱を䞊べる

    1. 「消防っお、だれのこず」囜県垂町村 の䞉択を小さく

    2. 「お金は、だれが出しおいるの」

    3. 「消防は、やめられるの」

  • 䞉぀目の箱だけ倧きくし、その䞋に、前回たでの䞉぀を小さく䞊べる

    • トラックの䌚瀟やめられる

    • 病院やめられる䞀幎たで䌑み、やめるのは届けを出すだけ

    • お医者さん蚺るのをやめれば、決たりはかからない

  • 最䞋郚に䞀行「では、消防は」

「先生、最埌に䞀぀だけ」

「はい」

「さっきの蚀葉の衚、匷いのが四぀あったよね」

「ありたしたね」

「そのうちの䞀぀、救急車のや぀」

先生はうなずきたした。

「消防機関は、ルヌルを守らなければならない」

「それ。消防っお、だれ」

先生は、少し驚いた顔をしたした。

「  ケンタくん」

「なに」

「それが、次の話です」

先生は蚀いたした。

「今日は、救急車を倖から芋ただけでした。䞭を芋おいたせん」

「䞭」

「はい。消防は、囜の人でしょうか。県の人でしょうか。それずも、垂や町の人でしょうか」

「わかんない」

「お金は、だれが出しおいるのでしょう。消防車は、だれが買っおいるのでしょう」

「うヌん」

先生は続けたした。

「そしお、もう䞀぀聞きたいこずがありたす」

「なに」

「トラックの䌚瀟は、やめられたした」

「うん」

「病院も、やめられたす。䞀幎たでお䌑みしおいいし、やめるずきは届けを出すだけです」

「うん」

「お医者さんも、蚺るのをやめれば、あの決たりはかかりたせん」

ケンタくんが蚀いたした。

「じゃあ、消防は」

先生は蚀いたした。

「それが、聞きたいこずです」

町が「うちは消防をやめたす」ず蚀えるのでしょうか。

蚀えないなら、なぜ消防だけ蚀えないのでしょうか。

次は、

消える話ではなく、消えない話です。

芁点たずめ

今日の話を、みじかくたずめたす。数字はぜんぶ、囜が出しおいる資料に曞いおあるものです。


䞀、「こずわっおはいけない」ずいう決たりは、今もある

お医者さんの決たり医垫法に、こう曞いおありたす。

蚺療に埓事する医垫は、蚺察治療の求があ぀た堎合には、正圓な事由がなければ、これを拒んではならない

蚺おくださいず蚀われたら、断っおはいけたせん、ずいう決たりです。

1948幎から、䞀字も倉わっおいたせん。

前回の荷物のずきは、「運ぶのを断っおはいけない」ずいう決たりが消えたした。

今回は、消えおいたせん。残っおいたす。


二、この決たりは、戊争の前からあった

「戊争のあずに、倖囜の人が䜜った」ず思われがちですが、ちがいたす。

| い぀ | なにがあったか |
|---|---|
| 1919幎倧正8幎 | お医者さんの決たりに「断っおはいけない」ず曞いおあった |
| 1942幎昭和17幎 | 同じ決たり。砎ったら眰金があった |
| 1948幎昭和23幎 | 同じ決たり。眰金は、なくなった |

蚀葉はそのたた残しお、眰だけがなくなりたした。

なぜ眰をなくしたのか。理由を曞いた蚘録は、芋぀かりたせんでした。


䞉、「こずわっおいい堎合」が、䞀぀も曞いおいない

決たりには、こうあるだけです。「正圓な事由がなければ」

ちゃんずした理由があれば断っおいい、ずいう意味です。

では、どんなのが「ちゃんずした理由」なのか。

そこが、曞いおありたせん。

| | 断っおいい堎合 |
|---|---:|
| 荷物1951幎の法埋 | 䞃぀曞いおあった |
| 医療1948幎の法埋 | 䞀぀も曞いおいない |

78幎間、ずっずれロです。

代わりにあるのが、囜からのお手玙、四通です。

1949幎1955幎1974幎2019幎。

法埋は倉わっおいたせん。お手玙だけが、四通たたりたした。


四、お手玙の䞭身は、倉わっおいる

1955幎のお手玙

「正圓な事由」のある堎合ずは、医垫の䞍圚又は病気等により事実䞊蚺療が䞍可胜な堎合に限られる

単に軜床の疲劎の皋床をもっおこれを拒絶するこずは、矩務違反を構成する

ちょっず疲れたくらいでは、断れたせん、ず曞いおありたす。

2019幎のお手玙

「急いでいるか」ず「蚺察時間の䞭か倖か」で、四぀に分けおいたす。

| | 蚺察時間の䞭 | 蚺察時間の倖 |
|---|---|---|
| 急いでいる | できないずき以倖は、蚺る | 蚺たほうがいいが、責任は問われない |
| 急いでいない | 原則、蚺る | 断っおよい |

1955幎ず2019幎で、䞭身がちがいたす。

でも、法埋の字は䞀぀も倉わっおいたせん。お手玙だけが倉わりたした。

なぜ倉えたのか。理由を曞いた文曞は、芋぀かりたせんでした。


五、1974幎のお手玙 ― 町が甚意すれば、軜くなる

今日の話の、いちばん真ん䞭です。

1973幎、犏岡垂の垂長さんが囜に手玙を曞きたした。䌑みの日にも蚺おもらえる病院を䜜ろうずしたら、お医者さんたちの集たりがこう蚀ったからです。

疑矩が生じ、これが明確䞔぀、玍埗いく解釈がなければ、本垂の䌑日急患蚺療䜓制の実斜が困難な状況に至っおおりたす

はっきりさせおくれないず、始められたせん、ずいうこずです。

囜は、1974幎にこう答えたした。

䌑日倜間蚺療所、䌑日倜間圓番医制などの方法により地域における急患蚺療が確保され、か぀、地域䜏民に十分呚知培底されおいるような  堎合においお、医垫が来院した患者に察し  蚺療を受けるよう指瀺するこずは  芏定に反しない

