【つぶやき】『WEAPONS ウェポンズ』を観ました(ネタバレ有感想)
不穏な白塗り子供の画像と予告編で不気味に話題になっていた『WEAPONS』。
公開初日に観てきました。
新宿のシネコンは昼間からほぼ満席続き、渋谷のミニシアターをオンライン予約したのだけど、到着してみたら老若男女で9割くらい埋まってる。
パンフレットを買い、ワーナー最後の洋画配給ということで何か試写会でくれそうな、作品と無関係なWBロゴステッカーをいただき着席。
結論から言うと、ホラーファンにも高評価・かつ幅広い層が楽しめている、という現時点のFilmarksの評判に納得の作品だった。
※以下、導入部のあらすじ以外ではストーリー内容には触れませんが描写や見せ方に言及します。念の為ネタバレ有としてお考え下さい
【導入部のあらすじ】
ある少女が語る。
これは本当にあった話、と。
本当にあった、たくさんの被害を出した、けれど大人達に隠匿された話だ、と。
ある町で深夜、子供達が一斉に失踪した。
彼らは同じクラスに在籍する18人のうち17人の少年少女。
教師や保護者、警察、住民ら町の大人達は、混乱する者、普段通りの者、思い思いに行動しているのだが、いじめっ子男児の父親アーチャーは担任教師ジャスティンを疑い、責任を決めつけ、事態の解明に乗り出した。
……というのが導入部。
落ち着いた暗めの映像と、思い切りのいい爆発力が共存する、シュールにして鮮烈な作品。
面白いは面白いが、私としてはホラー映画を観る=怖がるテンションで観ていたからか、助走どころではない群像劇パートが長すぎてかなり疲労してしまった。
正直、前8割とラスト2割があまりに別々すぎる(雰囲気の急展開の事ではなく、全て後出しのつくりの話)。違う人間が作ったのかとさえ思えた程。
前8割は、核心へのヒントが徐々に拾えると見せかけて結局そうでもない
「こうして全員集合しましたよ」
の各ルート紹介でしかなく、しかもほぼ全員人間性が劣悪な為、痴話喧嘩群像劇を見せられる感。
蓋を開けてみれば、予告とかで出していたあの白塗りも「核心要素とは無関係」のジャンプスケアだし、ホラーは見慣れ・人間ドラマ作品不慣れ、な私にはかなり冗長で退屈だった。白塗りルックで惹きつけといて関係ねえのかよ!百歩譲って何らかのメタファーなのかも知れないけど劇中で“この白塗りは何ぞや、と語られない要素”だし、長すぎ。
(字幕は意訳でかなりまろやかにしていたが、男も女もめちゃくちゃ言葉汚くてここにもびびった。特にジャスティン、内面も女性である女性でも毒づくときに「Suck my ×i×k」って言うのは驚き。ここらへん人間性の出てる描写なので、字幕はちゃんと訳せよと思う(笑)レーティング上がっちまうからダメなのか?しかし結局R18なんだからきちんとやってても良かったとは思ってしまう)
まあしかしラスト2割の持つ問答無用のエネルギー、ホラー力(ぢから)はホンモノ。
ホラーファンが喝采するは本当に分かる。映画館でも感嘆が起こっていたし、何なら
「笑って……いいのかこれ?」
的な、ホラー不慣れ層による不謹慎配慮の含まれたみたいな笑い(あの雰囲気は本当にこれだと思う)すら起きていたように感じた。
正直この2割だけで本作の意味とストーリーが全部理解できる急な種明かしとクライマックスで、終わってみたらマジで前8割何だったのってくらいに改めてだるすぎた。
この8割を
「様々な視点で面白い!」
と腰を据えて楽しめる層が『オッペンハイマー』とかの長尺ドラマを楽しめるタイプの、ストーリー重視・ドラマ重視の映画ファンなんだろうな。
つまり、普段ドラマ映画を観てるからこそ前8割を楽しくドラマとして追えた人こそ、ラスト2割の衝撃と転換を100%で浴びられてる層かも。
ホラーファンにも、そうでない層にもリーチしてる高評価の理由、と私が思ったのはここだった。
そして普段私が人から
「ジャンル映画しか観ないね」
「シッチェス映画祭好きそう」
とか言われまくってる理由が自分でよく分かった。前8割いらんもん。
ヒントがあるでも核心・ネタが明らかになってくでもない群像劇は本当に、ホラー期待テンションには苦痛よ。いきなりラスト2割で種明かしと見せ場的ホラー描写全部やるなら、その2割の成分で全編作って欲しいと思っちゃうからね。
私がジャンル映画脳と笑われても仕方ないし、改めて己の好みを強く実感した。
全編通して、いやメリハリと謎込みで6:4、せめて7:3でクライマックスの感じの絵と雰囲気を味わいたかったと思うくらいにはモロに心を掴まれた。
あの躍動感、爆発力、絵ヅラのとんでもなさ、痛快な残虐さ、クライマックス全部最高。
ちなみに制作陣によると、本作のとある黒幕的存在の過去を描く前日譚を作ろうとしてるとの事。
個人的には本作よりもこっちの方が“過程”がホラー的になりそうなんで楽しそう。
これもパンフレット情報だが本作の構成は『マグノリア』に影響を受けてるとの事で、次回は、本作のさした「謎解き」でなく「全員集合過程」の長話のマグノリア形式にこだわらず、もっとホラーとして「通し」のテンション感が一貫してくれたら好みかも。
同監督の『バーバリアン』は結構好きなので続編あるなら素直に期待しちゃう。
最後に、ワーナーさん今までありがとうだけど、最後だから思った事言うわ。全国たった33館って日和すぎな気がする。
私は『カラダ探し』の公開時に
“『It』を配給したワーナーが送る”
なんてトンチンカンな虎の威を借る狐の箔付けしてたのも首傾げてたし、前にも書いたけど『ウォンカ』のチャリチョコとの繋がり騙し宣伝でもワーナーさんの事は更に嫌いになってたけど、『カラダ探し』の2みたいなのを全国公開してああいった評価集めても収益重視でいける気概あるなら、せめてラスト外国映画にこんな奇抜なの選んだのなら、もっと公開館広げても良かったのでは?
……まあ、大人の事情もあるだろうし、配給会社さん的な映画への「見る目」の有無は我々と違うだろうし、仕方ないのか。
今後は『カラダ探し2』みたいに、アイドル演者とそのファンにやさしい国産ホラーを提供していくワーナーさんとは、ここで本当にお別れだ。
私はアルバトロスさんが頑張ってる限り、配給される奇妙な力溢れる海外のホラー観に映画館行きまくるジャンル映画脳なんで。