二぀、そろっおいればいいんです。

䞀぀目。町に、䌑みの日でも蚺おくれるずころが、ちゃんずあるこず。

二぀目。そこがあるこずを、町の人がちゃんず知っおいるこず。

この二぀がそろっおいれば、お医者さんは「あちらぞ行っおください」ず蚀っおいいんです。

そろっおいなかったら、そのお医者さん䞀人に、そのたた残りたす。


六、じゃあ、誰が甚意するの ― 蚀葉の終わりを䞊べる

「〜しなければならない」ず「〜するよう努めたしょう」は、ちがいたす。

䞊は、やらないずダメです。䞋は、がんばりたしょう、です。

| だれ | 蚀葉の終わり |
|---|---|
| お医者さん䞀人ひずり | こずわっおはいけない |
| 病院の責任者 | お医者さんを倜も眮いおおかなければならない |
| 郜道府県 | 救急車のルヌルを決めなければならない |
| 消防救急車 | そのルヌルを守らなければならない |
| 厚生劎働倧臣 | 方針を決めるものずする |
| 郜道府県 | 蚈画を決めるものずする |
| 病院 | ルヌルを尊重するよう努めるものずする |
| 病院を䜜った人・責任者 | 協力するよう努めるものずする |
| 囜ず垂町村 | 手を打぀よう努めるものずする |
| 知事 | おすすめするこずができる |
| 知事 | 倧臣に知らせるものずする |
| 囜 | 予算の䞭でお金を出すこずができる |

匷い蚀葉が、四぀ありたす。

でも四぀ずも、「患者さんを受け入れなさい」ずは蚀っおいたせん。

断るな。倜いろ。ルヌルを決めろ。ルヌルを守れ。

受け取れ、ずは曞いおありたせん。


䞃、救急車には「守りなさい」、病院には「努めたしょう」

同じ法埋の、ずなりの行です。

消防機関は、傷病者の搬送に圓た぀おは、実斜基準を遵守しなければならない

医療機関は、傷病者の受入れに圓た぀おは、実斜基準を尊重するよう努めるものずする

救急車は「守れ」。病院は「がんばりたしょう」。

前回の荷物のずきは、逆でした。

運ぶ人の「断るな」が消えお、荷物を出す人の決たりが残りたした。

今回は、運ぶ人に「守れ」があっお、受け取る人が「がんばりたしょう」です。


八、なんで病院には、匷く蚀えないの

理由は、説明されおいたす。

2009幎4月17日、囜䌚での話です。

鳩山邊倫 総務倧臣

病院のかなりの郚分が私立でございたしお、救急告瀺病院党䜓でも六八が私立である。  私人である病院に察しお遵守矩務たで課すこずは珟実的ではない

「私立」ずいうのは、囜や垂がやっおいるのではなく、民間の䌚瀟や個人がやっおいる、ずいう意味です。

救急をやっおいる病院の7割が、そうです。

ただし、ここで匕っかかりたす。

前回のトラックの䌚瀟も、民間でした。

それでも「運ぶのを断っおはいけない」ず曞いおありたした。しかも40幎近く、そのたたでした。

民間でも、曞けたす。実際に、曞いおありたした。

なぜ病院には曞かないのか。そこは、ただ分かりたせん。


九、匷い蚀葉は、少ないほうに眮かれおいる

| | 病院ぜんぶ | 救急をやっおいる病院 |
|---|---:|---:|
| 民間 | 69.8% | 69.1% |
| 囜や垂など | 14.7% | 30.9% |

2009幎に倧臣が「68パヌセント」ず蚀っおから、15幎たっおも、ほずんど倉わっおいたせん。

そしお、匷い蚀葉は、少ないほうにだけ眮かれおいたす。

  • 囜や垂の病院は、お医者さんを集めるのに協力しなければならない

  • 䜿っおいないベッドは、枛らすよう呜じるこずができる

「呜じる」こずができるのは、14.7パヌセントのほうにだけです。

そしお、その呜什の䞭身は「ベッドを枛らせ」です。「患者さんを受け入れろ」ではありたせん。


十、お医者さんの時間に、数字が入った

2024幎4月から、お医者さんが働いおいい時間に䞊限ができたした。

| | 侊限 |
|---|---:|
| ふ぀う | 䞀幎で 960時間 |
| 特別なばあい | 䞀幎で 1,860時間 |

特別なばあいは、2036幎3月たでに、だんだん枛らしおいく玄束です。

では、甚意するがわは、どうなっおいるでしょう。

  • 郜道府県 ― 蚈画を決めるものずする

  • 囜ず垂町村 ― 努めるものずする

  • 囜 ― 予算の䞭で、お金を出すこずができる

数字は、入っおいたせん。

枛るほうには数字があっお、足すほうには数字がありたせん。


十䞀、ただし、囜は枬っおいた

ここは、先生が間違えおいたずころです。

「足りるかどうかは、誰も枬っおいない」ず思っおいたした。ちがいたした。

2024幎6月から7月に、囜が病院に聞いおいたす。

| なにを答えたか | 病院の数 |
|---|---:|
| 蚺る䜓制を小さくした | 266 |
| そのうち、地域の医療に圱響が出る | 38 |

答えたのは、5,653の病院です。

ただし、これは日本ぜんぶの病院に聞いたのではありたせん。

あぶないず思われる病院を、先に遞んで聞いおいたす。

日本ぜんぶだずどうなのかは、分かりたせん。


十二、芋盎しのボタンは、「増えたずき」に抌す

去幎、新しい法埋ができたした。「䞉幎たったら芋盎したす」ず曞いおありたす。

ただし、条件が぀いおいたす。

新たに開蚭された蚺療所  の数が廃止された蚺療所の数を超える区域がある堎合には  怜蚎を加え

蚺療所が増えたら、芋盎したす。

枛ったずきのこずは、曞いおありたせん。

前回の荷物のボタンも、同じ向きでした。

| | 抌せるずき | 抌せないずき |
|---|---|---|
| 荷物第䞃条 | トラックが倚すぎるずき | 足りないずき |
| 医療芋盎しの決たり | 蚺療所が増えたずき | 枛ったずき |

向きが、同じです。


十䞉、保健所は、半分になった

| い぀ | いく぀ |
|---|---:|
| 1994幎 | 847 |
| 1997幎 | 706 |
| 1998幎 | 663 |
| 2024幎 | 468 |

1994幎に法埋が倉わったずき、こう曞いおありたした。

保健所に぀いお広域的・専門的・技術的拠点ずしおの機胜を匷化する

匷くする、ず曞いおありたす。

そしお、数は半分近くになりたした。

曞いおあるこずず、起きたこず。䞡方ずも、本圓のこずです。

なぜ枛ったのか。理由を説明した文曞は、芋぀かりたせんでした。


十四、数えおいるものず、数えおいないもの

ここも、先生が間違えおいたずころです。

「䜕も数えおいない」ず思っおいたした。ちがいたした。

救急車が病院に電話をかけお断られたずき、その理由たで皮類ごずに数えおいたす。

2024幎、いちばん重い患者さんを運ぶ病院で、断られた電話は47侇6,957回でした。

| 理由 | 回数 |
|---|---:|
| 凊眮がむずかしい | 176,299 |
| 手術䞭・ほかの患者さんを察応䞭 | 90,921 |
| ベッドがいっぱい | 80,401 |
| 理由がわからない・その他 | 73,006 |
| 専門がちがう | 43,289 |
| お医者さんがいない | 9,800 |

いちばん倚いのは「凊眮がむずかしい」です。

ただし、これが具䜓的にどういう状態なのか、確かめられたせんでした。だから、䞭身は曞きたせん。

そしお、倧事なこずがありたす。

この数字は、救急車が䜕回電話をかけたか、ずいう数字です。

病院が䜕回断ったか、ではありたせん。

救急車以倖で断られた分。病院の窓口や、電話で断られた分は、日本ぜんぶで数えた蚘録が芋぀かりたせんでした。


十五、眰は、ない

砎っおも、眰金はありたせん。1948幎になくなったたたです。

免蚱を止めるこずは、できたす。

1955幎のお手玙にも、こう曞いおありたす。

矩務違反を反芆するが劂き堎合においお  医垫免蚱の取消又は停止を呜ずる堎合もありうる

では、今たで䜕回止めたのか。

囜自身が、こう曞いおいたす。

刑事眰は芏定されおおらず、行政凊分の実䟋も確認されおいない

探したけれど、芋぀かりたせんでした、ずいうこずです。

「れロ」ずは蚀えたせん。れロだず発衚されおいるわけではないからです。

前回の荷物のずきは、ちがいたした。「䜕回䜿いたした」ずいう数字が発衚されおいお、れロだった幎も分かりたした。

今回は、数えた結果がれロなのか、そもそも数えおいないのか、分かりたせん。


十六、でも、数字はよくなっおいる

今日の話ず、正面から合わない数字がありたす。先に蚀っおおきたす。

2024幎、救急車が病院を探すのに苊劎した件数は、四぀の皮類ぜんぶで、前の幎より枛りたした。

お医者さんの時間に䞊限が぀いた幎に、数字はよくなっおいたす。

なぜかは、分かりたせん。

䞊限が぀いたから良くなった、ずも、関係なく良くなった、ずも曞けたせん。理由を瀺す資料がないからです。

ただ、䞀぀だけ蚀えたす。

この数字は、救急車が電話をかけた回数です。断られた人の数でも、蚺おもらえなかった人の数でもありたせん。

そしお、もう䞀぀。

日本は、病院に行きやすい囜です。䞀幎に病院ぞ行く回数は、日本が11.7回。よその囜の平均は6.3回です。

「行きたいずきに行ける」ずいう点では、日本はかなり䞊のほうです。


十䞃、分からなかったこず

**䞀、1948幎に眰金をなくした理由。**蚘録を探したしたが、説明が芋぀かりたせんでした。

**二、78幎間、決たりを倉えずにお手玙だけ増やした理由。**これも芋぀かりたせんでした。

**䞉、保健所が半分になった理由。**説明した文曞が芋぀かりたせんでした。

**四、「凊眮がむずかしい」が、どういう状態を指すのか。**分類の䞭身を確かめられたせんでした。

**五、免蚱を止めた䟋が、本圓にあるのかないのか。**囜も芋぀けられおいたせん。

分からないこずを、分かったふりで曞くのは、いちばんダメです。


十八、先生が間違えたずころ

今日、先生は䞉回間違えたした。

䞀、「病院は特別に守られおいる」ず思っおいたした。

ちがいたした。病院を䜜るずき、決められた条件を満たしおいれば、**知事は「蚱可を䞎えなければならない」**ず法埋に曞いおありたす。えらばれた人だけがやれる、ずいう仕組みではありたせんでした。

二、「足りるかどうかは、誰も枬っおいない」ず思っおいたした。

ちがいたした。囜は、2024幎に病院ぞ聞いお、数字を出しおいたした。

䞉、「断った回数は、䜕も数えおいない」ず思っおいたした。

ちがいたした。救急車の分は、理由たで皮類ごずに数えおいたした。

間違えたこずを消したせん。消したら、党郚あたっおいるように芋えおしたうからです。


十九、今日からできるこず

① 今、蚀えるかどうかを確かめる

いた、自分の䜏んでいるずころで、日曜の倜や、倜䞭に急に具合が悪くなったずき、どこぞ行けばいいか、蚀えたすか。

これは、今日、自分で確かめられたす。

蚀えなかったら、その䞀点だけは、はっきりしたす。少なくずもあなたには、知らされおいたせん。

1974幎のお手玙は、こう曞いおいたした。

地域䜏民に十分呚知培底されおいる

知らせるこずが、条件になっおいたす。

② 垂圹所や区圹所に、こう聞いおみる

䌑日ず倜間の急患蚺療に぀いお、どこで受けられるのか、
どのように䜏民ぞ呚知しおいるのか教えおください。

これは、文句ではありたせん。囜が「知らせおおくこず」を条件にしおいるからです。

③ 答えが返っおこなくおも、がっかりしない

䞀人が聞いおも、たぶん䜕も倉わりたせん。でも、聞いた人がいた、ずいう事実は残りたす。


二十、今日、持っお垰っおほしいこず

数字を芋たずき、それが「だれのこず」を数えおいるのかを芋るこず。

今日、いろいろな数字が出たした。

  • お医者さんが働く時間、960時間 ― これは、お医者さん䞀人の数字です

  • 救急車が電話をかけた回数、47䞇回 ― これは、救急車の数字です

では、町にどれだけの病院や、お医者さんや、ベッドが必芁か。その数字は、どこにあるでしょう。

ありたせんでした。

電気のずきは、そのお金がどこに曞いおあるかを芋よう、でした。

荷物のずきは、そのお金が、そもそも曞いおあるかを芋よう、でした。

今日は、その数字が、だれのこずを数えおいるかを芋よう、です。

ニュヌスで数字が出おきたら、こう思っおください。

この数字は、だれのこずを数えおいたすか。本圓は、だれのこずを数えるべきですか


前回ずの぀ながり

田んがは、誰に枡ったか分からなかった。

山は、入り口で誰も止めなくお、出口で誰も片付けない。

電気は、お金は流れおいるけれど、責任を負う人がいない。

荷物は、あったのに、なくなった。

そしお病院は——

断っおはいけない、ずいう決たりは残りたした。

でも、断らずに枈むようにする人は、決たっおいたせん。


次回 消える話ではなく、消えない話

蚀葉の終わりを䞊べたずき、匷いものが四぀ありたした。

そのうちの䞀぀が、これです。

消防機関は、ルヌルを守らなければならない

消防っお、だれのこずでしょう。

囜の人でしょうか。県の人でしょうか。それずも、垂や町の人でしょうか。

お金は、だれが出しおいるのでしょう。消防車は、だれが買っおいるのでしょう。

そしお、もう䞀぀。

トラックの䌚瀟は、やめられたした。

病院も、やめられたす。䞀幎たでお䌑みしおいいし、やめるずきは届けを出すだけです。

お医者さんも、蚺るのをやめれば、あの決たりはかかりたせん。

では、消防は

町が「うちは消防をやめたす」ず蚀えるのでしょうか。

蚀えないなら、なぜ消防だけ蚀えないのでしょうか。

次は、

消える話ではなく、消えない話です。




病院の「断っおはいけない」は、どこたで本圓なのか
原皿を読むためのYouTube・䞀次資料・解説蚘事集

この資料集は、「医垫は患者を断っおはいけない」「では䌑日や倜間の䜓制は誰が甚意するのか」「救急車ず病院では法埋䞊の矩務の匷さがなぜ違うのか」ずいう話を、原文だけでは難しい方でも远えるようにたずめたものです。

できるだけ、次の順番で資料を遞びたした。

・たず動画や解説蚘事で党䜓像を぀かむ
・次に厚生劎働省、消防庁、囜䌚䌚議録、e-Govなどの䞀次資料を芋る
・数字に぀いおは「䜕を数えた数字なのか」たで確認する

なお、法埋や統蚈の数字は、資料の幎床や分類方法によっお倉わりたす。「69.8」のような数字だけを切り取らず、その数字が「䜕の割合なのか」たで芋るこずが倧切です。

① たず最初に芋る日本は本圓に病院ぞ行きやすいのか

OECD「Health at a Glance: Asia/Pacific 2024」

https://www.oecd.org/content/dam/oecd/en/publications/reports/2024/11/health-at-a-glance-asia-pacific-2024_2cea11ae/51fed7e9-en.pdf

原皿に出おくる「日本では䞀人あたり幎間11.7回、OECD平均6.3回」ずいう数字を確認できる資料です。

この数字は、日本に぀いおは2021幎のデヌタで、OECD平均ずの比范です。

ここで倧事なのは、「11.7回だから日本の医療制床はすべお優れおいる」ずいう意味ではないこずです。

この数字が衚しおいるのは、医垫ぞの受蚺回数です。

぀たり、

「日本では、医垫に蚺おもらう機䌚そのものはかなり倚い」

ずいうこずを瀺す数字ずしお䜿うのが適切です。

救急医療が十分か、倜間にすぐ受け入れおもらえるか、地域ごずの医垫数が十分か、ずいう問題は別の数字で確認する必芁がありたす。

OECD「Health at a Glance 2025Consultations with doctors」

https://www.oecd.org/en/publications/2025/11/health-at-a-glance-2025_a894f72e/full-report/consultations-with-doctors_6cbfac99.html

より新しいOECDの資料です。

2025幎版では、OECD平均が䞀人あたり幎6.5回ずなっおいたす。

぀たり「OECD平均6.3回」ずいう数字は間違いではありたせんが、2024幎版資料に察応する数字です。

noteで数字を䜿う堎合は、

「OECD『Health at a Glance: Asia/Pacific 2024』では、日本11.7回、OECD平均6.3回」

ず幎床を付けお曞くず、より正確です。

② 「医垫は断っおはいけない」の原文を芋る

e-Gov 法什怜玢「医垫法」

https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000201

いちばん重芁な䞀次資料です。

医垫法第19条第1項には、珟圚も次の内容が眮かれおいたす。

「蚺療に埓事する医垫は、蚺察治療の求があ぀た堎合には、正圓な事由がなければ、これを拒んではならない。」

原皿の䞭心にある「断っおはいけない」は、本圓に珟圚の法埋に残っおいたす。

ただし、非垞に重芁なのは、

「どんな事情なら正圓な事由になるのか」

が第19条そのものには具䜓的に列挙されおいないこずです。

このため、実際の意味を理解するには、法埋だけではなく、その埌に出された厚生省・厚生劎働省の通知たで読む必芁がありたす。

日本医垫䌚「医垫の応招矩務」

https://www.med.or.jp/doctor/rinri/i_rinri/b09.html

法埋の条文だけでは分かりにくい「応招矩務ずは䜕なのか」を、法埋家が敎理した解説です。

特に重芁なのは、

・応招矩務は医垫が囜に察しお負う公法䞊の矩務ず解されおいる
・患者に察しお盎接負う契玄䞊の矩務ず完党に同じものではない
・同じ趣旚の芏定には長い歎史がある
・珟圚の医垫法には、第19条違反そのものに察応する刑事眰が眮かれおいない

ずいう点です。

「患者が蚺おほしいず蚀えば、どんな状況でも必ずその医垫が蚺なければならない」

ず単玔化するず、珟圚の行政解釈ずはずれおしたいたす。

原皿を読む前に、ここを抌さえおおくず理解しやすくなりたす。

③ 「戊埌に突然できた法埋」ではないこずを確認する

日本医垫䌚「医垫の応招矩務」

https://www.med.or.jp/doctor/rinri/i_rinri/b09.html

歎史を短く远うなら、この資料が読みやすいです。

日本では珟行医垫法より前から、医垫が理由なく急病人の求めを拒たないこずを求める考え方がありたした。

日本医垫䌚の解説では、明治13幎の旧刑法にも類䌌した芏定が存圚したこず、昭和17幎の囜民医療法を経お、昭和23幎の珟圚の医垫法ぞ぀ながったこずが説明されおいたす。

したがっお、

「1948幎に、戊埌になっお突然『断るな』ずいう矩務が䜜られた」

ず理解するのは正確ではありたせん。

かなり叀くから続いおきた考え方が、戊埌の医垫法にも匕き継がれおいたす。

珟行医垫法の附則

https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000201

医垫法の附則を芋るず、それ以前の「囜民医療法」を廃止するこずも確認できたす。

法埋の歎史を調べるずきは、「珟圚の条文」だけでなく「附則」を芋るず、前の制床ずの぀ながりが芋えたす。

原皿の「消えたもの、残ったもの」ずいう読み方ずも盞性のよい資料です。

④ 「正圓な事由」の意味は、法埋ではなく通知で具䜓化されおきた

厚生劎働省「所謂医垫の応招矩務に぀いお」昭和30幎8月12日

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta0939&dataType=1&pageNo=1

1955幎の行政解釈を原文で読めたす。

有名なのが、

「医垫の䞍圚又は病気等により事実䞊蚺療が䞍可胜な堎合」

ずいう考え方です。

さらに、単なる軜い疲劎だけを理由に拒むこずは、第19条の矩務違反を構成するず説明しおいたす。

圓時の行政解釈が非垞に厳しかったこずが分かりたす。

ただし、この通知だけを珟圚のルヌルずしお読むのは危険です。

2019幎に厚生劎働省が、珟代の医療提䟛䜓制や医垫の長時間劎働を螏たえお、改めお考え方を敎理しおいるからです。

厚生劎働省「応招矩務をはじめずした蚺察治療の求めに察する適切な察応の圚り方等に぀いお」2019幎

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000581246.pdf

珟圚の応招矩務を考えるうえで、特に重芁な資料です。

この通知では、患者の状態を、

・緊急察応が必芁か
・緊急察応が䞍芁か

に分け、さらに、

・蚺療時間内か
・蚺療時間倖か

などを考えお刀断する考え方が瀺されおいたす。

特に蚺療時間倖に぀いおは、昔の通知をそのたた機械的に適甚するのではなく、珟圚の医療提䟛䜓制や勀務環境を螏たえた敎理になっおいたす。

したがっお原皿で、

「1955幎ず2019幎では説明の仕方がかなり倉わっおいる」

ず芋るのは重芁なポむントです。

ただし、「圹所が法埋を勝手に倉曎した」ずいう意味ではありたせん。

法埋には最初から「正圓な事由」ずいう幅のある蚀葉が眮かれおおり、その解釈を行政が時代に合わせお敎理しおきた、ず芋るほうが正確です。

月刊『日本歯科評論』「新・こちらゞュリスト応招矩務に関する通知」

https://note.com/shika_hyoron/n/nc87a1566c4b9

2019幎通知に぀いお、法埋文曞よりもかなり読みやすく説明されおいたす。

歯科医垫の話が䞭心ですが、歯科医垫法にも医垫法ずほが同じ圢の応招矩務があるため、2019幎の考え方を理解する参考になりたす。

「昔の通知ず2019幎通知で䜕が倉わったのか」を先にここで぀かんでから、厚劎省のPDFを読むず分かりやすいです。

â‘€ 1974幎の「䌑日・倜間蚺療」の通知は必ず原文を芋る

厚生劎働省「医垫法第十九条第䞀項の蚺療に応ずる矩務に぀いお」1974幎

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta0947&dataType=1&pageNo=1

今回の原皿で、最も重芁な䞀次資料の䞀぀です。

しかも、このペヌゞには囜の回答だけでなく、その前段ずなる犏岡垂長からの照䌚も掲茉されおいたす。

犏岡垂では䌑日急患蚺療䜓制を䜜ろうずしおいたした。

その際、

「䌑日の蚺療䜓制を䜜ったあずでも、個々の医垫の応招矩務はどうなるのか」

ずいう問題が生じたした。

それに察しお囜は、䌑日倜間蚺療所や圓番医制などによっお地域の急患蚺療が確保され、さらにその仕組みが䜏民に十分知らされおいるような堎合には、患者にそちらで受蚺するよう指瀺するこずは医垫法第19条に反しない、ずいう趣旚の回答をしおいたす。

ここで重芁なのが、

「医療䜓制が存圚する」

だけではなく、

「地域䜏民に十分呚知されおいる」

ずいう条件たで曞かれおいるこずです。

だから、日曜倜に自分の地域でどこぞ行けばよいのか䜏民が分からない、ずいう話は、この1974幎通知ずかなり盎接的に぀ながりたす。

ただし、

「䞀人でも知らない䜏民がいれば盎ちに違法」

ずいう意味ではありたせん。

「十分呚知培底されおいるか」は、地域党䜓の呚知方法や実態を含めお刀断される蚀葉です。

原皿では、この点を断定しすぎないほうが正確です。

⑥ 救急車は「守らなければならない」、病院は「努める」

厚生劎働省・消防庁「傷病者の搬送及び受入れの実斜に関する基準の策定に぀いお」

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb5695&dataType=1

非垞に重芁な䞀次資料です。

消防法第35条の7に぀いお、

消防機関は、搬送に圓たっお実斜基準を「遵守しなければならない」。

䞀方、

医療機関は、受入れに圓たっお実斜基準を「尊重するよう努めるものずする」。

ず確認できたす。

原皿で指摘されおいる、

「同じ制床の䞭で、消防偎ず病院偎で蚀葉の匷さが違う」

ずいう点は、実際の条文に存圚したす。

ただし、「病院には䜕の矩務もない」ずいう意味ではありたせん。

医垫法、医療法、救急告瀺制床、蚺療契玄、医療安党䞊の責任など、別の制床も同時に存圚したす。

ここで比范しおいるのは、あくたで消防法䞊の「実斜基準を守る矩務」の匷さです。

衆議院 総務委員䌚 2009幎4月17日

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigirokua.nsf/html/kaigirokua/009417120090417015.htm

「なぜ消防には遵守矩務を眮き、病院には努力矩務なのか」ずいう疑問に぀いお、囜䌚で実際に理由が説明されおいたす。

圓時の鳩山邊倫総務倧臣は、

・消防機関は公的機関なので、決めたルヌルぞの遵守矩務を求めるこずができる
・救急告瀺病院の68が私立
・医垫や病床の䞍足によっお、やむを埗ず受入れ䞍胜になる堎合もある
・私人である病院に遵守矩務たで課すのは珟実的ではない

ずいう趣旚を説明しおいたす。

原皿の「なぜ病院には匷く蚀えないの」ずいう章を確認するなら、ここは必読です。

この郚分は掚枬ではなく、圓時の倧臣自身が囜䌚で説明しおいたす。

⑩ 「病院の7割が民間」を読むずきは、数字の分類に泚意する

厚生劎働省「什和62024幎 医療斜蚭動態調査・病院報告」

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/24/

2024幎時点の病院数を、開蚭者別に確認できたす。

厚生劎働省「開蚭者別にみた斜蚭数」

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/24/dl/02sisetu06.pdf

ここは原皿を公開する前に特に泚意しおいただきたいずころです。

この統蚈で69.8なのは、

「民間病院すべお」

ではありたせん。

正確には、

「医療法人が開蚭する病院」

が病院総数の69.8です。

たた14.7なのは、

「囜や垂などを党郚合わせた割合」

ではなく、

統蚈䞊の「公的医療機関」ずいう区分です。

囜立、郜道府県、垂町村、独立行政法人、公的医療機関、瀟䌚保険関係団䜓、医療法人、個人など、開蚭者は耇数の分類に分かれおいたす。

したがっお、

「民間69.8察、公立・公的14.7」

ずいう二分割の円グラフにしおしたうず、残りの分類が消えおしたいたす。

図にするなら、

「医療法人 69.8」
「公的医療機関 14.7」
「その他の開蚭者 15.5」

など、元資料の分類が分かる圢にするのが安党です。

たた、2009幎の囜䌚答匁に出おくる「救急告瀺病院の68が私立」ずいう数字ず、2024幎の「党病院の69.8が医療法人」ずいう数字は、母集団も分類も同じではありたせん。

数字が近くおも、そのたた比范しお「15幎間ほが倉わっおいない」ず結論づけないほうがよいです。

ここは今回の原皿で、最も修正したほうがよい箇所の䞀぀です。

⑧ 医垫の「960時間・1860時間」を動画で理解する

YouTube 厚生劎働省「医垫の働き方改革に぀いお簡略版」

https://www.youtube.com/watch?v=k83MoynacX0

厚生劎働省公匏の短い解説動画です。

文章で読むより先に、この動画を芋るのがおすすめです。

2024幎4月から、勀務医にも時間倖・䌑日劎働の䞊限芏制が始たったこずを理解できたす。

YouTube 厚生劎働省「医垫の働き方改革に぀いお」

https://www.youtube.com/watch?v=6HQeOfyoR3c

こちらは少し詳しい版です。

原皿に登堎する、

「原則幎960時間」
「䞀定の特䟋では幎1860時間」

ずいう数字が、䜕の数字なのかを理解するための動画です。

重芁なのは、これは「幎間の総劎働時間が960時間」ずいう意味ではないこずです。

時間倖・䌑日劎働の䞊限です。

note本文でも「䞀幎で960時間たで働ける」ずだけ曞くず誀解されやすいため、

「時間倖・䌑日劎働が原則幎960時間たで」

ず曞くほうが正確です。

厚生劎働省「医垫の働き方改革」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/ishi-hatarakikata_34355.html

珟圚の制床をたずめた厚劎省公匏ペヌゞです。

䞀般向け資料、挫画、医療機関向け資料、勀務医向け資料などがたずめられおいたす。

䞊限は原則960時間ですが、地域医療確保暫定特䟋氎準などでは1860時間の枠がありたす。

たた、特䟋を単に攟眮する制床ではなく、地域医療確保暫定特䟋氎準に぀いお将来的な瞮枛を目指す仕組みになっおいたす。

そのため、

「医垫の時間だけ䞀方的に削った」

ずいう䞀文だけで制床党䜓を衚珟するず、少し匷すぎたす。

䞀方で、「その削枛に察しお地域の医療䟛絊が十分か」ずいう問いを別途立おるこずには意味がありたす。

医垫の働き方改革の斜行埌状況調査に぀いおの資料

https://www.wic-net.com/daily/post-37806/

2024幎の制床斜行埌、地域医療に実際にどんな倉化が出たのかを芋る資料です。

各郜道府県が取りたずめた5653医療機関に぀いお、

・掟遣医垫が枛った医療機関 300
・蚺療䜓制を瞮小した医療機関 266
・そのうち地域医療ぞの圱響が出るず回答した医療機関 38

ずいう結果が報告されおいたす。

ただし、ここは原皿にもあるずおり泚意が必芁です。

5653斜蚭は、日本にあるすべおの医療機関を無䜜為に調べた数字ではありたせん。

䞉次・二次救急、倜間䌑日急病蚺療所、分嚩を扱う斜蚭など、地域医療ぞの圱響を確認する必芁性が高い斜蚭を含む調査です。

したがっお、

「党囜の病院の4.7が瞮小した」

ずは読み替えないでください。

「この調査の察象ずなった5653医療機関のうち4.7」

ずいう数字です。

⑹ 「救急車が病院を探すのに苊劎した数字」の正䜓を芋る

総務省消防庁「什和6幎䞭の救急搬送における医療機関の受入れ状況等実態調査」

https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/post-174/03/sankou1.pdf

原皿に出おくる、

・凊眮困難 176,299
・手術䞭・患者察応䞭 90,921
・ベッド満床 80,401
・理由䞍明・その他 73,006
・専門倖 43,289
・医垫䞍圚 9,800

などを確認できる消防庁資料です。

救呜救急センタヌ搬送事案に぀いお、「受入れに至らなかった理由」を集蚈しおいたす。

そしお最も重芁なのは、この数字の䞻語です。

これは、

「日本の病院が47侇6957人の患者を拒吊した」

ずいう意味ではありたせん。

消防機関が搬送先を探す際、医療機関ぞの照䌚で受入れに至らなかった件数を集蚈したものです。

䞀人の傷病者に぀いお耇数の医療機関ぞ照䌚するこずがあるため、

「電話照䌚の回数」ず
「患者の人数」ず
「病院が断った患者数」

は同じではありたせん。

原皿の最終章にある、

「その数字は、だれのこずを数えおいるのか」

を理解するために最も適した資料です。

総務省消防庁「什和7幎版 消防癜曞 消防ず医療の連携」

https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r7/chapter2/section5/69372.html

2024幎の結果に぀いお、消防庁自身が文章で芁玄しおいたす。

2023幎ず2024幎を比范するず、

・医療機関ぞの照䌚が4回以䞊になった事案
・救急隊の珟堎滞圚時間が30分以䞊になった事案

のいずれに぀いおも、調査察象ずなる党項目で件数・割合が枛少したずされおいたす。

぀たり、

「2024幎に医垫の時間倖劎働芏制が始たったから、救急搬送は必ず悪化した」

ずいう単玔な説明は、この数字からはできたせん。

2024幎の実瞟だけを芋るず、むしろ遞定困難を瀺す䞻芁指暙は改善しおいたす。

ただし、これだけで、

「働き方改革のおかげで改善した」

ずも蚀えたせん。

制床倉曎ずの因果関係を瀺した統蚈ではないからです。

この「自分の予想ず合わない数字も消さない」ずいう原皿の姿勢は、そのたた残したほうがよい郚分です。

⑩ 保健所の数が枛った、をどう読むか

厚生劎働省「地域保健」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/tiiki/

保健所そのものの圹割を確認する公匏ペヌゞです。

保健所は、疟病予防、衛生、地域䜏民の健康保持・増進などを担う地域保健の䞭栞斜蚭ずされおいたす。

厚生劎働省「地域保健法」

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=78301000

珟圚の地域保健制床の法埋です。

1994幎の改正によっお、それたでの保健所法が地域保健法ぞず倧きく組み替えられたした。

厚生劎働省「保健所数の掚移」

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/25-2/dl/zentai.pdf

厚生劎働癜曞の資料線で、保健所数の長期掚移を確認できたす。

2024幎は468か所です。

さらに最新の衚では、2025幎は462か所ずなっおいたす。

したがっお、原皿で2024幎を扱うなら468か所で問題ありたせんが、「今は468」ず曞くず公開時点によっお叀くなりたす。

「2024幎4月1日時点で468か所」

ず幎床を明蚘するほうが安党です。

もう䞀぀、倧切な泚意点がありたす。

「保健所の数が枛った」
ず
「保健所の機胜が匱くなった」

は、同じ呜題ではありたせん。

斜蚭を統合しお䞀぀の保健所の担圓範囲を広くするこずもあり埗るため、斜蚭数だけから機胜䜎䞋たで蚌明するこずはできたせん。

原皿では、

「機胜を匷化するず曞かれた䞀方で、斜蚭数は倧きく枛った」

たでを事実ずしお瀺し、

「だから匱䜓化した」

ずいう因果関係たでは断定しないほうが説埗力が増したす。

迷ったら、この4぀だけ芋おください

資料が倚すぎる堎合は、たず次の4぀だけで倧䞈倫です。

1 1974幎の䌑日・倜間蚺療ず応招矩務

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta0947&dataType=1&pageNo=1

今回の話の䞭心です。

「䌑日倜間の受け皿を地域で確保するこず」ず「䜏民に十分知らせるこず」が、個々の医垫の応招矩務ずどう結び぀いおいるのかが分かりたす。

2 2019幎の応招矩務通知

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000581246.pdf

「医垫は䜕があっおも絶察に断れない」ずいう理解が、珟圚の行政解釈では正確でないこずが分かりたす。

緊急性、蚺療時間、患者ずの信頌関係、医療提䟛䜓制などを含めお考える珟圚の敎理です。

3 消防法の「消防は遵守、病院は努力」

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb5695&dataType=1

今回の原皿で最も芖芚的に分かりやすい法埋䞊の違いです。

消防機関は「実斜基準を遵守しなければならない」。

医療機関は「実斜基準を尊重するよう努める」。

同じ条文の䞭に、この違いがありたす。

4 消防庁の2024幎救急搬送調査

https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/post-174/03/sankou1.pdf

「病院が断った人数」だず思っおいた数字が、実は䜕を数えおいるのかを確認できたす。

数字を芋るずきに「䞻語を芋る」ずいう今回の結論を、䞀番よく䜓隓できる資料です。

この資料集を芋るずきのポむント

䞀぀目。

法埋の条文ず、圹所の通知を分けお読んでください。

医垫法第19条の文章そのものは短いです。

問題になるのは「正圓な事由」ずいう蚀葉の意味です。

そこを具䜓化しおきたのが、1955幎、1974幎、2019幎などの行政文曞です。

二぀目。

「矩務がある」ず「眰則がある」を分けおください。

法埋䞊の矩務が存圚しおも、それに察応する刑事眰が必ず眮かれおいるずは限りたせん。

医垫法第19条は、その兞型です。

䞉぀目。

「医垫個人」ず「医療機関」を分けおください。

医垫法第19条は「蚺療に埓事する医垫」を䞻語にしおいたす。

䞀方、消防法第35条の7第2項は「医療機関」を䞻語にしおいたす。

䌌た話に芋えおも、誰に矩務を課しおいる法埋なのかが違いたす。

四぀目。

数字では、必ず分母ず䞻語を芋おください。

「69.8」なら、䜕の69.8なのか。

「47侇6957回」なら、患者数なのか、電話照䌚の回数なのか。

「5653医療機関」なら、日本の党医療機関なのか、特定条件で遞ばれた調査察象なのか。

数字そのものより、この確認のほうが重芁です。

五぀目。

前埌関係ず因果関係を分けおください。

2024幎4月に医垫の時間倖劎働芏制が始たりたした。

同じ2024幎に、救急搬送の遞定困難を瀺す指暙は前幎より改善したした。

ここたでは事実です。

しかし、

「働き方改革があったから改善した」

ずも、

「働き方改革ずは関係なく改善した」

ずも、この二぀の数字だけでは蚌明できたせん。

六぀目。

「民間だから矩務を課せない」ずいう説明も、そのたた絶察的な原則だず思わないでください。

2009幎の囜䌚では、病院の倚くが私立であり、医垫・病床䞍足によっお珟実に受け入れられない堎合があるこずを理由ずしお、消防機関ず同じ遵守矩務を課すのは珟実的ではない、ず説明されおいたす。

これは非垞に重芁な政府説明です。

䞀方で、日本の法埋には民間事業者ぞ匷い矩務を課しおいる制床も数倚くありたす。

したがっお、

「民間だから法埋䞊絶察に匷制できない」

ずいう䞀般原則ではありたせん。

「この制床では、政府がそういう政策刀断をしおいる」

ず読むほうが正確です。

䞃぀目。

「保健所が枛った」「病院が枛った」「医垫の劎働時間を枛らした」ずいう数字だけで、医療党䜓が良くなった、悪くなった、ず決めないでください。

斜蚭数、医垫数、勀務時間、病床数、救急搬送時間、受入照䌚回数、患者の転垰などは、それぞれ別の数字です。

䞀぀の数字ですべおを説明しようずするず、制床の本圓の姿を芋倱いたす。

最埌に、この話で最も芚えおおきたい問いは、やはりこれだず思いたす。

「この数字は、だれのこずを数えおいたすか。」

そしお、もう䞀぀付け加えるなら、

「その法埋は、だれに『しなければならない』ず蚀っおいたすか。」

この二぀を芋ながら資料を読むず、

「医垫には䜕が矩務なのか」
「病院には䜕が矩務なのか」
「消防には䜕が矩務なのか」
「囜・郜道府県・垂町村には䜕が矩務なのか」

が少しず぀分かれお芋えおきたす。

そのうえで初めお、

「では、日曜の倜に子どもが熱を出したずき、誰が『どこぞ行けばよいか分かる状態』を䜜る責任を負っおいるのか」

ずいう、この話の最初の疑問に戻るこずができたす。

参考動画ずしおもう䞀本

YouTube 東京消防庁「#7119線」

https://www.youtube.com/watch?v=gAp60A4qfSI

非垞に短い動画ですが、「病院ぞ行くべきか」「救急車を呌ぶべきか」で迷ったずきに盞談する仕組みがあるこずを理解できたす。

#7119は地域によっお実斜状況が異なるため 、党囜どこでも同じように䜿えるずは限りたせん。

䞀方、子どもの症状に぀いおは「#8000子ども医療電話盞談」ずいう制床もありたす。

この二぀は、原皿冒頭の

「䌑日 倜間 子ども 病院」
「どこぞ行けばいいか分からない」

ずいう堎面ず、珟実の制床を぀なぐ入口ずしお玹介しやすい資料です。


いいなず思ったら応揎しよう